前回の記事でも書いた通り、2 月からはまた海外のサービスの日本展開を日本第一号メンバーとしてスタートします。
AppLovin とはちょっと業態が違う、マーケティング領域のプロダクトなのですが、アドネットワークみたいに「こういうクライアントや代理店に、こういう価値を訴求すれば売れるはず」というのが自分の中でイマイチ見えてなかったんですよね。
なので先週、Moonshot の菅原 健一 (すがけん) さんにお時間をいただいて、色々アドバイスを伺ってきました。
この投稿はその内容をまとめたメモです。
すがけんさんの言葉を僕なりに咀嚼したものなので、表現が正確でなかったり、分かりにくい (僕にしか分からない) 箇所もあるかと思いますが、そういうもんだと諦めてください。
元 SmartNews ブランド広告責任者 (Head of Brand Advertising)
元 Supership CMO, mediba CMO, ScaleOut CMO
最近は「#20代マーケピザ」を通じて次の世代のマーケターを育成したり、なかなか表沙汰にしづらい広告不正の問題について発信したり (連載「デジタル広告に迫る危機」) と、広告業界全体に貢献・還元する活動を積極的にされています。
企業の "10倍成長" を支援するアドバイザー業
また約半年前、AppLovin として初めてアドテック東京にブースを出展した際、すがけんさんが「出展アドバイザー」をされていたので、ブースでやるコンテンツについてガッツリ助言をしていただきました。
そんなこんなを通じてコミュニケーションする中で、特にすがけんさんが SmartNews でやられていた活動、すなわち、単なる imp, click 売りではない "新しい広告価値" を創造・定義し、セールスし、スケールさせたというのが、マジですげえ (語彙力) と思ったんですよね。
その過程ですがけんさんが何を考え、どう行動し、そこから得られた「再現性がありそうな知見」を学べれば、「価値はあるんだけど、まだ一般の人が知る・信じるところまでは至っていないプロダクトやサービス」のビジネス展開をする時に、きっと活用できるはずだ、と。
普通のサービスの場合は、相手に購入の意思決定をさせたら営業としてはミッション完了。
ただしマーケティングオートメーションを含む SaaS 系のプロダクトの場合、多くは、実はクライアントは購入後が大変になる。
プロダクトを使って「ビジネスを伸ばす/コストを下げる」努力をしないといけないから。
時には、担当者をアサインする、組織を変更する、業務プロセスを作る/変える、といったことも必要になる。
つまり、クライアントから見ると「フィーの支払い」と「成功確率」が比例していないわけで、頭の回転が早いクライアントはそのことに気づく。
なので、"成功可否を決めるドライバー" をクライアントに丸投げするのではなく、サービスの側もクライアントの事業の成功にコミットし、そのことをコミュニケーションするのが大切。
例えば、ツールだけではなく運用までサービス側で巻き取る (有償無償はさておき) というのも、有効なアクションの 1 つ。
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最初は取引規模が大きくなるところからアタックしたほうがいい。
最初は代理店ではなく直接クライアントに話しに行ったほうがいい。
どんなクライアントに最初に当たるべきか?
価値の伝え方のちょっとした工夫
そうやって成功事例が出来たらそれをマーケティングする。
キーワードは「成功者をつくる」
マーケティングのチャネルで、効果が高いのに後回しにされがちなのがリアルイベント。
企業の活動は「価値の創造」と「価値の証明」だけ。
価値とは「相手の変化量」
価格は「価値をベースに決める (原価じゃない)」
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ピザは自腹だし、記事もすごい時間をかけて自分で書いている。
自分へのリターンはあまり期待できない活動。
30 代でデジタルマーケティング業界に入って (元々のバックグラウンドは実はエンジニアで、モバイル (ガラケー) のコンテンツ業界)、約 10 年お世話になったので恩返ししている。
「悪貨が良貨を駆逐する」のは、リテラシーが低いから起きる。
そうするとエコシステムが上手く回らず、業界全体が悪い方向にスパイラル。
その流れに対して、ぐっと良い方向に押し上げて、いい循環を作りたい。
グローバルでは、例えば P&G が「YouTube への出稿をやめる」 (望まないコンテンツに対して広告が配信されてしまうという問題のため) といったことがある。
そういった「モノ言う株主」のようなアクションをとる広告主が日本には殆どいない。
代理店を使わずインハウスで運用しないといけない、みたいなことではなく、シンプルに取引先をきちんと監督して、ファクト・データをきちんと確認するだけで十分。
小手先のテクニックやバズワードに踊らされるのではなく、目的意識を持つのが大事。
例えば「データマーケティングをやりたい」が起点になってはいけない。
達成したい目的・ゴールから逆算して、そのために必要だから「データマーケティングをやります」なら良い。
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こんなかんじです!
とても勉強になりました & なんか上手くやれそうな気がしてきましたw
この記事を最後まで読んでくださった方にも、何かしら役に立っていれば至極幸いですっ...
Q
AppLovin とはちょっと業態が違う、マーケティング領域のプロダクトなのですが、アドネットワークみたいに「こういうクライアントや代理店に、こういう価値を訴求すれば売れるはず」というのが自分の中でイマイチ見えてなかったんですよね。
なので先週、Moonshot の菅原 健一 (すがけん) さんにお時間をいただいて、色々アドバイスを伺ってきました。
この投稿はその内容をまとめたメモです。
すがけんさんの言葉を僕なりに咀嚼したものなので、表現が正確でなかったり、分かりにくい (僕にしか分からない) 箇所もあるかと思いますが、そういうもんだと諦めてください。
すがけんさん、界隈で知らない人はいないと思うけど一応紹介します
菅原 健一さん (@xxkenai)
株式会社Moonshot - founder & CEO元 SmartNews ブランド広告責任者 (Head of Brand Advertising)
元 Supership CMO, mediba CMO, ScaleOut CMO
最近は「#20代マーケピザ」を通じて次の世代のマーケターを育成したり、なかなか表沙汰にしづらい広告不正の問題について発信したり (連載「デジタル広告に迫る危機」) と、広告業界全体に貢献・還元する活動を積極的にされています。
株式会社Moonshot (note)
2018年7月1日創業企業の "10倍成長" を支援するアドバイザー業
なんですがけんさんに話を伺おうと思ったのか
1 年前、ICC サミット FUKUOKA 2018 で「動画メディア時代のブランディング広告はどのように進化するのか?」というセッションでご一緒させてもらいました。また約半年前、AppLovin として初めてアドテック東京にブースを出展した際、すがけんさんが「出展アドバイザー」をされていたので、ブースでやるコンテンツについてガッツリ助言をしていただきました。
そんなこんなを通じてコミュニケーションする中で、特にすがけんさんが SmartNews でやられていた活動、すなわち、単なる imp, click 売りではない "新しい広告価値" を創造・定義し、セールスし、スケールさせたというのが、マジですげえ (語彙力) と思ったんですよね。
その過程ですがけんさんが何を考え、どう行動し、そこから得られた「再現性がありそうな知見」を学べれば、「価値はあるんだけど、まだ一般の人が知る・信じるところまでは至っていないプロダクトやサービス」のビジネス展開をする時に、きっと活用できるはずだ、と。
以下伺ったお話のメモです
「成功のためにクライアントの努力が必要なプロダクト」の売り方
普通のサービスの場合は、相手に購入の意思決定をさせたら営業としてはミッション完了。
ただしマーケティングオートメーションを含む SaaS 系のプロダクトの場合、多くは、実はクライアントは購入後が大変になる。
プロダクトを使って「ビジネスを伸ばす/コストを下げる」努力をしないといけないから。
時には、担当者をアサインする、組織を変更する、業務プロセスを作る/変える、といったことも必要になる。
つまり、クライアントから見ると「フィーの支払い」と「成功確率」が比例していないわけで、頭の回転が早いクライアントはそのことに気づく。
なので、"成功可否を決めるドライバー" をクライアントに丸投げするのではなく、サービスの側もクライアントの事業の成功にコミットし、そのことをコミュニケーションするのが大切。
例えば、ツールだけではなく運用までサービス側で巻き取る (有償無償はさておき) というのも、有効なアクションの 1 つ。
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セールス初期からスケールさせるまでの動き方
最初は取引規模が大きくなるところからアタックしたほうがいい。
- 理由1: 大きいところのほうがレバレッジがきく (同じ課題でもサイズ感が大きい (より深刻) 場合が多かったり、より早く大量のデータを溜められたり) ので、成功させやすい
- 理由2: 小さくて上手くいっていないところは、大きくて上手くいっているところのやり方・ノウハウを知りたいと思っている
最初は代理店ではなく直接クライアントに話しに行ったほうがいい。
- 理由1:そのプロダクトが解決する課題を感じているのはクライアントであって、代理店ではない (代理店はまた別の課題を抱えている)
- 理由2: 最初から代理店経由だと、思った通りにプロダクト使ってもらえないということになりがち
どんなクライアントに最初に当たるべきか?
- 売りこむ「価値」とは、「そのプロダクトが起こす (相手にとっての) 変化量」
- 例えば SmartNews の場合は「広告が見られる」から「広告がちゃんと読まれる」という変化
- RIZAP の価値は「痩せる」ではなく「自信を持てる」
(トレーニングの内容等は一切 PR していない) - 1 社でもいいのでそれに賛同してくれるクライアントを見つける
- 課題が (組織としてでも、担当者の中ででも) 顕在化しているクライアントが良い
- 言われてはじめて「あー確かに」ってなる程度の人は、あんまり採択してくれない
価値の伝え方のちょっとした工夫
- 「こうやれば今より 2 倍儲かるよ」といった、アップサイドのアピールは意外と受注に繋がらない
- 「これやらないと、このままだとマズいよ」というトークのほうが効く
- 現状維持したい、損を回避したい、といった意識のほうが強く働く
- 特に日本 (例えば中国とかは、グロースさせたいというマインドがずっと強い)
- 営業資料にも「このプロダクトを使わなかったときに訪れるであろう、望ましくない未来」を描いたほうがいい
そうやって成功事例が出来たらそれをマーケティングする。
キーワードは「成功者をつくる」
- 自社プロダクトの良さを自分でアピールすることはあまりしない
- クライアントの活動、導入・運用して成功に導いた人をフィーチャーする
- そのプロダクトが新たに市場に提案する「価値」を最初に見出した「先駆者」という名誉
- 担当者がそれで出世したり表彰されたりすると最高
マーケティングのチャネルで、効果が高いのに後回しにされがちなのがリアルイベント。
- 例えば記事が 1 つ何千 PV とかあったとしても、そこからコンバージョンに至る率はとても低い
- "ちゃんとやれば" だが、リアルイベントの CVR は高い
- そこで業界トップクラスの方にブッ刺せば、そこからの口コミも期待できる
- SmartNews で 2017 年にアドテック東京をスポンサーした際は、スポンサー費用数千万円の約 2 倍の受注を、イベント後 30 日ほどであげることができた
企業の活動は「価値の創造」と「価値の証明」だけ。
価値とは「相手の変化量」
価格は「価値をベースに決める (原価じゃない)」
=====
すがけんさんの最近の活動「#20代マーケピザ」や、広告不正に対する問題提起 (連載記事はこちら) といった活動について
ピザは自腹だし、記事もすごい時間をかけて自分で書いている。
自分へのリターンはあまり期待できない活動。
30 代でデジタルマーケティング業界に入って (元々のバックグラウンドは実はエンジニアで、モバイル (ガラケー) のコンテンツ業界)、約 10 年お世話になったので恩返ししている。
「悪貨が良貨を駆逐する」のは、リテラシーが低いから起きる。
そうするとエコシステムが上手く回らず、業界全体が悪い方向にスパイラル。
その流れに対して、ぐっと良い方向に押し上げて、いい循環を作りたい。
グローバルでは、例えば P&G が「YouTube への出稿をやめる」 (望まないコンテンツに対して広告が配信されてしまうという問題のため) といったことがある。
そういった「モノ言う株主」のようなアクションをとる広告主が日本には殆どいない。
代理店を使わずインハウスで運用しないといけない、みたいなことではなく、シンプルに取引先をきちんと監督して、ファクト・データをきちんと確認するだけで十分。
小手先のテクニックやバズワードに踊らされるのではなく、目的意識を持つのが大事。
例えば「データマーケティングをやりたい」が起点になってはいけない。
達成したい目的・ゴールから逆算して、そのために必要だから「データマーケティングをやります」なら良い。
=====
こんなかんじです!
とても勉強になりました & なんか上手くやれそうな気がしてきましたw
この記事を最後まで読んでくださった方にも、何かしら役に立っていれば至極幸いですっ...
Q
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