将来起業したいな〜って考えてる若い子から、実力をつけるなら大企業に就職すべきか、ベンチャーに就職すべきか、それともすぐに起業すべきか?みたいな質問をよく聞かれます。
じゃあ実際に大企業・ベンチャー・起業を全て経験している、僕の楽天新卒同期の起業家を 3 人集めて、トークイベントを開催してみました!
ぼく:では時間になったので始めさせていただこうと思います。みなさんこんばんは。
全員:こんばんは。
ぼく:今日はイベントにお越しいただき、ありがとうございます。タイトルが「将来起業したい若手注目!新卒 3 年目までの修行の仕方を教えます」なんですけど、みなさんのプロファイルを聞かせてください。
ぼく:学生の方ってどのくらいいます?
(半分ぐらい手を挙げる)
ぼく:けっこういますね。何年生ですか?
学生A:4 年生です。
学生B:僕も 4 年生です。
学生C:3 年生です。
ぼく:よかった、みんな一応 20 歳を超えている。
※会場ではアルコールが提供されています
※金氏以外の登壇者はすでに飲んでいます
Rentio 三輪社長 (以下「三輪ちゃん」):4 年生っていうことはもうそろそろ卒業?就職間近?
学生B:そうですね、僕は宮崎の大学なんですけど、休学しているので、再来年卒業です。
三輪ちゃん:休学して何やってるんですか?
学生B:ご存知ないかもしれないですが、ヒトメディアっていう会社の投資先のスタートアップでインターンしています。
ぼく:おぉ、もりたま (ヒトメディア社代表 森田 正康) さん。オーバーヘッドキックができる社長さんですね。
三輪ちゃん:サッカー上手いんだw
ぼく:じゃあ他の人は社会人ってことですよね。社会人1年目の人。(数名挙手) 2年目。(数名挙手) 3年目。(数名挙手) 4年目以降…いない。
全員:すごいww
ぼく:なんて狙い通りのオーディエンスが集まったんだ...。ちなみにもうすでに実は起業してますよっていう人?(1 名挙手) はい、彼はちゃんと事前に「起業済の人はダメだって募集ページに書いてあるのに今日気付きましたゴメンなさい、行っても大丈夫ですか?」って連絡いただきました。
purum inc. 代表 津山 宙己 (https://twitter.com/go_tsuyamaboy) 照れ笑い
ぼく:彼以外で、将来起業したいと具体的に考えている人?(8 割がた挙手) すごい。ありがとうございます。
ぼく:あとで個別に自己紹介はするんですけど、僕を除くこの 3 人は起業している社長です。プロフィール見て初めて気づいたんですけど、すごい偶然、僕を含めてこの 4 人とも同じ楽天っていう会社の出身でして。
(会場小笑い)
ぼく:これまたびっくりしたんですけど、同じ 2008 年に新卒で入社してるんですよね。ビックリしたよね。168 人もいると誰が誰だか分かんないですよね。
ぼく:…嘘です、さすがに全員知り合いですw
(会場小笑い)
ぼく:僕らは全員、楽天っていう大きい会社に入って、いろいろな経験を経て、ぼく以外みんな起業していったわけなんですね。起業したタイミングや現在の会社のステージはバラバラなんですけど、1 度大企業を経てから起業してます。
最近「#起業しろ」とか言われてますけど、果たして
(登壇者うなずく)
ぼく:将来起業を考えている皆さんのために、この人たちが起業して会社を運営していく中で、大企業で働いたことで役に立ったこと・役に立たなかったこととか、スタートアップで修行したことで役に立っていることだったり、そういう生の話を今日は色々聞いていきます。ちょっとでもみなさんの将来の参考になればなと、今回のイベントを企画しました。
(ささやかな拍手)
ぼく:まずはお前ら誰やねんということで、自己紹介しましょうか。まずは Rentio の三輪ちゃんから。
三輪ちゃん:Rentio の三輪と申します。簡単なプロフィールなんですけど、明治大学出て、新卒で楽天に行って、そのあと家電の EC ベンチャーに行きました。
三輪ちゃん:その会社社長に、そろそろ起業したいんで辞めますって言ったら、そろそろ倒産するかもと言われ、結果的に潰れまして、会社の破産処理しながら起業スタートという。しかも子供いた状態だったんでなかなか楽しいスタートになりました。
ぼく:Rentio が破産しても処理方法知ってるから安心やね。
三輪ちゃん:創業したのが約 3 年半前の 2015 年 4 月、最初は株式会社カンパニーっていう名前でした。最初は、現在の主力事業であるレンタルもしつつ、普通に家電の小売りとか卸しとかもやっていました。家電の卸しとか「ザ・おじさんたち」の仕事なんですけど、そういうことをしながら日銭を稼いで、まだレンタルでは月商 30 万円程度だったときにANRI っていう VC から声掛けて頂いて、結果的に資金調達をさせてもらって。
ぼく:佐俣アンリ先輩の ANRI ですね。
三輪ちゃん:会社名も変更して、売り上げも伸びてきて、2016 年 10 月、創業してから 1 年半後に、ANRI とメルカリと East Ventures と有安さんから投資してもらって、オフィス移転して、 けっこう順調な感じで売り上げが上がって、、、と、気持ちよくやらせていただいている感じです。大変なこともいっぱいあったんですけど、楽しいこともたくさんあるので、そういうのお伝えできたら嬉しいなと思ってます。よろしくお願いします。
ぼく:よろしくお願いします。続いて隣の齊藤壮、通称さいそうさん。
crispy 齊藤社長 (以下「さいそう」):こんにちは、株式会社 crispy 代表取締役の齊藤壮と申します。サイトウっていう苗字の人が世の中に結構いっぱいいるので、さいそうって呼ばれております。是非さいそうと呼んでください。
さいそう:この中では 1 番年上、いろいろあって、35 歳です。同期なんですけど。1983 年 4 月 3 日生まれで、エディ・マーフィと同じ誕生日です。早稲田大学を卒業して、学生時代からけっこうコミュ障だったので、インターネットのほうにずっと逃げ続けていて、コミュニティサイトの運営などしていました。
VIP Plaza キム社長 (以下「テソン」):コミュ障なのにコミュニティサイト運営してたの?(真顔)
さいそう:そうなんです///
ぼく:さっきから全然会場のほうを見ないもんね。大丈夫だよ、自分のペースで。
さいそう:大学生向けのコミュニティサイトとかを自分で運営とかしたりですね、あとサークル本当は入りたいけど、入れるコミュ能力がなかったので、サークルの情報サイトとかを作ったりしてました。ずーっと就職活動しないで4年生になった時に、裏口で楽天株式会社に入りました。
ぼく:あったんだ裏口。
さいそう:で、入社して、裏口で入ったので、普通の配属じゃなくて、当時担当者がいない「前略プロフィール」っていうサービスがあって、そこの主担当になれって言われてそのまま入ったっていう感じですね。
ぼく:前略懐かしい。
さいそう:中期計画とかコミュニティをグロースさせなさいみたいなことを言われて、けっこうやったなっていう感じがして、もう大企業はいいかなと思ってですね。2011 年 1 月から、株式会社ロケットスタートっていう会社に入りました。
さいそう:けんすう (ロケットスタート社 (当時) 創業者の古川健介氏) さんが「nanapi」というサービスやっていたんですが、彼は大学時代の先輩で。そこに3番目の社員で入社して、そのまま KDDI に買収されるまで事業責任者をやってました。
ぼく:当時は AdSense の打ち合わせとかしてたよねw
さいそう:買収されたタイミングで、色々とタイミングがいいなと思い辞めようと思って、2015 年 3 月に退職して、4 月に今の会社を創業して、シンガポールに行ったりとか戻ってきたりとかして、いろいろやりながら今どうにか生きているというところですね。そんなかんじです。
ぼく:肝心の crispy のこと一切話してへんw 唯一この中で、さいそうだけは僕も何をやっているのかイマイチよく分かってないから、簡単に。
さいそう:そうですね...すごいコミュ障なんで、あんまりサービスをオープンにできないタイプなんですよ。コツコツコソコソやってるんですけど、面接とか受けに来てくれた人にはすごい話す、みたいな。
三輪ちゃん:1 対 1 だといけるんだよね?
さいそう:1 対 1 だといけるんですけど。
テソン:せっかくみんなイベント来てくれてるから。
さいそう:そうですね...一応何か、結局今日登壇しているみんなと同じ EC 領域のことをやっています。他の 2 人はリアルなものを扱ってるんですけど、僕コミュ障なんでリアルなものは扱いにくかったので。
ぼく:どういうこと?w
さいそう:EC とはいえ人とコミュニケーションするのがちょっと...なのでモノのデータを扱ってます。
ぼく:なるほど...みんな分かったのかなw 興味持った人は後から話してみると、1 対 1 だと多分ちゃんと話してくれるんじゃないかなと思います。じゃあ最後、VIP Plaza のテソン。
テソン:こんばんは。初めまして、キム テソンと言います。韓国人なんですけど、生まれも育ちも日本ですのでほとんど日本人です。幼稚園から中学校まで朝鮮学校という小さなコミュニティで育ったのですが、そのまま朝鮮高校、朝鮮大学からの焼肉屋かパチンコ屋になるというキャリアプランしかないような環境でした。
ぼく:まじかww
テソン:三男坊でひねくれてたんで、ちょっとそこから離れたいなということで、高校にあがるタイミングで日本の学校を受験して、早稲田高校に入りました。
テソン:そこから日本の社会に初めて触れて、最初いじめられると思ったんで、めちゃくちゃ気合い入れていったんですけど、みんなすごいいい人で、「日本人めっちゃいいやつじゃん!」っていうところから日本がすごく好きになって。これは殻に閉じこもってないでもっと広い世界を見なきゃあかんなっていうことで、日本に触れて、まだちっちゃいんだなと思って韓国に行ってみたり、アメリカに留学してみたりとかして。
ぼく:一気にグローバルになってる。
テソン:そういう環境だったんで、何かしら国際的な仕事をしたいなということで、就活しました。いくつか内定をもらった中で、当時楽天の国際部の部長だった方が、ウチでバイトしろって言ってくれたんで、そのまま楽天に入社しました。
ぼく:さいそうほどではないけど、若干裏口ちっくなw
テソン:最初は営業をやってたんですけれども、2年くらいして国際部に引っこ抜いてもらって、「フランスの M&A と、アメリカの M&A と、インドネシアのジョイベン (joint venture) があるけどどれがいい?」って言われて。
ぼく:そんな選択肢あったんや。
テソン:その時まだ 24 歳で、その歳でアメリカ、フランスみたいな「できあがってる国」に行くのもちょっとなぁと思ったので、インドネシアに行かせてくださいって言って、インドネシアに渡ったのが 10 年前です。そこから「楽天インドネシア」の立ち上げを 3 年間くらいやってたんですけど、楽天インドネシアって 4 億円くらいしか資本金なかったんですよ。
ぼく:「しか」というのは?
テソン:その間に Lazada っていう、今アリババに買収された EC サイトが 1,000 億円くらい金をつぎ込みまして。4 億円 VS 1,000 億円みたいな。システムも向こうのほうがイケてるし、何なら出店料、マージンとか全部無料みたいなところに対して、楽天のすごい古風な、出店料月数万円を 1 年間前払いでください、みたいな営業を頑張っている中で...ちょっと本質的な仕事がしたいなというふうに思いました。
ぼく:なるほど。
テソン:インドネシアの EC なら多分自分が 1 番分かってたんで、インドネシアで EC やろうということで、5 年前に立ち上げたのが「VIP Plaza」という会社で、一言で言うとインドネシア版 ZOZOTOWN です。ファッション EC では今インドネシア最大級になっていて、社員で 160 人、登録ブランド数で 1,000社 ほどです。
ぼく:年数でも社員数でもこの中ではだいぶ先行ってるね。
テソン:なんだけど、5 年やって分かったことは、とにかくインドネシアは儲からないw 5 年間やってるんですけど、すごい伸びてるんですけど、本当に儲からないんです。
テソン:というところで、ちょっと儲かることしなきゃねっていうことで、始めたのが日本事業。半年前に日本支社を作りまして、コンセプトは「全ての日本商品を日本以外の地球上で 1 番売る会社になる」っていうことで、日本 to 全世界の越境ECをスタートして今だいたい半年になります。
ぼく:ありがとうございます。最後に僕なんですけど、僕だけずっと今までサラリーマンです。楽天入って、Google 行って、今は AppLovin っていう、この会場を提供している会社なんですけど、アドテクの会社で、ずっとサラリーマンです。以上です。なので今日はこっちの 3 人が主役っていうことで、僕は MC に徹しようと思っています。
ぼく:こんな感じの 3 人なんですけど、まず、起業に至るまでの経緯ってみんな興味あるのかなって思っていて。そもそも起業するっていつ頃決めてたんですか?楽天に入るときなのか、その次のキャリア行くタイミングだったのか、いつ決めていたの?っていうところと、新卒で楽天っていう大企業に入るっていうステップを、キャリアの選択っていう観点でどういうふうに決めてたの?みたいなところを聞いていきたいなと思うんですけど、
(ぼく、さいそうと目が合う)
ぼく:…俺に聞かないで、っていう顔をしているけど君に聞くからw
さいそう:僕思ったんですけど、マイク使うと、声ちっちゃくしゃべったほうがいいかなと思って、ウッてなっちゃうんです。
ぼく:じゃあ使わないでもいいよ。
さいそう:使いますけど。
ぼく:で、どのタイミングで起業したいと思ったの?
さいそう:そうですね、起業を意識...?し始めたは大学入った頃。ホリエモンとかがメディアに出てきた 2004-05 年のライブドアみたいなのに影響されて。僕、高校留年して大学浪人してから大学入ったんですね。2 個上じゃないですか。
ぼく:いたいた、そういう人。
さいそう:入学式でみんなといるとき、21 歳くらいだったんで、人生に超焦ってたんですけど、ちょうどその時けんすうさんと出会うんです。ネットサービスを自分でも作り始めてたんで、ネットの世界を身近に感じていました。
ぼく:さいそうってエンジニアのバックグラウンドなんだっけ?
さいそう:全然エンジニアじゃないですけど、個人でサービスを楽しんで作る程度で。ちょうどそれやってた時にネット業界というものが脚光を浴び始めて、ホリエモンとかが出てきて、本とかも読んですげぇと思って、こういう世界も選択肢としてあるんだな、っていう認知はその瞬間にして。起業しようというのはその時は全然ないんですけど。
ぼく:そもそもホリエモンから 1 番遠い人種みたいな感じがするけど...
さいそう:ホリエモンの本が大好きだったんですよ。ホリエモンの本に書いてある通りにやろう、みたいな。『100 億稼ぐ仕事術』っていうのがあって、あれもうすごいバイブルで、当時メール送る相手もいないのにパソコンにメーラーを入れたりとかですね。あとはけんすうさんは大学、社会人とずっと仲良くしてたんですけど、その頃から社長だったりしてたので、こういう人いるんだって。
ぼく:そういうインプットがあったうえで、最初に入社したのは楽天?
さいそう:そうですね、一応就職活動しました、ちょっとだけ。やる気があった頃に。その時はでも、よく分かんなかったんですよ、自分が。ネットが個人で好きなだけで、ほんとは仕事にできないんじゃないかって気がして。遊びでやってたので。
ぼく:どういう会社を受けてた?
さいそう:けんすうさんがいたリクルートは受けたんですけど、あとは秋採用しか受けてなくて、空いてたのはキヤノンと三井住友何とか。受かる気もないし、向こうも受からせる気もないしw
ぼく:そういうとこで働けるイメージは一切ないねw
さいそう:当時けんすうさんがリクルートで 1 年目の時に、電通とのジョイントベンチャーをやっていて、そこでずっとバイトしてたんですよ。そこに一緒にいたとあるおじさんが、ちょうどリクルートから楽天に転職するよっていう時に、何か僕を見て、何をやっているんだって。彼はどうするんだ、いや彼は内定も何もなくて多分このままバイトしてるんだと思いますよ、って。それで一緒に連れて行ってあげよう、ということで。
ぼく:そういう裏口入学w
さいそう:そうなんです。”ネット人材” みたいな人が楽天にいなかったので。
全員:ネット人材が楽天にいない???
さいそう:楽天って言うても基本的には営業主体だったんですよ。インターネットコミュニティとかインターネットサービスとか、全体の仕組みとか設計とか分かる人材がほとんどいなかったみたいなんです。
ぼく:確かにね、モノを作る職人さんみたいなエンジニアと、営業はいるけど、全体を設計したりだとか、UX 考えたりとか。そこまで考える、当時で言う Web ディレクター がいない。プロダクトマネージャーみたいな。
さいそう:そうです、みたいなのが職種として存在しなかったんですよ、楽天は。なので僕だなと。ライブドアの組織図とかすごい好きでした。いわゆるディレクター、エンジニア、デザイナーみたいなのがあって、今で言うビズデブ (business development = ビジネス開発) みたいなのがちゃんとできてて、そういう立ち回りができるポジションになりたいなと思って働いていて。
ぼく:学生でライブドアの「組織図が好き」ってすごいなw
さいそう:楽天でそういうのができるのが、楽天市場ではなくて、Infoseek っていう楽天で唯一のメディア系の部署の、誰も手を触れていない前略プロフィールで。誰も事業としての担当がいなかったんですよ。
ぼく:もともと買収したサービスだよね。
さいそう:買収して、放っといたら、めちゃくちゃ盛り上がってた、っていう説もあります。月に 14 億 PV くらいあってすごかったです。それの収益化を目指す、っていう感じですね。
ぼく:なるほどねえ。じゃあもともと楽天に入った段階から、いつかは起業しようかな〜とは思いつつ、具体的に、起業して何やるために楽天に入る!とかっていう感じでもなく。
さいそう:そうですね、結局、起業する勇気もなかったので。ただ勇気はないけど、間近で見たいなという。
ぼく:ロケットスタート、nanapi に、起業に向けて学びに行くっていうかんじか。
さいそう:そうですね。
ぼく:3 人目だから実質、立ち上げメンバーみたいなもんだよね。
さいそう:入社当時 5 人しかいなかったし、nanapi が生まれる前からオフィスの草むしりを手伝いにいったりしていました。
ぼく:素朴な疑問なんですけど、nanapi 買収されたじゃないですか、3 人目からいたじゃないですか。おいしい思い (解説: 株によるキャピタルゲイン) は出来たんですか?
三輪ちゃん:いくらもらったか僕が言いましょうか。
ぼく:知ってるの?じゃあ編集でカットするから、こっそり。
さいそう:絶対知らないし、酔ってるでしょ!
三輪ちゃん:彼はね、株もらってたんで。(ニヤニヤ)
さいそう:いや株はもらっていませんがストック・オプションを持っていました。まぁ初期に入社したので、タイミングが良かったなと思います。それを全部突っ込んで起業して今に至ります。
三輪ちゃん:だから資本金が 10 億円あるんです。
テソン:言っちゃった。
ぼく:10 億はないよね?
さいそう:全然ないですw ちょっと僕で尺取り過ぎました。
ぼく:いえいえ全然。じゃあ Rentio 三輪ちゃん。ちょっと出来あがってきてる感じだけど (プレモル 2 本目が空いた)、三輪ちゃんは楽天いるときとか、起業するぞ〜みたいな感じでは全くなかったよね。
三輪ちゃん:そうです、全然なくて、でもいつか起業したいって言ってました。でも実際、いつか起業したいって言ってる人ってめっちゃいるじゃないですか。でも実際にする人って少なくて。今日来てくれてる方の中でも、既に起業してる人は 1 人しかいないと。でもとりあえずいつか起業したかったので、なんとなくベンチャーかなと思って楽天に入社して、また違う (家電 EC の) ベンチャーに移って。
ぼく:なんとなくベンチャーかな、って感覚わかるわ。
三輪ちゃん:で、そこれは結構いろいろやらせてもらってたんですけど、社長がちょっとおかしくなってきて、この会社ヤバいなと思って、ここらへんで自分でやるしかないかなと、このまま行ってもこの船沈むなと思って…
さいそう:沈んだんでしょ?w
三輪ちゃん:沈んだww
ぼく:予想は正しかったと。
三輪ちゃん:正しかった。ちょっと遅かったんだけど。沈みかけてから行ってるんで。でもなんか起業に踏み切れない感じがめっちゃ分かったんですよ。楽天にいるとお給料そこそこ良くて、例えば大学の友達とか高校の友達からすると、「楽天?すごいな」みたいになってくるのを切るの、なかなかしんどいなみたいな。みなさんも、起業するための踏ん切りみたいのしんどいなって体験を将来すると思うんですけど。
ぼく:あるね。
三輪ちゃん:僕はそのきっかけが「社長がヤバくなった」っていうだけだったんで、自ら飛び込むぞっていうよりも、しょうがなく飛び込んだみたいな感じで。そういう意味では運良かった。
ぼく:もしかしすると、その会社が万が一うまくいっていたら...
三輪ちゃん:まだそこにいたかもしれない。楽しくやってたし、子供もいたし。起業しなかったかもしれない。でも「起業したい」とはずっと言ってたから、いざ起業するってなったときには嫁も「じゃあいいんじゃない」って言ってくれたのかもしれないですね。
ぼく:そうだよね、奥さんと子供いた状態で起業してるんだもんね。でもその EC のベンチャーに行ったタイミングで、どこかでは、将来するための学びになればみたいなのがあったのかな?
三輪ちゃん:楽天が大きい企業になっちゃったので、裁量も少ないしつまんないな〜と思って、もうちょっといろいろできるところに行こうと思って、小さいところに行ったっていう感じです。
ぼく:なるほどね。テソンはそういう意味だと他の 2 人とは違って、楽天っていう大企業から起業するまでにワンステップ挟まずそのまま起業してるんだよね。だからどのタイミングで起業するぞって思ってたのか、何で楽天っていう大企業に 1 回入ったのかっていうところを存分に語ってもらえると。
テソン:起業しようと思っていたのは、昔からずっとそういう環境だったからってのが大きいです。僕のおじいちゃんおばあちゃんが韓国からこっちに移住してきて、100 年経つんですけど、そこからキム家ファミリー 100 人くらい増えてるんですよ。
ぼく:すげえw何世代目?
テソン:自分は 3 世代。4世代まで入れるともう 100 人くらいるんですが、その中でサラリーマン 1 人もいないんです。みんな焼肉屋さんとかパチンコ屋さん。マジでこれ本当なんですよ。そういう環境しか知らなかったんで、小学生くらいの時から、何か自分で将来やらなきゃいけないんだろうな、ホームレスになったら嫌だな、みたいな恐怖感がめちゃくちゃありました。
ぼく:すごい環境w テソンの親も自分で事業やってたんだ?
テソン:うちの親父は昔喫茶店やってて、めっちゃ貧乏だったんですよ。そこから粉モノが儲かるらしいと聞きつけた親父が粉モノ屋を始めたら超儲かって、すごい裕福な生活になって。そういうのを見てたんで、何かしら将来自分でやらなきゃいけないんだろうなって、ずっと思ってました。
テソン:ただ、さっき話した高校・大学の経験を経て、国際的な仕事がやりたいと。で、将来的には起業したいということで、色々学べそうな楽天に入社しました。
ぼく:なるほど。楽天入る前から、いつかは起業ってのが頭にあったわけだ。
テソン:楽天入って 2 年たって国際部に異動して、インドネシア事業立上げを 3 年くらいやったんですが、本質的な仕事ができなかったんですよね。楽天グループ全体としては、インドネシア撤退は最適化された決断だったと思うんですよ。このマーケットには当時 1,000 億円つぎ込みませんと。競合の Lazada が立上げて 7 年後の今も赤字を掘りまくっているので。
ぼく:Lazada も赤字なんや。どこも赤字ってことやん。
テソン:だから当時インドネシア単体に対して、楽天グループがキャッシュで 1,000 億円つぎ込みますかっていうと、グループ全体では撤退が最適解なんですよ。でもやっぱり、兵士として現地に乗り込んでいる身としては勝ちたいじゃないですか。
ぼく:勝ちたいよね。
テソン:ただ、勝てない。という中で、やっぱり立ち上げていた 3 年間、ムズムズしてたんですよね。本当の意味でマーケットに対して何かインパクトを与えるような、本質的な仕事は全くしていないなって。
ぼく:へー。テソンは海外事業の立ち上げとかめっちゃ楽しそうなことやってるなって羨ましく思ってたけど、そんなこと思ってたんやね。
テソン:だからそれが爆発して自分で起業しようと決意して、インドネシアでラーメン屋さんを立ち上げました。
ぼく:え、ポール・グレアムの「ラーメン代稼ぎ」とかじゃなくて?
テソン:リアルなラーメン屋です。ラーメン屋が 1 店舗立ち上がった時点で楽天を辞めました。
ぼく:その 2 つは並行してたの?
テソン:そう、楽天やりながらラーメン屋さんを立ち上げて。でも辞めたあと半年くらいで、ちょっと違うなと思い始めて。自分でキッチンに立てるわけじゃないし、メニュー考案できるわけじゃないから、日本のブランドを持ってこなければいけない。するとブローカー (間に入って何もしない的な意味で) みたいになってしまって、28 歳でやることじゃないと悩みはじめて、自分が本質的に一番得意なことは何だろうと振り返った時に、EC しかなかったので、EC に戻りました。
ぼく:そんなかんじだったのね。
ぼく:みんなじゃあ楽天に入る前から起業ってもの自体は意識していたってことなんだけど、楽天に入ったこと自体は良かったと思ってるの?楽天で身につけたことで今に役立ってることとかある?
三輪ちゃん:僕の場合、楽天のときに EC コンサルタントとして店舗さんのサポートをさせてもらってたし、次の会社も EC をやっていたので、EC の店舗運営が如何に大変かをしっかり理解していたから今の成長が出来てる、と思うかな。例えば広告を打ってアクセスを 10 倍にすれば、CVR が下がらなければだけど、理論的には売上は 10 倍になるじゃん?
ぼく:なるでしょ?
三輪ちゃん:でもその裏側には 10 倍の出荷や、問い合せ、クレームがあると言うことを理解してから計画しないと、絶対に無理が生じてクオリティが下がって、結果的に事業もダメになるんだよね。
ぼく:あーなるほどね。ロジまわりとかオペレーションも組み上げながらじゃないと、事業を大きくしていけないんだ。
三輪ちゃん:そう。そこを最初から理解していたのは良かったかな。
さいそう:僕も楽天時代からずっと web ディレクターをやってきたので、起業してからの仕事内容には活かしまくれています。
ぼく:今は web ディレクターだけやってるってわけじゃないでしょ?
さいそう:web ディレクターって基本なんでも屋なので、社長業とほぼ同じかなと思います。なので起業するなら web ディレクターがおすすめです。
ぼく:そういうもんなのかw テソンは?
テソン:サラリーマン時代に楽天インドネシアの立上げで経験したこと全てが、いまの事業に活きています。海外かつ新興国での採用、開発、営業、マーケ、KPI の回し方などで色んな失敗を 3 巡くらい経験した後の起業だったので、スタート時点で「何をやったら失敗するか」をある程度理解できていたのは非常に良かったと思います。
ぼく:3 巡は多いな...。やってること自体は、楽天にいた頃と起業後でけっこう似ているってことね。
テソン:そうだね、大企業でもスタートアップでも、事業責任者という立場であればやるべきことに大差はないと思っていて。大局的な勝ち筋を定めて、必要な人と金を集めて、毎日 KPI を追い続けて、スケールさせて、収入を支出より大きくする。
ぼく:なるほどなるほど。起業に向けた良い修行になってたってことね。
テソン:ただ両方経験したいま思うことは、起業家としてやっている今のほうが日々圧倒的に本質的な仕事をしている、ということです。前職時代はなんだかんだ本質的じゃない仕事も多かったからね。それはそれで楽しくやるんだけどw
三輪ちゃん:あとは人脈ですかね・・・。こうして一流大卒のイケてる方たちとお知り合いになれてこういうイベントをやらせてもらったり・・・w
ぼく:あー。今はどうか分かんないけど、10 年前とかベンチャーに高学歴な人ってあんまりいなかったよね正直。
三輪ちゃん:学歴だけじゃないけど、実際、一緒に働けた人が本当に良かったと思う。みんな優秀だった。
三輪ちゃん:僕が楽天で配属された部署は本当に優秀な人ばかりで、当時 30 歳くらいだったマネージャが今は楽天の常務執行役員 CMO とかめちゃめちゃ偉くなってるし、リーダーでメンターだった人がこの前 27 億円調達したプレイド代表の倉橋さん、1 個上で仲良くさせてもらってた先輩が Fril 創ってそのあと AnyPay で代表になった井上さん。
ぼく:すげえwスター軍団ww
三輪ちゃん:こういう人たちと働けたのは本当に良かった。
さいそう:それでいうと、大企業で働いたことで一番よかったことは、エンジニアスキルを持つ共同創業者と出会えたこと。あとは、いまの奥さんと出会えたことです。
ぼく:確かにw でもそういえば、この 3 人ってみんな、新卒同期が共同創業者になってるやん。優秀な人とたくさん出会える、一緒に働いた経験を持てる、っていうのは大企業ならではかもね。会社にもよると思うけど。
さいそう:あとは、基本的なビジネスマナーがしっかり身についたのでよかったです。資料の作り方や礼儀などもちゃんと覚えました。
三輪ちゃん:僕も楽天のときにエクセルの使い方とか関数とかを出来る先輩たちに教えてもらってたのね。それは超ありがたかった。でももう少し上のレベルの、例えば財務諸表の読み方とかはしっかりとは教えてもらえなかったんだよね。当時いろいろ本を読んだんだけどちんぷんかんぷんだった。
ぼく:ぼくは仕事がらそのへんガッツリ叩き込まれたけど (※M&A の部署に最初配属されました)、そうでもないとなかなか教えてもらう機会ってないよねぇ。
三輪ちゃん:小さい会社だと、全てが基本的に自己責任になるから実践的に学べるので、そういう意味では良いと思う。起業してから自分でいろいろこなすようになって、そこから本を読んだら結構理解できるようになって、今では「IRR が~」とか偉そうに言えるようになった。
ぼく:最近では決算書読んでみた note とか書いちゃうぐらいやもんねw
三輪ちゃん:これはうちのメンバーにも言えることで、今まで部下なんて持ったことがなかったメンバーも、仕方ないと言うかやるしかないのでマネジメントしてくれてるw本とか読みながらwでもそれが本当に良いところだと思う。
さいそう:その他に、大企業のほうがよかったことは給料ですね。お金のためだけだったら大企業がいいと思います。
ぼく:えらい生々しいの出たな。他の 2 人はどう?
三輪ちゃん:新卒 1 年目の待遇はやっぱり大企業は良いよね。給料も良いし、例えば合コンに行ってもそこそこモテるし。
ぼく:そうなん?僕全然呼んでもらえなかったから分からない。。。
三輪ちゃん:僕も彼女いたので行きませんでした!...でもその程度で、そんなの数年ですぐ状況変わるんだから、お金のためって理由だけで大企業選ぶぐらいなら、好きなとこ行ったほうがよいと思うかな。
ぼく:大企業で得られたものって話を聞いたけど、逆にスタートアップだからこそ味わえた経験や体験みたいなものってある?
三輪ちゃん:自分たちがゼロから生み出したサービスで喜んでくれる、楽しんでくれる人がいると言うのは本当に嬉しい。大企業だとたぶんその経験を味わえる人はごく一部なんじゃないかな〜。
さいそう:大企業だとなかなか難しいって意味では、オフィスがどんどん移転して大きくなったり、自分でゼロから会社の仕組み・体制を作っていったものが、みんなにも使われることかなと思います。大企業にいると、会社の体制づくりとかはあまりできないので。
ぼく:確かに、それやらせてもらえるまでに何年かかるねん、って話やもんなぁ。
さいそう:何より、みんなで一緒に未来をつくっていくんだ!というキラキラした気持ちで仕事できるのは本当に楽しいです。飲み会で愚痴とかでないのも最高です。
ぼく:学生に、愚痴ばっかりのサラリーマン飲み会がリアルに想像できるのかなw とはいえそう甘いモンでもないと思うんやけど、スタートアップまじやべぇ、やめたい、とか思ったことはある?
三輪ちゃん:今は本当にないかな!むしろまだいろいろやりたすぎて・・・と言う感じw でも 1 年目の苦労とかはもうやりたくないかもw 他の 2 人のほうがヤバい話ならあるんじゃないかな。
さいそう:nanapi 時代にスタートアップでサラリーマンとして働いていた時代は、やめたいと思ったことは一度もないです。ただ、実力がなさすぎるので悔しくて泣いたりしたことはあります。
ぼく:さいそうが泣いてるところとか想像つかないんやけど...ダウト。
さいそう:ホントだって。自分で起業してからも、やめたいと思ったことはないけど、鬱ぽくなることは何度もある(笑)。眠れないとか独り言多くなるとかはザラです。
ぼく:あぁそっちのほうがリアルだわ...。テソンは講演とかで話してるの聞いたことあるけど、けっこうヤベぇ話あるよね?
テソン:そうだね、辞めたいとは思ったことないけど、ヤベェとは毎日思ってますw
ぼく:言える範囲で、どんなヤベぇことが起きるの?
テソン:一番ヤバかったのは、起業して 3 年目に共同創業者、インドネシア華僑なんだけど、が辞めたいと言い出したんだよね。で、例のごとく創業者間株主契約を結んでなくて。
ぼく:うわ、時々聞くやつだ。買い戻したいんだけど金額で揉めるんだよね。
テソン:そう。彼の保有株を買い戻すのに当時の時価でウン億円を要求されたんだよね。
ぼく:それ経営陣が出さなきゃいけないんよね?無理やんなそれは。。
テソン:もちろん無理無理。だからこれを適正価格で買い戻すための血なまぐさい交渉に 4 カ月間を費やしました。(編集にて割愛)
ぼく:それはスタートアップ、というか創業者ならではのHARD THINGSやな。経験してみたいとは全く思わないけど。笑
テソン:その間も日々の業務では、キーマンが競合に引っこ抜かれたり、倉庫の人間が黒魔術に掛かって商品がなくなったり、無情にもいろんな問題が起きるわけで。
ぼく:え、黒魔術?
テソン:日々ヤバイことだらけで超楽しいです。
ぼく:ヤバイことも楽しいと思えるぐらいの人が起業しているのか、起業してからの過程で頭がやられちゃったのか、ちょっと僕には判断つかないですね...
ぼく:これ実は前から聞いてみたかったんだけど、起業するのとかスタートアップで働くのとかって、怖いとかリスクだっていう風に感じたことはない?自分自身のキャリアについてもそうだけど、社員とか家族とかに対してって観点も含めて。
テソン:本気で起業家やっていれば戦闘能力が飛躍的に高まるので、次のキャリアは腐るほど転がっていると思うよね。
ぼく:でたサイヤ人理論。
さいそう:僕もキャリアの視点で失敗することは間違いなくゼロだと思っています。真面目にちゃんとやっていれば、ある程度の起業経験は必ず評価されると信じているので。
ぼく:なるほどね。どっちも共通してるのは、「ちゃんと」やることやってればっていう前提のものととはいえ、普通に企業で働くよりは実力つくよと。
三輪ちゃん:僕は起業した当初でいうと、ゲームで言うとまだ 2 機くらい残ってるかなって思ってたんだよね(笑)。仮に 2 年目くらいで失敗してもどこか雇ってくれるだろうとw 背水の陣的なのもカッコいいけど、現実的に子どもがいたので死ぬわけにはいかなかったので、そういう感じで考えていたかな。
ぼく:面白い。そうよね、三輪ちゃん子どもいる状態で起業してるんやもんな...。でもその「2 機ぐらい残ってる」って感覚は大事よね。なんというか、キャリア市場の中である程度自分を客観的に評価できているというか。
さいそう:社員に対しては、たとえ会社が失敗しても、最高の転職ができるような体験を提供しようと思いながらヒリヒリ経営しているので心配していません。
三輪ちゃん:とはいえ僕は、ある程度の規模になってからは、社員に対しては...と言うのは常に考えているかな。仮に会社がダメになったら全力で社員の就職先は探すと思う。
ぼく:っていうスタートアップの良いも悪いも踏まえた上でだけど、人生やり直せるとしたら、大学出た後、もしくは大学行かないって選択肢あってもいいけど、大企業に就職する? ベンチャーいく? いきなり起業する?
三輪ちゃん:僕は楽天に入ったことを後悔したことはないから、今が 2008 年だったらまた楽天行くかな・・・。今の楽天は大きすぎるけど。メルカリとか DeNA なんかもちょっと大きすぎる気がするから、ちょっと大きめな hey とかプレイドとか SmartHR とか行ってみたい。入れてくれるか知らないけど。笑
さいそう:人生やり直せるとしたら、という仮定の話はあまり好きじゃないのでよくわかりませんw いまの時代に大学生だったら起業します。
テソン:僕ももし自分が学生時代に戻るのであれば、迷わず就職せずに起業します。ウチで 20 歳くらいの学生が何人かインターンしてますが、みんな本当に優秀でして、インターンなんかやってないで起業すればいいのに、と思いつつ口には出さずに心の中に秘めてますねw
ぼく:これ記事になったら翌日からみんな辞表持ってくるかもねw
テソン:それは困るw
ぼく:じゃあ、割といい時間になってきたから、最後にそれぞれから今日来てくれた皆さんに一言ずつメッセージを。
さいそう:crispy はまだ 4 名しかいない規模の会社なので、スタートアップを育て上げる経験をしたい人はめちゃくちゃ楽しいと思います!今なら社員番号一桁で入社できます!気軽に DM ください!
https://www.wantedly.com/companies/crispy-inc
ぼく:気持ちいいぐらいストレートなリクルーティングや。
三輪ちゃん:Rentio は、ガツガツ働きたい!と言う人も良いけど、しっかり本質を考えながら働きたいと言う人の方が向いていると思っています。もしご興味あれば是非!
https://www.wantedly.com/projects/276442
ぼく:三輪ちゃんもリクルーティングか。
テソン:世界戦の船に乗りたい人は、いますぐご連絡を!
https://twitter.com/tesongkim
https://www.facebook.com/tesong.kim
https://www.linkedin.com/in/tesong-kim-b7742836
ぼく:そうくるよねw 3 人の会社のどれかで働くことになるのか、別のスタートアップかそれとも大企業に行くのか、はたまた自分で起業しちゃうのか、色々選択肢はあってメリットデメリットあるけど、3 社の生々しいエピソードが少しでも皆さんが将来を考える参考になればいいなと思います。ではあらためて、crispy さいそう、Rentio 三輪ちゃん、VIP Plaza テソン、ありがとうございました!
Rentio 三輪ちゃん https://twitter.com/miwawa0717
VIP Plaza テソン https://twitter.com/tesongkim
Q
じゃあ実際に大企業・ベンチャー・起業を全て経験している、僕の楽天新卒同期の起業家を 3 人集めて、トークイベントを開催してみました!
ぼく:では時間になったので始めさせていただこうと思います。みなさんこんばんは。
全員:こんばんは。
ぼく:今日はイベントにお越しいただき、ありがとうございます。タイトルが「将来起業したい若手注目!新卒 3 年目までの修行の仕方を教えます」なんですけど、みなさんのプロファイルを聞かせてください。
どんな人が参加したのか
ぼく:学生の方ってどのくらいいます?
(半分ぐらい手を挙げる)
ぼく:けっこういますね。何年生ですか?
学生A:4 年生です。
学生B:僕も 4 年生です。
学生C:3 年生です。
ぼく:よかった、みんな一応 20 歳を超えている。
※会場ではアルコールが提供されています
※金氏以外の登壇者はすでに飲んでいます
Rentio 三輪社長 (以下「三輪ちゃん」):4 年生っていうことはもうそろそろ卒業?就職間近?
学生B:そうですね、僕は宮崎の大学なんですけど、休学しているので、再来年卒業です。
三輪ちゃん:休学して何やってるんですか?
学生B:ご存知ないかもしれないですが、ヒトメディアっていう会社の投資先のスタートアップでインターンしています。
ぼく:おぉ、もりたま (ヒトメディア社代表 森田 正康) さん。オーバーヘッドキックができる社長さんですね。
三輪ちゃん:サッカー上手いんだw
ぼく:じゃあ他の人は社会人ってことですよね。社会人1年目の人。(数名挙手) 2年目。(数名挙手) 3年目。(数名挙手) 4年目以降…いない。
全員:すごいww
ぼく:なんて狙い通りのオーディエンスが集まったんだ...。ちなみにもうすでに実は起業してますよっていう人?(1 名挙手) はい、彼はちゃんと事前に「起業済の人はダメだって募集ページに書いてあるのに今日気付きましたゴメンなさい、行っても大丈夫ですか?」って連絡いただきました。
purum inc. 代表 津山 宙己 (https://twitter.com/go_tsuyamaboy) 照れ笑い
ぼく:彼以外で、将来起業したいと具体的に考えている人?(8 割がた挙手) すごい。ありがとうございます。
何故この会を開いたか
ぼく:あとで個別に自己紹介はするんですけど、僕を除くこの 3 人は起業している社長です。プロフィール見て初めて気づいたんですけど、すごい偶然、僕を含めてこの 4 人とも同じ楽天っていう会社の出身でして。
(会場小笑い)
ぼく:これまたびっくりしたんですけど、同じ 2008 年に新卒で入社してるんですよね。ビックリしたよね。168 人もいると誰が誰だか分かんないですよね。
ぼく:…嘘です、さすがに全員知り合いですw
(会場小笑い)
ぼく:僕らは全員、楽天っていう大きい会社に入って、いろいろな経験を経て、ぼく以外みんな起業していったわけなんですね。起業したタイミングや現在の会社のステージはバラバラなんですけど、1 度大企業を経てから起業してます。
最近「#起業しろ」とか言われてますけど、果たして
- 大学出てすぐ起業する、学生起業、とかって果たして正しいのか?
- 1 度修行してから起業するって道もあるんじゃないか?
- 大企業にいったん行くほうがいいのか?
- スタートアップに入ったほうが修行になるんじゃないか?
(登壇者うなずく)
ぼく:将来起業を考えている皆さんのために、この人たちが起業して会社を運営していく中で、大企業で働いたことで役に立ったこと・役に立たなかったこととか、スタートアップで修行したことで役に立っていることだったり、そういう生の話を今日は色々聞いていきます。ちょっとでもみなさんの将来の参考になればなと、今回のイベントを企画しました。
(ささやかな拍手)
ぼく:まずはお前ら誰やねんということで、自己紹介しましょうか。まずは Rentio の三輪ちゃんから。
登壇者自己紹介
Rentio 三輪ちゃん
三輪ちゃん:Rentio の三輪と申します。簡単なプロフィールなんですけど、明治大学出て、新卒で楽天に行って、そのあと家電の EC ベンチャーに行きました。
三輪ちゃん:その会社社長に、そろそろ起業したいんで辞めますって言ったら、そろそろ倒産するかもと言われ、結果的に潰れまして、会社の破産処理しながら起業スタートという。しかも子供いた状態だったんでなかなか楽しいスタートになりました。
ぼく:Rentio が破産しても処理方法知ってるから安心やね。
三輪ちゃん:創業したのが約 3 年半前の 2015 年 4 月、最初は株式会社カンパニーっていう名前でした。最初は、現在の主力事業であるレンタルもしつつ、普通に家電の小売りとか卸しとかもやっていました。家電の卸しとか「ザ・おじさんたち」の仕事なんですけど、そういうことをしながら日銭を稼いで、まだレンタルでは月商 30 万円程度だったときにANRI っていう VC から声掛けて頂いて、結果的に資金調達をさせてもらって。
ぼく:佐俣アンリ先輩の ANRI ですね。
三輪ちゃん:会社名も変更して、売り上げも伸びてきて、2016 年 10 月、創業してから 1 年半後に、ANRI とメルカリと East Ventures と有安さんから投資してもらって、オフィス移転して、 けっこう順調な感じで売り上げが上がって、、、と、気持ちよくやらせていただいている感じです。大変なこともいっぱいあったんですけど、楽しいこともたくさんあるので、そういうのお伝えできたら嬉しいなと思ってます。よろしくお願いします。
ぼく:よろしくお願いします。続いて隣の齊藤壮、通称さいそうさん。
crispy さいそう
crispy 齊藤社長 (以下「さいそう」):こんにちは、株式会社 crispy 代表取締役の齊藤壮と申します。サイトウっていう苗字の人が世の中に結構いっぱいいるので、さいそうって呼ばれております。是非さいそうと呼んでください。
さいそう:この中では 1 番年上、いろいろあって、35 歳です。同期なんですけど。1983 年 4 月 3 日生まれで、エディ・マーフィと同じ誕生日です。早稲田大学を卒業して、学生時代からけっこうコミュ障だったので、インターネットのほうにずっと逃げ続けていて、コミュニティサイトの運営などしていました。
VIP Plaza キム社長 (以下「テソン」):コミュ障なのにコミュニティサイト運営してたの?(真顔)
さいそう:そうなんです///
ぼく:さっきから全然会場のほうを見ないもんね。大丈夫だよ、自分のペースで。
さいそう:大学生向けのコミュニティサイトとかを自分で運営とかしたりですね、あとサークル本当は入りたいけど、入れるコミュ能力がなかったので、サークルの情報サイトとかを作ったりしてました。ずーっと就職活動しないで4年生になった時に、裏口で楽天株式会社に入りました。
ぼく:あったんだ裏口。
さいそう:で、入社して、裏口で入ったので、普通の配属じゃなくて、当時担当者がいない「前略プロフィール」っていうサービスがあって、そこの主担当になれって言われてそのまま入ったっていう感じですね。
ぼく:前略懐かしい。
さいそう:中期計画とかコミュニティをグロースさせなさいみたいなことを言われて、けっこうやったなっていう感じがして、もう大企業はいいかなと思ってですね。2011 年 1 月から、株式会社ロケットスタートっていう会社に入りました。
さいそう:けんすう (ロケットスタート社 (当時) 創業者の古川健介氏) さんが「nanapi」というサービスやっていたんですが、彼は大学時代の先輩で。そこに3番目の社員で入社して、そのまま KDDI に買収されるまで事業責任者をやってました。
ぼく:当時は AdSense の打ち合わせとかしてたよねw
さいそう:買収されたタイミングで、色々とタイミングがいいなと思い辞めようと思って、2015 年 3 月に退職して、4 月に今の会社を創業して、シンガポールに行ったりとか戻ってきたりとかして、いろいろやりながら今どうにか生きているというところですね。そんなかんじです。
ぼく:肝心の crispy のこと一切話してへんw 唯一この中で、さいそうだけは僕も何をやっているのかイマイチよく分かってないから、簡単に。
さいそう:そうですね...すごいコミュ障なんで、あんまりサービスをオープンにできないタイプなんですよ。コツコツコソコソやってるんですけど、面接とか受けに来てくれた人にはすごい話す、みたいな。
三輪ちゃん:1 対 1 だといけるんだよね?
さいそう:1 対 1 だといけるんですけど。
テソン:せっかくみんなイベント来てくれてるから。
さいそう:そうですね...一応何か、結局今日登壇しているみんなと同じ EC 領域のことをやっています。他の 2 人はリアルなものを扱ってるんですけど、僕コミュ障なんでリアルなものは扱いにくかったので。
ぼく:どういうこと?w
さいそう:EC とはいえ人とコミュニケーションするのがちょっと...なのでモノのデータを扱ってます。
ぼく:なるほど...みんな分かったのかなw 興味持った人は後から話してみると、1 対 1 だと多分ちゃんと話してくれるんじゃないかなと思います。じゃあ最後、VIP Plaza のテソン。
VIP Plaza テソン
テソン:こんばんは。初めまして、キム テソンと言います。韓国人なんですけど、生まれも育ちも日本ですのでほとんど日本人です。幼稚園から中学校まで朝鮮学校という小さなコミュニティで育ったのですが、そのまま朝鮮高校、朝鮮大学からの焼肉屋かパチンコ屋になるというキャリアプランしかないような環境でした。
ぼく:まじかww
テソン:三男坊でひねくれてたんで、ちょっとそこから離れたいなということで、高校にあがるタイミングで日本の学校を受験して、早稲田高校に入りました。
テソン:そこから日本の社会に初めて触れて、最初いじめられると思ったんで、めちゃくちゃ気合い入れていったんですけど、みんなすごいいい人で、「日本人めっちゃいいやつじゃん!」っていうところから日本がすごく好きになって。これは殻に閉じこもってないでもっと広い世界を見なきゃあかんなっていうことで、日本に触れて、まだちっちゃいんだなと思って韓国に行ってみたり、アメリカに留学してみたりとかして。
ぼく:一気にグローバルになってる。
テソン:そういう環境だったんで、何かしら国際的な仕事をしたいなということで、就活しました。いくつか内定をもらった中で、当時楽天の国際部の部長だった方が、ウチでバイトしろって言ってくれたんで、そのまま楽天に入社しました。
ぼく:さいそうほどではないけど、若干裏口ちっくなw
テソン:最初は営業をやってたんですけれども、2年くらいして国際部に引っこ抜いてもらって、「フランスの M&A と、アメリカの M&A と、インドネシアのジョイベン (joint venture) があるけどどれがいい?」って言われて。
ぼく:そんな選択肢あったんや。
テソン:その時まだ 24 歳で、その歳でアメリカ、フランスみたいな「できあがってる国」に行くのもちょっとなぁと思ったので、インドネシアに行かせてくださいって言って、インドネシアに渡ったのが 10 年前です。そこから「楽天インドネシア」の立ち上げを 3 年間くらいやってたんですけど、楽天インドネシアって 4 億円くらいしか資本金なかったんですよ。
ぼく:「しか」というのは?
テソン:その間に Lazada っていう、今アリババに買収された EC サイトが 1,000 億円くらい金をつぎ込みまして。4 億円 VS 1,000 億円みたいな。システムも向こうのほうがイケてるし、何なら出店料、マージンとか全部無料みたいなところに対して、楽天のすごい古風な、出店料月数万円を 1 年間前払いでください、みたいな営業を頑張っている中で...ちょっと本質的な仕事がしたいなというふうに思いました。
ぼく:なるほど。
テソン:インドネシアの EC なら多分自分が 1 番分かってたんで、インドネシアで EC やろうということで、5 年前に立ち上げたのが「VIP Plaza」という会社で、一言で言うとインドネシア版 ZOZOTOWN です。ファッション EC では今インドネシア最大級になっていて、社員で 160 人、登録ブランド数で 1,000社 ほどです。
ぼく:年数でも社員数でもこの中ではだいぶ先行ってるね。
テソン:なんだけど、5 年やって分かったことは、とにかくインドネシアは儲からないw 5 年間やってるんですけど、すごい伸びてるんですけど、本当に儲からないんです。
テソン:というところで、ちょっと儲かることしなきゃねっていうことで、始めたのが日本事業。半年前に日本支社を作りまして、コンセプトは「全ての日本商品を日本以外の地球上で 1 番売る会社になる」っていうことで、日本 to 全世界の越境ECをスタートして今だいたい半年になります。
ぼく:ありがとうございます。最後に僕なんですけど、僕だけずっと今までサラリーマンです。楽天入って、Google 行って、今は AppLovin っていう、この会場を提供している会社なんですけど、アドテクの会社で、ずっとサラリーマンです。以上です。なので今日はこっちの 3 人が主役っていうことで、僕は MC に徹しようと思っています。
いつから「起業する」と決めていたのか
ぼく:こんな感じの 3 人なんですけど、まず、起業に至るまでの経緯ってみんな興味あるのかなって思っていて。そもそも起業するっていつ頃決めてたんですか?楽天に入るときなのか、その次のキャリア行くタイミングだったのか、いつ決めていたの?っていうところと、新卒で楽天っていう大企業に入るっていうステップを、キャリアの選択っていう観点でどういうふうに決めてたの?みたいなところを聞いていきたいなと思うんですけど、
(ぼく、さいそうと目が合う)
ぼく:…俺に聞かないで、っていう顔をしているけど君に聞くからw
さいそう:僕思ったんですけど、マイク使うと、声ちっちゃくしゃべったほうがいいかなと思って、ウッてなっちゃうんです。
ぼく:じゃあ使わないでもいいよ。
さいそう:使いますけど。
crispy さいそうが起業を意識し始めたタイミング
ぼく:で、どのタイミングで起業したいと思ったの?
さいそう:そうですね、起業を意識...?し始めたは大学入った頃。ホリエモンとかがメディアに出てきた 2004-05 年のライブドアみたいなのに影響されて。僕、高校留年して大学浪人してから大学入ったんですね。2 個上じゃないですか。
ぼく:いたいた、そういう人。
さいそう:入学式でみんなといるとき、21 歳くらいだったんで、人生に超焦ってたんですけど、ちょうどその時けんすうさんと出会うんです。ネットサービスを自分でも作り始めてたんで、ネットの世界を身近に感じていました。
ぼく:さいそうってエンジニアのバックグラウンドなんだっけ?
さいそう:全然エンジニアじゃないですけど、個人でサービスを楽しんで作る程度で。ちょうどそれやってた時にネット業界というものが脚光を浴び始めて、ホリエモンとかが出てきて、本とかも読んですげぇと思って、こういう世界も選択肢としてあるんだな、っていう認知はその瞬間にして。起業しようというのはその時は全然ないんですけど。
ぼく:そもそもホリエモンから 1 番遠い人種みたいな感じがするけど...
さいそう:ホリエモンの本が大好きだったんですよ。ホリエモンの本に書いてある通りにやろう、みたいな。『100 億稼ぐ仕事術』っていうのがあって、あれもうすごいバイブルで、当時メール送る相手もいないのにパソコンにメーラーを入れたりとかですね。あとはけんすうさんは大学、社会人とずっと仲良くしてたんですけど、その頃から社長だったりしてたので、こういう人いるんだって。
ぼく:そういうインプットがあったうえで、最初に入社したのは楽天?
さいそう:そうですね、一応就職活動しました、ちょっとだけ。やる気があった頃に。その時はでも、よく分かんなかったんですよ、自分が。ネットが個人で好きなだけで、ほんとは仕事にできないんじゃないかって気がして。遊びでやってたので。
ぼく:どういう会社を受けてた?
さいそう:けんすうさんがいたリクルートは受けたんですけど、あとは秋採用しか受けてなくて、空いてたのはキヤノンと三井住友何とか。受かる気もないし、向こうも受からせる気もないしw
ぼく:そういうとこで働けるイメージは一切ないねw
さいそう:当時けんすうさんがリクルートで 1 年目の時に、電通とのジョイントベンチャーをやっていて、そこでずっとバイトしてたんですよ。そこに一緒にいたとあるおじさんが、ちょうどリクルートから楽天に転職するよっていう時に、何か僕を見て、何をやっているんだって。彼はどうするんだ、いや彼は内定も何もなくて多分このままバイトしてるんだと思いますよ、って。それで一緒に連れて行ってあげよう、ということで。
ぼく:そういう裏口入学w
さいそう:そうなんです。”ネット人材” みたいな人が楽天にいなかったので。
全員:ネット人材が楽天にいない???
さいそう:楽天って言うても基本的には営業主体だったんですよ。インターネットコミュニティとかインターネットサービスとか、全体の仕組みとか設計とか分かる人材がほとんどいなかったみたいなんです。
ぼく:確かにね、モノを作る職人さんみたいなエンジニアと、営業はいるけど、全体を設計したりだとか、UX 考えたりとか。そこまで考える、当時で言う Web ディレクター がいない。プロダクトマネージャーみたいな。
さいそう:そうです、みたいなのが職種として存在しなかったんですよ、楽天は。なので僕だなと。ライブドアの組織図とかすごい好きでした。いわゆるディレクター、エンジニア、デザイナーみたいなのがあって、今で言うビズデブ (business development = ビジネス開発) みたいなのがちゃんとできてて、そういう立ち回りができるポジションになりたいなと思って働いていて。
ぼく:学生でライブドアの「組織図が好き」ってすごいなw
さいそう:楽天でそういうのができるのが、楽天市場ではなくて、Infoseek っていう楽天で唯一のメディア系の部署の、誰も手を触れていない前略プロフィールで。誰も事業としての担当がいなかったんですよ。
ぼく:もともと買収したサービスだよね。
さいそう:買収して、放っといたら、めちゃくちゃ盛り上がってた、っていう説もあります。月に 14 億 PV くらいあってすごかったです。それの収益化を目指す、っていう感じですね。
ぼく:なるほどねえ。じゃあもともと楽天に入った段階から、いつかは起業しようかな〜とは思いつつ、具体的に、起業して何やるために楽天に入る!とかっていう感じでもなく。
さいそう:そうですね、結局、起業する勇気もなかったので。ただ勇気はないけど、間近で見たいなという。
ぼく:ロケットスタート、nanapi に、起業に向けて学びに行くっていうかんじか。
さいそう:そうですね。
ぼく:3 人目だから実質、立ち上げメンバーみたいなもんだよね。
さいそう:入社当時 5 人しかいなかったし、nanapi が生まれる前からオフィスの草むしりを手伝いにいったりしていました。
ぼく:素朴な疑問なんですけど、nanapi 買収されたじゃないですか、3 人目からいたじゃないですか。おいしい思い (解説: 株によるキャピタルゲイン) は出来たんですか?
三輪ちゃん:いくらもらったか僕が言いましょうか。
ぼく:知ってるの?じゃあ編集でカットするから、こっそり。
さいそう:絶対知らないし、酔ってるでしょ!
三輪ちゃん:彼はね、株もらってたんで。(ニヤニヤ)
さいそう:いや株はもらっていませんがストック・オプションを持っていました。まぁ初期に入社したので、タイミングが良かったなと思います。それを全部突っ込んで起業して今に至ります。
三輪ちゃん:だから資本金が 10 億円あるんです。
テソン:言っちゃった。
ぼく:10 億はないよね?
さいそう:全然ないですw ちょっと僕で尺取り過ぎました。
ぼく:いえいえ全然。じゃあ Rentio 三輪ちゃん。ちょっと出来あがってきてる感じだけど (プレモル 2 本目が空いた)、三輪ちゃんは楽天いるときとか、起業するぞ〜みたいな感じでは全くなかったよね。
Rentio 三輪ちゃんが起業を意識し始めたタイミング
三輪ちゃん:そうです、全然なくて、でもいつか起業したいって言ってました。でも実際、いつか起業したいって言ってる人ってめっちゃいるじゃないですか。でも実際にする人って少なくて。今日来てくれてる方の中でも、既に起業してる人は 1 人しかいないと。でもとりあえずいつか起業したかったので、なんとなくベンチャーかなと思って楽天に入社して、また違う (家電 EC の) ベンチャーに移って。
ぼく:なんとなくベンチャーかな、って感覚わかるわ。
三輪ちゃん:で、そこれは結構いろいろやらせてもらってたんですけど、社長がちょっとおかしくなってきて、この会社ヤバいなと思って、ここらへんで自分でやるしかないかなと、このまま行ってもこの船沈むなと思って…
さいそう:沈んだんでしょ?w
三輪ちゃん:沈んだww
ぼく:予想は正しかったと。
三輪ちゃん:正しかった。ちょっと遅かったんだけど。沈みかけてから行ってるんで。でもなんか起業に踏み切れない感じがめっちゃ分かったんですよ。楽天にいるとお給料そこそこ良くて、例えば大学の友達とか高校の友達からすると、「楽天?すごいな」みたいになってくるのを切るの、なかなかしんどいなみたいな。みなさんも、起業するための踏ん切りみたいのしんどいなって体験を将来すると思うんですけど。
ぼく:あるね。
三輪ちゃん:僕はそのきっかけが「社長がヤバくなった」っていうだけだったんで、自ら飛び込むぞっていうよりも、しょうがなく飛び込んだみたいな感じで。そういう意味では運良かった。
ぼく:もしかしすると、その会社が万が一うまくいっていたら...
三輪ちゃん:まだそこにいたかもしれない。楽しくやってたし、子供もいたし。起業しなかったかもしれない。でも「起業したい」とはずっと言ってたから、いざ起業するってなったときには嫁も「じゃあいいんじゃない」って言ってくれたのかもしれないですね。
ぼく:そうだよね、奥さんと子供いた状態で起業してるんだもんね。でもその EC のベンチャーに行ったタイミングで、どこかでは、将来するための学びになればみたいなのがあったのかな?
三輪ちゃん:楽天が大きい企業になっちゃったので、裁量も少ないしつまんないな〜と思って、もうちょっといろいろできるところに行こうと思って、小さいところに行ったっていう感じです。
ぼく:なるほどね。テソンはそういう意味だと他の 2 人とは違って、楽天っていう大企業から起業するまでにワンステップ挟まずそのまま起業してるんだよね。だからどのタイミングで起業するぞって思ってたのか、何で楽天っていう大企業に 1 回入ったのかっていうところを存分に語ってもらえると。
VIP Plaza テソンが起業を意識し始めたタイミング
テソン:起業しようと思っていたのは、昔からずっとそういう環境だったからってのが大きいです。僕のおじいちゃんおばあちゃんが韓国からこっちに移住してきて、100 年経つんですけど、そこからキム家ファミリー 100 人くらい増えてるんですよ。
ぼく:すげえw何世代目?
テソン:自分は 3 世代。4世代まで入れるともう 100 人くらいるんですが、その中でサラリーマン 1 人もいないんです。みんな焼肉屋さんとかパチンコ屋さん。マジでこれ本当なんですよ。そういう環境しか知らなかったんで、小学生くらいの時から、何か自分で将来やらなきゃいけないんだろうな、ホームレスになったら嫌だな、みたいな恐怖感がめちゃくちゃありました。
ぼく:すごい環境w テソンの親も自分で事業やってたんだ?
テソン:うちの親父は昔喫茶店やってて、めっちゃ貧乏だったんですよ。そこから粉モノが儲かるらしいと聞きつけた親父が粉モノ屋を始めたら超儲かって、すごい裕福な生活になって。そういうのを見てたんで、何かしら将来自分でやらなきゃいけないんだろうなって、ずっと思ってました。
テソン:ただ、さっき話した高校・大学の経験を経て、国際的な仕事がやりたいと。で、将来的には起業したいということで、色々学べそうな楽天に入社しました。
ぼく:なるほど。楽天入る前から、いつかは起業ってのが頭にあったわけだ。
テソン:楽天入って 2 年たって国際部に異動して、インドネシア事業立上げを 3 年くらいやったんですが、本質的な仕事ができなかったんですよね。楽天グループ全体としては、インドネシア撤退は最適化された決断だったと思うんですよ。このマーケットには当時 1,000 億円つぎ込みませんと。競合の Lazada が立上げて 7 年後の今も赤字を掘りまくっているので。
ぼく:Lazada も赤字なんや。どこも赤字ってことやん。
テソン:だから当時インドネシア単体に対して、楽天グループがキャッシュで 1,000 億円つぎ込みますかっていうと、グループ全体では撤退が最適解なんですよ。でもやっぱり、兵士として現地に乗り込んでいる身としては勝ちたいじゃないですか。
ぼく:勝ちたいよね。
テソン:ただ、勝てない。という中で、やっぱり立ち上げていた 3 年間、ムズムズしてたんですよね。本当の意味でマーケットに対して何かインパクトを与えるような、本質的な仕事は全くしていないなって。
ぼく:へー。テソンは海外事業の立ち上げとかめっちゃ楽しそうなことやってるなって羨ましく思ってたけど、そんなこと思ってたんやね。
テソン:だからそれが爆発して自分で起業しようと決意して、インドネシアでラーメン屋さんを立ち上げました。
ぼく:え、ポール・グレアムの「ラーメン代稼ぎ」とかじゃなくて?
テソン:リアルなラーメン屋です。ラーメン屋が 1 店舗立ち上がった時点で楽天を辞めました。
ぼく:その 2 つは並行してたの?
テソン:そう、楽天やりながらラーメン屋さんを立ち上げて。でも辞めたあと半年くらいで、ちょっと違うなと思い始めて。自分でキッチンに立てるわけじゃないし、メニュー考案できるわけじゃないから、日本のブランドを持ってこなければいけない。するとブローカー (間に入って何もしない的な意味で) みたいになってしまって、28 歳でやることじゃないと悩みはじめて、自分が本質的に一番得意なことは何だろうと振り返った時に、EC しかなかったので、EC に戻りました。
ぼく:そんなかんじだったのね。
「大企業」「スタートアップ」「起業後」で学べるものの違い
ぼく:みんなじゃあ楽天に入る前から起業ってもの自体は意識していたってことなんだけど、楽天に入ったこと自体は良かったと思ってるの?楽天で身につけたことで今に役立ってることとかある?
大企業で得られたもの
三輪ちゃん:僕の場合、楽天のときに EC コンサルタントとして店舗さんのサポートをさせてもらってたし、次の会社も EC をやっていたので、EC の店舗運営が如何に大変かをしっかり理解していたから今の成長が出来てる、と思うかな。例えば広告を打ってアクセスを 10 倍にすれば、CVR が下がらなければだけど、理論的には売上は 10 倍になるじゃん?
ぼく:なるでしょ?
三輪ちゃん:でもその裏側には 10 倍の出荷や、問い合せ、クレームがあると言うことを理解してから計画しないと、絶対に無理が生じてクオリティが下がって、結果的に事業もダメになるんだよね。
ぼく:あーなるほどね。ロジまわりとかオペレーションも組み上げながらじゃないと、事業を大きくしていけないんだ。
三輪ちゃん:そう。そこを最初から理解していたのは良かったかな。
さいそう:僕も楽天時代からずっと web ディレクターをやってきたので、起業してからの仕事内容には活かしまくれています。
ぼく:今は web ディレクターだけやってるってわけじゃないでしょ?
さいそう:web ディレクターって基本なんでも屋なので、社長業とほぼ同じかなと思います。なので起業するなら web ディレクターがおすすめです。
ぼく:そういうもんなのかw テソンは?
テソン:サラリーマン時代に楽天インドネシアの立上げで経験したこと全てが、いまの事業に活きています。海外かつ新興国での採用、開発、営業、マーケ、KPI の回し方などで色んな失敗を 3 巡くらい経験した後の起業だったので、スタート時点で「何をやったら失敗するか」をある程度理解できていたのは非常に良かったと思います。
ぼく:3 巡は多いな...。やってること自体は、楽天にいた頃と起業後でけっこう似ているってことね。
テソン:そうだね、大企業でもスタートアップでも、事業責任者という立場であればやるべきことに大差はないと思っていて。大局的な勝ち筋を定めて、必要な人と金を集めて、毎日 KPI を追い続けて、スケールさせて、収入を支出より大きくする。
ぼく:なるほどなるほど。起業に向けた良い修行になってたってことね。
テソン:ただ両方経験したいま思うことは、起業家としてやっている今のほうが日々圧倒的に本質的な仕事をしている、ということです。前職時代はなんだかんだ本質的じゃない仕事も多かったからね。それはそれで楽しくやるんだけどw
三輪ちゃん:あとは人脈ですかね・・・。こうして一流大卒のイケてる方たちとお知り合いになれてこういうイベントをやらせてもらったり・・・w
ぼく:あー。今はどうか分かんないけど、10 年前とかベンチャーに高学歴な人ってあんまりいなかったよね正直。
三輪ちゃん:学歴だけじゃないけど、実際、一緒に働けた人が本当に良かったと思う。みんな優秀だった。
三輪ちゃん:僕が楽天で配属された部署は本当に優秀な人ばかりで、当時 30 歳くらいだったマネージャが今は楽天の常務執行役員 CMO とかめちゃめちゃ偉くなってるし、リーダーでメンターだった人がこの前 27 億円調達したプレイド代表の倉橋さん、1 個上で仲良くさせてもらってた先輩が Fril 創ってそのあと AnyPay で代表になった井上さん。
ぼく:すげえwスター軍団ww
三輪ちゃん:こういう人たちと働けたのは本当に良かった。
さいそう:それでいうと、大企業で働いたことで一番よかったことは、エンジニアスキルを持つ共同創業者と出会えたこと。あとは、いまの奥さんと出会えたことです。
ぼく:確かにw でもそういえば、この 3 人ってみんな、新卒同期が共同創業者になってるやん。優秀な人とたくさん出会える、一緒に働いた経験を持てる、っていうのは大企業ならではかもね。会社にもよると思うけど。
さいそう:あとは、基本的なビジネスマナーがしっかり身についたのでよかったです。資料の作り方や礼儀などもちゃんと覚えました。
三輪ちゃん:僕も楽天のときにエクセルの使い方とか関数とかを出来る先輩たちに教えてもらってたのね。それは超ありがたかった。でももう少し上のレベルの、例えば財務諸表の読み方とかはしっかりとは教えてもらえなかったんだよね。当時いろいろ本を読んだんだけどちんぷんかんぷんだった。
ぼく:ぼくは仕事がらそのへんガッツリ叩き込まれたけど (※M&A の部署に最初配属されました)、そうでもないとなかなか教えてもらう機会ってないよねぇ。
三輪ちゃん:小さい会社だと、全てが基本的に自己責任になるから実践的に学べるので、そういう意味では良いと思う。起業してから自分でいろいろこなすようになって、そこから本を読んだら結構理解できるようになって、今では「IRR が~」とか偉そうに言えるようになった。
ぼく:最近では決算書読んでみた note とか書いちゃうぐらいやもんねw
三輪ちゃん:これはうちのメンバーにも言えることで、今まで部下なんて持ったことがなかったメンバーも、仕方ないと言うかやるしかないのでマネジメントしてくれてるw本とか読みながらwでもそれが本当に良いところだと思う。
さいそう:その他に、大企業のほうがよかったことは給料ですね。お金のためだけだったら大企業がいいと思います。
ぼく:えらい生々しいの出たな。他の 2 人はどう?
三輪ちゃん:新卒 1 年目の待遇はやっぱり大企業は良いよね。給料も良いし、例えば合コンに行ってもそこそこモテるし。
ぼく:そうなん?僕全然呼んでもらえなかったから分からない。。。
三輪ちゃん:僕も彼女いたので行きませんでした!...でもその程度で、そんなの数年ですぐ状況変わるんだから、お金のためって理由だけで大企業選ぶぐらいなら、好きなとこ行ったほうがよいと思うかな。
スタートアップだからこそ得られたもの
ぼく:大企業で得られたものって話を聞いたけど、逆にスタートアップだからこそ味わえた経験や体験みたいなものってある?
三輪ちゃん:自分たちがゼロから生み出したサービスで喜んでくれる、楽しんでくれる人がいると言うのは本当に嬉しい。大企業だとたぶんその経験を味わえる人はごく一部なんじゃないかな〜。
さいそう:大企業だとなかなか難しいって意味では、オフィスがどんどん移転して大きくなったり、自分でゼロから会社の仕組み・体制を作っていったものが、みんなにも使われることかなと思います。大企業にいると、会社の体制づくりとかはあまりできないので。
ぼく:確かに、それやらせてもらえるまでに何年かかるねん、って話やもんなぁ。
さいそう:何より、みんなで一緒に未来をつくっていくんだ!というキラキラした気持ちで仕事できるのは本当に楽しいです。飲み会で愚痴とかでないのも最高です。
ぼく:学生に、愚痴ばっかりのサラリーマン飲み会がリアルに想像できるのかなw とはいえそう甘いモンでもないと思うんやけど、スタートアップまじやべぇ、やめたい、とか思ったことはある?
スタートアップまじヤベぇと思った話
三輪ちゃん:今は本当にないかな!むしろまだいろいろやりたすぎて・・・と言う感じw でも 1 年目の苦労とかはもうやりたくないかもw 他の 2 人のほうがヤバい話ならあるんじゃないかな。
さいそう:nanapi 時代にスタートアップでサラリーマンとして働いていた時代は、やめたいと思ったことは一度もないです。ただ、実力がなさすぎるので悔しくて泣いたりしたことはあります。
ぼく:さいそうが泣いてるところとか想像つかないんやけど...ダウト。
さいそう:ホントだって。自分で起業してからも、やめたいと思ったことはないけど、鬱ぽくなることは何度もある(笑)。眠れないとか独り言多くなるとかはザラです。
ぼく:あぁそっちのほうがリアルだわ...。テソンは講演とかで話してるの聞いたことあるけど、けっこうヤベぇ話あるよね?
テソン:そうだね、辞めたいとは思ったことないけど、ヤベェとは毎日思ってますw
ぼく:言える範囲で、どんなヤベぇことが起きるの?
テソン:一番ヤバかったのは、起業して 3 年目に共同創業者、インドネシア華僑なんだけど、が辞めたいと言い出したんだよね。で、例のごとく創業者間株主契約を結んでなくて。
ぼく:うわ、時々聞くやつだ。買い戻したいんだけど金額で揉めるんだよね。
テソン:そう。彼の保有株を買い戻すのに当時の時価でウン億円を要求されたんだよね。
ぼく:それ経営陣が出さなきゃいけないんよね?無理やんなそれは。。
テソン:もちろん無理無理。だからこれを適正価格で買い戻すための血なまぐさい交渉に 4 カ月間を費やしました。(編集にて割愛)
ぼく:それはスタートアップ、というか創業者ならではのHARD THINGSやな。経験してみたいとは全く思わないけど。笑
テソン:その間も日々の業務では、キーマンが競合に引っこ抜かれたり、倉庫の人間が黒魔術に掛かって商品がなくなったり、無情にもいろんな問題が起きるわけで。
ぼく:え、黒魔術?
黒魔術に掛けられて気付いたらパソコンなくなってました、って社員に言われたらどうしますか?東南アジア起業なめんなよ。— Tesong Kim / キムテソン (@tesongkim) October 13, 2018
テソン:日々ヤバイことだらけで超楽しいです。
ぼく:ヤバイことも楽しいと思えるぐらいの人が起業しているのか、起業してからの過程で頭がやられちゃったのか、ちょっと僕には判断つかないですね...
スタートアップはリスクではないのか
ぼく:これ実は前から聞いてみたかったんだけど、起業するのとかスタートアップで働くのとかって、怖いとかリスクだっていう風に感じたことはない?自分自身のキャリアについてもそうだけど、社員とか家族とかに対してって観点も含めて。
テソン:本気で起業家やっていれば戦闘能力が飛躍的に高まるので、次のキャリアは腐るほど転がっていると思うよね。
ぼく:でたサイヤ人理論。
さいそう:僕もキャリアの視点で失敗することは間違いなくゼロだと思っています。真面目にちゃんとやっていれば、ある程度の起業経験は必ず評価されると信じているので。
ぼく:なるほどね。どっちも共通してるのは、「ちゃんと」やることやってればっていう前提のものととはいえ、普通に企業で働くよりは実力つくよと。
三輪ちゃん:僕は起業した当初でいうと、ゲームで言うとまだ 2 機くらい残ってるかなって思ってたんだよね(笑)。仮に 2 年目くらいで失敗してもどこか雇ってくれるだろうとw 背水の陣的なのもカッコいいけど、現実的に子どもがいたので死ぬわけにはいかなかったので、そういう感じで考えていたかな。
ぼく:面白い。そうよね、三輪ちゃん子どもいる状態で起業してるんやもんな...。でもその「2 機ぐらい残ってる」って感覚は大事よね。なんというか、キャリア市場の中である程度自分を客観的に評価できているというか。
さいそう:社員に対しては、たとえ会社が失敗しても、最高の転職ができるような体験を提供しようと思いながらヒリヒリ経営しているので心配していません。
三輪ちゃん:とはいえ僕は、ある程度の規模になってからは、社員に対しては...と言うのは常に考えているかな。仮に会社がダメになったら全力で社員の就職先は探すと思う。
ぼく:っていうスタートアップの良いも悪いも踏まえた上でだけど、人生やり直せるとしたら、大学出た後、もしくは大学行かないって選択肢あってもいいけど、大企業に就職する? ベンチャーいく? いきなり起業する?
三輪ちゃん:僕は楽天に入ったことを後悔したことはないから、今が 2008 年だったらまた楽天行くかな・・・。今の楽天は大きすぎるけど。メルカリとか DeNA なんかもちょっと大きすぎる気がするから、ちょっと大きめな hey とかプレイドとか SmartHR とか行ってみたい。入れてくれるか知らないけど。笑
さいそう:人生やり直せるとしたら、という仮定の話はあまり好きじゃないのでよくわかりませんw いまの時代に大学生だったら起業します。
テソン:僕ももし自分が学生時代に戻るのであれば、迷わず就職せずに起業します。ウチで 20 歳くらいの学生が何人かインターンしてますが、みんな本当に優秀でして、インターンなんかやってないで起業すればいいのに、と思いつつ口には出さずに心の中に秘めてますねw
ぼく:これ記事になったら翌日からみんな辞表持ってくるかもねw
テソン:それは困るw
最後に
ぼく:じゃあ、割といい時間になってきたから、最後にそれぞれから今日来てくれた皆さんに一言ずつメッセージを。
さいそう:crispy はまだ 4 名しかいない規模の会社なので、スタートアップを育て上げる経験をしたい人はめちゃくちゃ楽しいと思います!今なら社員番号一桁で入社できます!気軽に DM ください!
https://www.wantedly.com/companies/crispy-inc
ぼく:気持ちいいぐらいストレートなリクルーティングや。
三輪ちゃん:Rentio は、ガツガツ働きたい!と言う人も良いけど、しっかり本質を考えながら働きたいと言う人の方が向いていると思っています。もしご興味あれば是非!
https://www.wantedly.com/projects/276442
ぼく:三輪ちゃんもリクルーティングか。
テソン:世界戦の船に乗りたい人は、いますぐご連絡を!
https://twitter.com/tesongkim
https://www.facebook.com/tesong.kim
https://www.linkedin.com/in/tesong-kim-b7742836
ぼく:そうくるよねw 3 人の会社のどれかで働くことになるのか、別のスタートアップかそれとも大企業に行くのか、はたまた自分で起業しちゃうのか、色々選択肢はあってメリットデメリットあるけど、3 社の生々しいエピソードが少しでも皆さんが将来を考える参考になればいいなと思います。ではあらためて、crispy さいそう、Rentio 三輪ちゃん、VIP Plaza テソン、ありがとうございました!
featuring...
crispy さいそう https://twitter.com/saisoRentio 三輪ちゃん https://twitter.com/miwawa0717
VIP Plaza テソン https://twitter.com/tesongkim
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