2018/09/22

中田英寿と就職活動

AbemaTV で『中田英寿20年目の旅 セリエA在籍5クラブを訪ねて』というドキュメンタリーが無料で公開されていたので、約 2 時間弱、食い入るように観た。


人に聞かれたらしばしば答えているのだが (多分この blog では書いてないと思う)、ぼくが新卒ファーストキャリアで楽天を選んだのは、「中田英寿が高校卒業後にベルマーレ平塚を最初のクラブにした」という選択に大きな影響を受けている。

高校時代から年代別の日本代表に選ばれていた中田英寿は、高校卒業時には J リーグの 14 チーム中 13 チームからオファーがあったそうな。
いわゆる名門チームに入るという選択肢もあった中、ベルマーレ平塚を選んだ理由は大きく以下の 2 つだったとのこと。

①チームが若い
②イタリア留学を認めてくれた

①をもっと細かく分解すると、上下関係があまり無く自由な雰囲気である (自分に合っている) というのと、(実力さえ示せば) 主力として試合に出やすいということ。

②は、当時から世界を意識していた中田英寿の考えにベルマーレは理解を示し、短期とは言えユベントス留学を確約してくれたとのこと。

いずれも、短期的に「今どのチームがベストなのか」ではなく、中長期的なキャリア (日本代表で活躍することや、海外リーグへの移籍など) を見据えて、そのために必要なものが何か (試合に出ることを通じた自らの成長、日本代表や海外のチームへのアピールの場、ストレスなく練習・試合に集中できる環境、など) を逆算して考えてのことだ。

最終的に入社した楽天のほかにぼくは、ミキハウスと Google から内定をもらっていた。

 
就活で色々な会社を見て、年齢に関係なく大きな仕事を任せてもらえるのは、「オーナー企業でビジネス規模が大きい会社」か「ネットベンチャー」だと考え、最終的にご縁があったのがその 3 社だったのだ。

子供服はその中でいうと、比較的自分が新しいバリューを生み出すのが難しそうだなと思った (インターネットサービスと比べると、新しいサービスやビジネスを創り出せる自身がなかった) ので、Google と楽天に絞った。

どうするかかなり迷っていたある日のこと。
2 世代上で新卒で楽天に入っていた、今でも尊敬する東大出身の先輩とお話する時間を、人事にセットしてもらった。

そのときに言われたことの 1 つを今でも不鮮明に覚えている。(つまりうろ覚え)

「Google とか、日本中の頭いい人から選抜されたやつらが同期になるのに、きみ (ぼくのこと) その中で目立てるぐらい頭よかったりするの?

「楽天は正直、頭より体力と気合で勝負するタイプが多く入ってくるから、東大出身でそれなりに頭よかったら、目立つチャンスは多いよ

確かに!
そっちのほうが若いうちから「試合に出れる」チャンスが多そうだ!

そう思ったぼくは、スーパースターが集まる (と思っていた) 銀河系軍団 Google の内定を丁重にお断りして、(2008 年当時、しかも東大からの新卒という文脈においては) ベルマーレ平塚の楽天に入団することにしたのである。

 
(ちなみについ最近聞いた話、Google が日本で文系の新卒採用を始めたのはぼくの代 (2008 年卒) が初めてだったのだけど、内定辞退はぼくが第 1 号だったらしい!)

えらく失礼なこと書いてる自覚はあります。
気を悪くされた方いたらごめんなさい。
あくまで世間知らずなぼくが、学生だった当時に思っていたことです。笑

まぁ実際フタを開けてみると、2008 年の楽天新卒同期 170 人弱で東大卒は片手で数えるほどしかいなかったし (その後年を追うごとに増えていった)、新卒採用始まって以来初めて、経営企画系の部署にいきなり配属されたり (アオアシでいうと、いきなり A チームの練習に参加させられるようなかんじ) と、確かに年齢・実力が至らない割には高いレベルでプレーさせてもらうことができた。

めでたし、めでたし?

ただ、この認識もかなり自己正当化バイアスがかかっている可能性はある。

結局 3 年半楽天にいたあと、Google に転職することになり、内定を辞退していなければ同期になっていたはずの人と一緒に仕事をする機会もたくさんあった。

そっちを選んでいたらスーパーすぎる人たちの中で埋もれていたか...というとそうでもない気がする。
成長する機会により恵まれていなかったのか...というとそれも判断が難しい。

将来どうなるかなんて考えても分からないし、判断が良かったか悪かったかを厳密に評価することも出来ないからねぇ、競馬の予想なんかと違って。

ただ少なくとも良かったのは、最後まで自分でじっくり考えて、自分なりの納得いく基準でもって選択したことかな。
結果がどうなっていても、その選択プロセスについては後悔することは恐らくなかったんじゃないかと思う。

というわけで、中田英寿の映像を見たことをきっかけに、時々学生さんとかからよく聞かれる「新卒でこの会社を選んだ理由」について書いてみました!

Q

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