ぼく:以前から出る出ると言われていた Apple Search Ads (アップルの検索広告) ですが、いよいよ本当にこの夏に日本でもリリースされる (※) ということで、既に US で Apple Search Ads の運用をされていて色々詳しいというリバティーンズさんにお話を伺いにきました!
堂道さん (以下「堂道」)・山口さん (以下「山口」):よろしくお願いします!
※後で出て来ますが、Search Ads Advanced は 2018/8/2 8AM、Basic は 2018/8/23 2AM から利用可能になります。(Apple 公式ページ参照)
ぼく:以前にもリバティーンズさんにはこの blog でインタビューさせていただきましたが、ASO と検索広告にむちゃんこ詳しいですよね。
参考→ 2018年注目の『アプリストア検索広告』とASOについて抑えておきたい5つのポイント
堂道:そうですね、ASO と、Google, Apple のアプリの検索広告に特化して事業を行っているので、日本では一番最新情報に触れているんじゃないかと思います。
堂道さん。元ケミストリー、ではない |
山口:自分たちでもアプリを出していて、昔から試行錯誤を繰り返しながらノウハウを溜めてきているというのも、他の ASO 事業者さんにない特徴かなと思います。
ぼく:いつも色々教えてくださってて、すごい勉強になってます。早速なんですが、Apple Search Ads についてざっくり教えてください。
Apple Search Ads (App Store 上の検索広告) とは
堂道:Apple Search Ads とは、一言でいうと「App Store 専用キーワード検索連動型広告サービス」です。
ぼく:App Store 内でユーザーがキーワード検索を行った際に、検索結果一覧の一番上に広告枠が出てくるよ、っていうやつですね。Google Play では既にありますよね。
堂道:はい、その通りです。iOS11 の App Store から導入され、アメリカでは 2017 年 2 月 5 日からサービス開始していました。日本では 2018 年 8 月に開始されます。
ぼく:1 年半も間が空いてるんですね。US にアカウントがないと使えなかったんですか?
山口:アメリカ以外の企業でもアメリカに公開しているアプリであれば出稿可能でした。例えば日本の事業者のアプリでも、アメリカの App Store に公開されているアプリであれば Search Adsは実施できたんですよ。
ぼく:へー!じゃあ日本でも実は使ってた人はけっこういたんですかね。
堂道:どうですかね。英語にローカライズしていないとそもそもダウンロードされませんし、アメリカでプロモーションを行えるような日本のアプリ自体それほど多くないですからね。
山口:ただその中でも我々は自社・他社アプリ含めて Apple Search Ads をかなり運用してきて、ノウハウもけっこう掴んでいます。
山口さん、心なしか前回より痩せた気がして嫉妬 |
ぼく:相変わらず早いですねw ストアの検索上位に出したいというアプリパブリッシャのニーズを考えると、Search Ads 自体はかなり使われているであろうことが想像に難くないです。
山口:おっしゃる通りで、Apple の Search Ads の北米での売上は 2018 年 6 月末現在で約 1,000 億円あります。
ぼく:ぬおーまじっすか!プラットフォーマー強ぇ...
Apple Search Ads でできること
堂道:もう少し詳細に、Apple Search Ads で出来ることを説明しますね。
1. キーワード入札
iPhone・iPad ユーザー (選択可能) が検索したキーワードに合わせ、広告を出稿可能です。
例えば、「RPG」というキーワードを入札している場合、「RPG」と検索されたときに広告が表示されます。
Google と同じように「完全一致」と「部分一致」の概念が存在します。
2. 検索上位表示
広告はかならず検索結果の最上位に配置されるため、実質的に検索順位の最上位への掲載を実現可能です。
検索結果につき広告は 1 枠しか表示されません。
3. 掲載データの取得
Apple Search Ads では、特定のキーワードで広告が表示されたときの表示回数・インストール率等のパフォーマンスが詳細に閲覧できます。
ここから、効果のいいキーワードの特定などが可能です。
Apple Search Ads 実施のメリット
1. 市場規模の大きさ
Apple Search Ads の北米での総売上は、2018 年 6 月時点で約 1,000 億円となっており、日本でも相当に大きなボリュームになることが予想されています。
巨大な市場内で、狙いたいユーザー層を選定可能です。
2. コントロールがしやすい
Apple Search Ads は入札キーワードの入札金額や、出稿したいユーザーの性別・地域など、詳細な設定が可能です。
これにより、パフォーマンスの可視化や調整・最適化が容易な広告媒体であると言えます。
3. 他方面へのデータ活用
Apple Search Ads ではキーワードの詳細な掲載データが閲覧できます。
これにより効果のよいキーワードを特定し、クリエイティブ作成や SEO (ASO) 施策へ活用できます。
また Search Ads は広告グループ毎に最敵なスクリーンショットの “出し分け” が可能で、効果的なスクリーンショットの提案にも繋げられます。
Search Ads と ASO の相互活用
ぼく:ありがとうございます。検索広告といえば最初にぶつかる壁が、キーワードの選び方だと思います。おすすめのキーワードの選定方法ってありますか?Google のようなツールがあったりするんですか?
堂道:Google のキーワードプランナーの様に具体的な月間ボリューム件数は把握できないですが、Apple Search Ads の管理画面で登録してみたいキーワードの候補を入力すると「人気度」みたいな形でおおよその検索ボリュームが表示されます。
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ぼく:なるほど。でもそれもキーワードの候補があっての話ですよね。
山口:そうですね。なので我々が運用させていただく場合には、過去の ASO や Google の検索広告の運用データから、それぞれのアプリに対し最も効果が高いであろうキーワードを推定し一度運用します。その後、結果の実数値と照らし合わせて再度キーワードを調整します。
ぼく:ほ〜、それは過去からやってきてる知見が活きそうですね。レポートではどのような情報が得られるのかも気になります。
堂道:Search Ads の管理画面ではキーワードごとのトラフィック、CVR、CPI、CTR、TTR (tap through rate) などが見れます。
ぼく:なるほど、とりあえず獲得のところまでは十分なデータが管理画面だけでもとれそうですね。出稿時の課金形態は、CPI/CPC/CPM でいうとどれになります?
堂道:Apple Search Ads の課金形態は CPC です。我々がクライアントに提案する KPI は CPI または ROAS が一般的ですね。
山口:あと、実は Apple Search Ads には 2 種類の出稿形態が存在するんですね。
ぼく:2 種類?
「2種類あるんだよねー♪」「ねー♪」 |
Apple Search Ads の 2 種類の出稿形態
堂道:はい。1 つ目 Apple Search Ads Basic は、大きく広告予算を使う余裕はないけれど固定の CPI でユーザーを獲得したいデベロッパーが実施可能なメニューです。月の予算上限はアプリごとに 50 万円で、現在はアメリカのみ実施可能です。
山口:今のところの予定だと 2018 年中には全世界で実施可能になるとは言われています。
ぼく:AppLovin でいう self serve みたいなもんですね。
堂道:もう 1 つは Apple Search Ads Advanced というやつで、こちらが CPC メインで大きくユーザーを獲得したいユーザー向けです。こちらは予算上限はありません。
ぼく:なるほど。CPI は保証されないかわりに、そのリスクの分だけ強くアクセルを踏めると。
堂道:はい、Advanced のほうは当然ながらきちんと運用しないと CPI が高騰してしまうリスクがあり、実際に他の代理店さんが CPI を合わせられずに撤退しているのを見てきています。
山口:特にアメリカで 2017 年に開始された時は色んな代理店やデベロッパーがこぞって参入した結果、全体的に CPI が高騰しました。でも 3 ヶ月後には効果が合わないといって皆さんやめていきましたw
堂道「パンうめえ」 |
ぼく:その速さはアメリカっぽいw
堂道:その中でも我々は顧客の要望を満たすことによってクライアントを拡大し、知見を得てきています。そのノウハウを最初からフル活用しながら、日本で最初に実施することで、良質なユーザーの囲い込むことが可能だと考えています。
リバティーンズの Search Ads 運用サービスの特徴
ぼく:これ聞いちゃうとノウハウ流出しちゃうかもしれないんですが...差し支えない範囲で、もうちょっと具体的に運用ノウハウについて教えてほしいです。例えば、ノウハウがないとどうなるんですか?
堂道:例えば、漠然としたキーワード入札により、キーワードランキング上昇がほんの僅か、最悪の場合一切上昇しない、なんてことにもなりかねません。
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堂道:まず施策の目的についてですが、他社は集客チャネルの一部としてのみ Search Ads を提供致しますが、ウチではオーガニック及び広告価値最大化による集客力の最大化を提供します。オーガニック・広告双方の集客効果を最大化し、アプリの集客を最大限高める施策をご提案可能です。
ぼく:すごい最大感ありますね!前回の記事でもおっしゃってましたが、広告単体でのパフォーマンスを高めて終わりではなく、広告で得た情報を ASO にフィードバックしてオーガニック流入を増やして、その逆もやって、っていうことですよね。
堂道:おっしゃる通り、リバティーンズの運用ではオーガニック・広告双方の効果を最大化します。それぞれどのような施策を行うかを紹介しますね。
①オーガニックに関して
オーガニックの最大化は、ASO (アプリストア最適化) によるキーワード順位上昇とオーガニック CVR 上昇で実現致します。それぞれ下記のように対応致します。
【キーワード順位上昇】
過去 8 年間に渡りASOを実施し続けていた経験から、キーワード順位上昇のためのノウハウを膨大に蓄積しています。
これにより、キーワード順位上昇のポイントを抑えたASOを提案可能です。
順位変動時や、App Store の検索アルゴリズム変更時などは、再度 ASO を提案し対応します。
(ちなみに多くのデベロッパーさんは気付いているかと思いますが、2018 年 7 月 15 日から App Store の検索アルゴリズムが変わっております。当然弊社では何が変わったかはすべて把握しております。)
ASO は基本的に無償で提供します。
また独自のノウハウにより、Search Ads の品質スコアや "類似アプリ" の最適化・パフォーマンスの調整が可能です。
【オーガニック CVR 上昇】
オーガニック CVR、つまりストアページに来たユーザーが実際にインストールしてくれる割合ですが、アイコンやスクリーンショット、レビュー等によって大きく変わります。
例えば、過去にスクリーンショット変更で CVR が 1.5 倍向上した事例もあります。
他の ASO 事業社さんの場合、ASO 施策ではキーワード上昇施策のみしか行われないことが多いです。
オーガニック CVR 上昇の施策を交えたご提案が、リバティーンズ運用の特徴であり強みです。
②広告に関して
リバティーンズの広告運用には下記2つの強みがございます。
【運用最適化】
過去 8 年間に渡り ASO を、アプリの検索広告はリリース時からずっと提供していた経験から、多数の知見を蓄積しています。
この施策は独自の運用により、ASO のキーワードランキング最大化にも寄与します。
【キーワードナレッジ】
過去の ASO の経験から、アプリのジャンル・カテゴリごとに、どのキーワードの効果が良いか、悪いかのようなキーワードナレッジを大量に保持しております。
このナレッジは広告運用の最適化を速め、ASO にも流用可能です。
両方やらんと意味ないねん、と力説 |
山口:他社では ASO・広告のどちらか一方を提供するケースが多いですが、リバティーンズでは上記 2 つの施策を組み合わせ、ASO・広告の効果を互いに最大化します。
ぼく:実際 ASO と広告って同時にやったほうがいいっていう客観的なデータとか根拠ってあるんですか?
堂道:実はあるんですよ。iOS において ASO と Search Ads に相関関係があることは、Search Ads 公式ページにも記載されております。
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堂道:この画像はアップルのヘルプページのスクショです。
ぼく:ほんとだ...ASO きちんとやってれば、広告を出したときにもいい影響があるってことですね。逆にいうと、このへん知らずに適当にアプリ出してるだけだと、かなり機会損失生まれてしまいそうですね。
堂道:そうですね。実際我々が過去に運用したアプリでも、ASO と Search Ads を両方やった複合効果によってキーワード順位が上昇し、以降も安定した、みたいな事例がいくつもあります。ゲームでも非ゲームでも出来るというのもポイントですね。
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ぼく:ありがとうございます、今日もすごい勉強になりました。ぼくも AppLovin の新規事業で Lion Studios っていうパブリッシャーの立場になったので、あらためて色んな広告や ASO とかについても勉強しなきゃいけないなと思ってるんですよね。
山口:またアップデートがあったら話しに来ますよ。坂本さんの blog 読んで連絡くださる方、けっこういるのでw
今回の記事は以上です!
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