2016/06/19

【後編】開発者インタビュー!大ヒット「昭和駄菓子屋物語2」GAGEX & 2D Fantasista

もっと心にしみる育成ゲーム「昭和駄菓子屋物語2」』(以下「駄菓子2」) パブリッシャの GAGEX (ガジェックス) の井村さんと、デベロッパの 2D Fantasista (ツーディ ファンタジスタ) の (渡辺) まさおさんに、お話を伺ったよ!

この記事は前後編の後編です。
前編はこちら!
 



1ラウンドでいきなりダウン、からの〜


坂本:井村さんのところは、元々スマホアプリを作ろうってできた会社なんですか?

井村:会社作ったのが 2011 年で、結構経ってるんですけど。最初は 2012 年くらいに、GREE プラットフォームでオリジナルタイトル 1 個出してるんですよ。

坂本:ブラウザの頃ですか?

井村:ガラケーのブラウザです。スマホにシフトしたほうが良いのかな? って転換期の時代だったんですが、そのゲームが結構コケちゃって、それから「昭和駄菓子屋物語」を出した 2014 年まで何もリリースしてないんですよ。本当は色々出してたはずなんですけど。

坂本:色々出来なくなっちゃったんですね。

穏やかに苦労話を語る

井村:防御してなかったら死んでました。「だいぼうぎょ」してたので、体力ゲージ赤で踏み止まれました。社歴を見ると、個人の履歴書でいう「この期間は何されてたんですか?」って面接で突っ込まれるような、空白期間があります。もう過去の話です。(遠い目)

坂本:GREE でブラウザでってことは、いわゆるソシャゲ・カードゲームみたいなやつですか?そこからいきなりアプリで「昭和駄菓子物語」って、周りから見ると「えっ?」ってカンジですよね。

井村:でもそっちのほうがむしろ僕らしいって、言ってもらえますけどね。

坂本:ご自身で立ち上げられる前は、どういうキャリアなんでしたっけ?

井村:1 番最初は、フロム・ソフトウェアっていう、ハードコアで有名な会社にいました。会社自体もハードコアなんですけど。

坂本:www

井村:そこにいて、そちらでゲームのこと勉強させてもらって。大変感謝してます。そこからスクエニ (Square Enix) に転職して、モバイルを結構長く、7 年くらいやってたかな。当時のモバイルだから、ガラケーですね。i モードとか、EZ ウェブとか向けのアプリとか、当時は月額サイトだったのでサイトサービス全体とか、見たりとかしてました。

坂本:ガラケーアプリ、時代を感じますね...。スクエニでは具体的にどういったことをされてたんでしょうか?

井村:主にドラクエの IP やってて。ガラケーアプリ作ったり、公式サイトのプロデューサーやったりしてました。

坂本:そっから会社を辞めて GAGEX を立ち上げられたのが 2011 年で。

井村:とっくに iPhone は出ていて、スマホシフトはし始めてましたけど、いわゆるネイティブシフトとかって言い出したのがそのちょい後くらい。僕がスクエニにいた時には、ネイティブアプリはほぼやってなくて、自分の会社を立ち上げてからやってます。

坂本:確かに、スクエニさんみたいな超大手は、どっちかというとネイティブシフト遅いほうでしたもんね。

井村:そうですね。とはいえ、僕らの部署はそれをやるところだったので早めに着手して、いちおう 1 個「いただきストリート」のネイティブアプリ版を僕が辞める前にやってました。当時は普通に有料でしたけど。そういうキャリアです。

坂本:そっから独立して、GREE にソシャゲーを出すっていうのはお金に目がくらんじゃったんですか?

まちがいさがし

井村:どうかなー。くらんだっていうか...

坂本:あ、ぼく個人的には、独立して自分でやるってことに超ポジティブなんですけど。「自分らしくないソシャゲを作っちゃった」っておっしゃってたので、何でだったのかなって気になって。

井村:継続的に売上を上げていかないと当然、経営できないので。あの時点で単発ネイティブアプリを有料で売るっていう方向もありましたけど、そうじゃない形で売上を作っていくためには、あまり選択肢が無かったんですよ。当時の市場で言えば、野良ウェブとか選択肢としてはなかったんで、モバ・グリで運営ものっていうのが現実的な選択肢だったんですよね。

坂本:なるほど。確かにまだ F2P って市場自体が立ち上がってなかったですもんね。

井村:内容的に僕らしくないっていうのも、人からはそう言われますけど、自分としてはそんな感じはしてなくて。僕としては作りたいものを作ったんですよね。でもあまり得意なところじゃなかったかも知れないなというのは、今としては思いますね。

2D Fantasista との出会い


坂本:そこからガラッとシフトチェンジして、スマホネイティブでカジュアルゲームの駄菓子を出して。そのタイトルからまさおさんの 2D Fantasista と一緒にやられてるんですよね。その辺の経緯・いきさつって?

井村:ビジネス的な話をしちゃうと、広告モデルのカジュアルゲームで計画的に売上を作れる市場になったんで、そっちやってみようと思ったっていうことなんですよ。そういう意味では一貫はしてるんですよね。

坂本:その時の主流の、売上がきちんと立つビジネスモデルで作ろうという方針は変わってないってことですね。

井村:そっちが先にあって。あとやっぱり小粒のカジュアルゲームとかで、ちょっと読み物みたいになっているものとかだったら、自分の得意な守備範囲なので、そういうところでモノつくるとしたらどいうものがいいかなって考えてた時期でもありました。

渡辺:お会いしたのは、2013 年かな? 2 回目のビットサミットですね。京都の会場で初めてご挨拶をして。

井村:その前から 2D さんの「タップシーフ ストーリー」を拝見してて、すごい、いいゲームだなと思ってたんですよ。グラフィックやイメージがすばらしかったんで、ちょっと一回お会いしてみたいなと思ってた、っていうのは前提としてあります。ビットサミットの出展者リストから、ちゃんとアタックリストを作ってですね。

タップ・シーフ・ストーリー (iOS | Android)

坂本:それはデベロッパを探すために?

井村:そうですね、お付き合いするところを主に探すために。リストにお名前があったんで、これは会おうと目をつけといて、話をして、東京戻ってから会いましょうって。関西の会社かなって思ってたんですけどね、ビットサミットが京都なので。

渡辺:京都はインディー系のゲームが盛んなんですよ。任天堂とかもありますし、そういったところの出身の方たちが京都にいるんで、そのままその場所でイベントもやってるってかんじですね。

坂本:まさおさんも、パブリッシャーさんとか協業できるところを探しに出展してたってかんじなんですか?

渡辺:僕は単純に京都行きたいなって(笑)。委託先を探すイベントって感じじゃないですよね、全然。特に 1 回目、2 回目ってホント、なんか同人誌即売会的なノリ。おもしろいゲーム作ったから見てよ、みたいな。

坂本:で、出展してたら、井村さんが来て、一緒にやろうと?

渡辺:はい。またお会いできれば、みたいな感じになって。ちょうど僕らもその時 1 作目となる「タップシーフ」を作り終わって、次のゲームどうしよっかなって思ってて。各メンバーが、受託的な仕事を、別々のプロジェクトとしてやっていたんですね。

坂本:で、ちょっと大きめな、がっつりメンバー何人かで取り組めそうなプロジェクトがきたよと。

渡辺:でも正直、今でこそ「駄菓子」がヒットしてますけど、最初聞かされた時、「え、昭和?駄菓子?何すか?」みたいな(笑)

井村:最初はちょっと違う企画でしたもんね。昭和と駄菓子屋は変わってないですけど、もうちょいミニゲーっぽかったんですよ。ミニゲームでお金貯めて、駄菓子屋を大きくしてくみたいな感じにしようと思ってたんですよね。企画は最初、私でしたけど、結局やめました。手かかるから。思ったより作るの大変なんで。もうちょっと小粒にしましょうと。

坂本:で、シナリオを進めていく系の放置ゲームに姿を変えて?

渡辺:「お話を読み進めていく」ってとこは変わってないんですけど、進めていくのがミニゲームだったんですよ。駄菓子屋にあった 10 円ゲームみたいなやつをやると、お金をもらえて、それで駄菓子屋を大きくしていくっていう。

井村:でもそれ、誰がやってるのか分からないんですよね、ゲームの主人公がどういう立ち位置なんだって。ゲームして、お店大きくしていくって、そいつは誰なんだって。企画するときも思ってましたけど。そういうの含めてしっくりこなかったんで、やめて。

坂本:で、いまの放置系にかわったと。

渡辺:話聞いて、この形はかなりしっくりきました。僕達としてもやっぱり、スマートフォンのカジュアルゲームっていうのが、一番やりたかったことなので、そういったゲームでチャレンジできるいい機会だなって。あと、やっぱり放置ゲームって 1 つの確立されたジャンルなので、作ってみたいっていうのもあって、やらせてほしいなと。

坂本:スマホのゲームをやりたいってのは、何でそう思われたんですか?市場が大きいからとか、独立以前からスマホゲームをやっていたからとか、ですか?

渡辺:元々家庭用ゲーム機のゲームをずっと 10 年以上作ってきてたんですね。それはそれで面白いんだけども、時代の流れとか、自分がこれから何本ゲームを作れるかとかを考えると。スマホなら、なるべく大きすぎない、でも心地良いゲーム、みたいなものを作っていって、多くいろんな人に届けられるっていうのが、自分のせっかちで飽きやすい性格にも向いてるんじゃないかなって。

坂本:コンソールだと、どうしても開発期間やプロジェクトが大きく・長くなるから、バットを短くもって打席にいっぱい立とうみたいな?

渡辺:そうですね。打席に立つ回数がすごい大事だなだと。

開発の裏側のお話


坂本:開発自体は駄菓子 1 と 2 それぞれ何ヶ月くらいなんですか?

渡辺:たぶん同じぐらいで、テストとか含めると 4 ヶ月ぐらいです。

坂本:あのクオリティーで 4 ヶ月っていうのは結構、感覚的には速い感じしますね。

渡辺:そうですかね。いつも作り終わったあとに思うのは、「これもっと早くできたんじゃないかな」って(笑)。しょぼいとかじゃなくて、やっぱりどうしても詰まってる時期ってあるじゃないですか、産みの苦しみみたいな。バグの原因に気づかなくてウンウン悩む、とか。そんなのがどうしても毎回あるんですよ。

坂本:作業的にはそんなに時間かからないけど、「何をしないといけないのか」突き止めるまでに時間かかってると。

渡辺:最終的なアウトプットはすごくいいものになってると思いますけど、出てくるまでやっぱり本人はすごく苦しんでるところとかあったりして。それはもうコチラとしては、祈りながら待つしかない。

井村:完成したものを見て、あれと同じもの作ってくださいっていったら、もっと速いですけどね、当然。そうじゃないところがゲームづくりの真髄みたいなところだと思うんで。

坂本:2 作目を作るときは、ベースは 1 作目があるわけじゃないですか。でも同じくらいの期間をかけたというのは、どのへんに時間をかけたんでしょうか?何かをガラッと変えたのか、もしくは単純にコンテンツの中身をいっぱい作らないといけないから、物量で時間かかったってことなのか?

渡辺:ぶっちゃけた話をしちゃうと、開発環境が変わっててですね。2 作目だけ Unity なんですよ。だから結構作り直してます。

井村:加えて、物量も、グラフィックとか倍くらいになってるので。2 作目になって速く作れたはずのところを、ボリュームアップとかにまわしているので、あんまり変わらなかった。

渡辺:作ってたプログラマーとか、グラフィックも同じ人間そのままアサインしてるんですけど、やっぱ本人たちにも前作のヒットが多少のプレッシャーになってたみたいで。キャラの動きとか、細かいところにちょっと凝り過ぎて時間を使っちゃったり、ってところもありました。

坂本:たしかに、前作があるシリーズ物だと、そういうことがあるのかもしれないですね。

井村:パブリッシャーとしても続編のプレッシャーというか、続編ってそもそもいいの? っていうところからチャレンジではありました。堅いっちゃ堅いんですけど、カジュアルゲームでそもそも続編って望まれてるのか? とか。

坂本:珍しいですよね、カジュアルで続編って。

井村:特にタイトルにもろに「2」ってつけてるのって多分ないんじゃないですかね。そこはわざとやってるんですけど。

ぼくの生涯で一番好きなゲームも 2

渡辺:あるメディアでそこを「昭和的」って書いてきてくれてるのがあって、すごい嬉しかったですね。

井村:いまどき「2」って言わないじゃないですか、なんかかっこいい副題つけたりして。デラックスとか。どっちが先かわかんないようにして、共存できるように狙ってるんですかね。今回はあえて「2」って名前を付けて、どう受け止められ方するのか試してみたかった。結果的には、それなりに受け入れてはもらえましたが、まだまだ道半ば、これからですね。

GAGEXの新作と今後の方向性


坂本:次回作は「駄菓子 3」ではない?

渡辺:とりあえず次出すのは「3」ではないです。どうなんですかね、3?

井村:僕は「2」作り終わった時に、「3」は絶対作れないと思って。もう無理と思ったんですけど、いろいろ数字を見せられるとね。

渡辺:普通にいけるんじゃないかなーって。中国向けを作ってもいいと思った。

井村:3ではないですけど、路線はわりと近いものをいま開発中です。あとは「大江戸人情物語」がもうすぐリリース予定で、いま事前予約を受け付けてます。

大江戸人情物語 ~時をかけるおでん屋~
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坂本:その「路線はわりと近いもの」は、開発に1 年かかるタイトルってわけではないんですよね?

井村:年内には出したいですね。あんまり具体的な話できなくて申し訳ないんですけど、これまで楽しんで頂いたお客さんが、引き続きやってもらってよかったって思ってもらえる内容だと思ってます。ただゲームシステムはちょっと今までのやつと少し変えてて。

坂本:単純な放置系ではない?

井村:放置要素はあるんですけど、シンプルであることは変わらないまま、ちょっと違う遊び方をしてもらいたいなと思って、そこを少しチャレンジしてみているところです。

坂本:楽しみですね。GAGEX さん的に今後どういうポジションをとっていきたいみたいなのはあるんですか?

井村:難しいですね。面白いモノづくりをしたいってのが一番で。ポジションってあんまり考えてない。

坂本:どういうものを作っていきたいみたいなのは?例えば GOODROID さんはインタビューで、これまで広告メインでしたが、今後はアプリ内課金でのマネタイズも本格的にチャレンジしたいとおっしゃってました。

井村:そういう意味ではやっぱり僕らも、ユーザーがちゃんと課金するものは作っていかないとっていうのは思ってます。やっぱり企業なのでお金儲けしないといけないっていうのは当然なんですけど。僕ら社内でよく言ってるのは、ゲームとはいえ「出版物」みたいな感じでモノ作っててですね。

坂本:出版物?どういうことですか?

井村:雑誌とか漫画とか、広告入っているわけじゃないですか。コンテンツ作ってパブリッシュして、そこに広告が入ってて、さらにユーザーからもお金もらう、ってやってるじゃないですか。そういう意味ではビデオゲームっていうよりは、雑誌とか漫画とかを出しているノリなんですよ。だから僕らはプロデューサーっていうよりも、編集者みたいな。僕はライターも兼ねてますけど、編集者であり、パブリッシャであり、出版社経営。

坂本:お〜面白いですね。ゲームの文脈でいう「パブリッシャ」とはちょっと違う感覚ですね。

井村:僕は文学部なんですけど、もう 1 人の役員も文学部で編プロで働いてたような人間で、わりと出版畑なんですよね。今も結構お客さんついてきていただいてるんで、大変ありがたいのですが、それでできることの限界は当然あるので。お客さんからお金をいただいていない、フリーペーパーでできることの限界はたぶんどこかで突破しないといかんと。お客さんから直接おあしをいただけるようになるっていうのが、次のステップでやらないといけないかな。

坂本:なるほど。

井村:それが出来ないと、どこかで引退しないといけなくなっちゃうんで、当然どっかではやらないといけないと思っていて。それは大きな課題で、本当は去年くらいにやらないといけなかったんですが、なかなかできなくて、さすがにそろそろ何かやらないといけないなと思ってます。

坂本:じゃあ今後は課金にもっと力を入れてくと。

井村:じゃあ課金の方がメインになるゲームなのかっていうのは、ちょっとまだ、そこは重要なとこじゃないのかなって。僕達が作りたいもので、いかにきちんと「お金とって恥ずかしくないもの」をどういうやり方で作るかっていう路線・パターンを見つけたい。見つからなかったら、急にガチャを入れるかも知れないですけど(笑)

坂本:ガチャ以外でってなった瞬間に、課金も考えないと難しいですもんね。

井村:最近は資金決済法も気にしないといけないですからね。僕、経営は結構ディフェンシブな方なので、消費しないものからとか、カタいところからやるかもしれないですね。

渡辺:いわゆるソーシャルゲームみたいに LTV 何千、何万円もらおうって思ってるわけじゃない。何十円、何百円っていう単位でいいと思ってるので、いやらしくない課金の仕方、お互いに納得できる課金の仕方って必ずあると思います。現に何本かそういったゲームって存在していると思うので、そこは目指していきたいなと。

井村:動画広告とかのおかげでだいぶ、遊ぶ人にとってもメリットになる広告の見てもらい方っていうのが出来て、レビューとかにすごく反映されてて、私たちからしても相当嬉しい状況です。さらにそこを課金でも同じようになれるといいなと思いますけどね。

坂本:課金させられちゃった、じゃなくて、課金したおかげで楽しく遊べてます、みたいな世界ですね。

井村:キレイ事も含みですけど、目指したいなという感じですね。

坂本:会社的にはもっと大きくしていくとか、あんまり逆に大きくしたくないとかありますか?

井村:社是に「面白いを 100 年先まで」っていうのを掲げているですけど、僕一代で終わらせるつもりはないので、サスティナブルな大きさまで大きくならないといけない。今は僕死んだら終わりなんで。そういう意味じゃ大きくならざるを得ない。それがどれくらいの規模なのかは正直分からないです。

坂本:続けるって難しいですもんね。

井村:それができるくらい、きちんとビジネスとして成功できるものを作れる体制と、継続性みたいなものをどうやったら作れるのかなっていうのを見つけないといけないなと。いいもの作って一代で終わりっていうのは、いやだなって。難しいですね。

坂本:面白いものを作るのって、人のクリエイティビティに依存する部分がどうしても出てくるじゃないですか。でもそれを、安定的なリクルーティングとか、育成とかっていう、1 人に依存しない仕組みで作れたら本当は最高なんでしょうけどね。

井村:ボルテージさんが出されてた本で読んだんですけど、あれくらいの規模になると当然 1 人の天才クリエーターが作ってるわけじゃなくて、再生産可能な形になってるわけですよ。あれは 1 つの理想形ではあるんですよね。

坂本:言い方悪いですけど、誰でもマニュアルをみれば作れるみたいな。

井村:クリエイティビティと相反するところがあるんですけど、たぶん、どっかで両立させないと産業にならないじゃないですか。いかにそこでバランスとっていくかっていうのが商売の醍醐味っていうか、そこを面白がって欲しいなと思うので、そういう会社にできたらいいですけど。ぜんぜんならないですね。僕が一人で面白がってるだけなんです。

2D Fantasistaの今後の方向性


坂本:まさおさんの 2D Fantasista の今後はどうですか?こないだ、独自のタイトルも出しつつ、協業のタイトルもやっていきたいっておっしゃってましたよね。

渡辺:会社を設立した直後は、やっぱり自分たちのゲームだけを作りたいと思ってたんですよ。でも、GAGEX さんとお仕事させてもらって、自分たちにない視点から一つの物事を見ることで、自分たちだけでは生み出せないクオリティを生み出せるっていうのを知ってしまったんですよね。

坂本:目覚めちゃったんですね。

渡辺:なので、他社様と一緒にゲームを創っていくっていうのがまず 1 つ、確実にやりたいことの柱にはなってきます。ただしそれだけでなくて、もちろんオリジナルゲームを創っていくともやりたいと思ってまして。両方やりたいです。両方大事だと思ってます。

坂本:ダブルオッケー★

渡辺:オリジナルゲーム作るときでも、いろんな会社さんとかに見てもらってフィードバックもらいながら、自分たちの会社だけじゃ出せないクオリティーっていうのを出していけるようになってきてたなと思ってます。

坂本:自分たちが「面白い」と思ってればいい、というわけでは無いってことですね。

渡辺:あとは、これは絶対に・・・絶対に書かないで欲しいのですが、僕達のゲームが最高と言いませんけれども、世の中にはクソピーたくさんあるじゃないですか。あんなやつらをビッテンフェルトしなきゃいけないなと思ってまして。

坂本:良いですね。ノッてきましたね。

渡辺:同じようなゲーム作るんだったら、せめてウチらに作らせてくれたら、同じくらいの予算でもうちょっと良いモノ造りますよ、みたいなことが言えるようになっていきたいなって思ってて。どこかで見たことあるようなゲームでも、なんとなく味があって、ちょっと消しづらい、時々起動したくなるような、キラっと光るものをつくって行きたいなと思ってるんで。やっぱもっとたくさんゲームを作りたいですね。

坂本:でも今たしか 5 人ぐらいで...

渡辺:そう、それ考えると実はもうちょっとチームメンバーが必要なんです。いろんな会社さんから、2D にはちょっと頼みづらい、開発ラインが空いてないじゃないみたいなことは言われます。かと言って誰でもいいからとにかく増やせばいいわけじゃないし。悩ましいなと。

坂本:ちなみにゲームの業界って、クオリティーに比例して、お給料や単価って上がっていくもんなんですか?人も増やしたいけどクオリティも担保したいって、じゃあすごい高い人になるんじゃないの、って感じがするのですが。

渡辺:すでに実績があって、クオリティーが高い人っていうのは当然単価も高いと思いますけど、どっちかっていうとこの業界、若い人の才能でもってるっていうのがけっこうあるので。ポテンシャルを見れば、必ずしも高くなっちゃうとは限らないんですよ。

坂本:若くて才能ある人をスカウティングすれば良いと。サッカーチームみたいで良いですね。

渡辺:なるべく若い人と仕事したほうが、いい意味でギャップが面白いんで、なるべくまだ発掘されてない才能と出会いたいなと思ってます。

坂本:逆に言うと、自分の技術とかには自信があるんだけど、ピーなゲームしか作らせてもらえてないんだよね、みたいな人とかは...

渡辺:こっそり連絡して欲しいですね。酒でも飲みながら今後の話をしましょう。一緒にビッテンフェルトしようぜ!

クロージング


坂本:最後何か言い残したことありますか?

井村:AppLovin の売上がなかなか下がらなくて困ってる、ってこととか(笑)

ほんまに井村さんのほうから言ってきたんやで

坂本:いま動画リワードだけで使ってますよね?インタースティシャルもあるんですよ。

井村:おー。動画だけですか?

坂本:動画も静止画もあります。あと地味に Playable 広告もやってます。

井村:Playable 広告ときどき見ますね。あれって最近増えてきてるですかね?

坂本:まだそこまででもないですね。動画インタースティシャルは使ってるところ増えてきてますよ。ご近所さんなんですけど、名古屋発の 某oodia さんとかには最近のアプリで全部使ってもらっていて、国内アドネットワークの倍ぐらい eCPM 出てるらしいです。

井村:そうなんですね、知りませんでした。

坂本:じゃあ、今日はどうもありがとうございました!



いや〜長かった!
最後まで読んでくださった方、あ (りがとうご) ざ (いま) した!!

Q

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