動画を中心とした新しいアドネットワーク「PolymorphicAds」をリリースしたフルスピード社主催のセミナーで講演してきたよ!
がっつりイチから作り込んだ、我ながらなかなかイケてる内容なので、スライドも含めて紹介するよ!
スライドは SlideShare にもアップしてるよ!
slideshare: 収益以外のKPIも改善!「動画リワード広告の見えざる手」理論
うちの会社の資料は何故かいつもこの可愛いお姉ちゃんが表紙です。
有料素材かな。
AppLovin (アップラヴィン)、知らない人はぜひ覚えてってください。
社員 100 人で、年間 300 億円近く売り上げ、年 +100% 以上伸び続けてる、今いちばんホットなアプリ広告の会社です。
日本では去年ぼくが 1 人目として入って、順調に売り上げを伸ばし、1 年で月間複数億円の売上って規模になりました。
メンバーも最近また増えて、日本は 4 人でやってます。
今週から、渋谷にオフィスも構えています!
遊びにきてください。
iOS, Android だけでなく Amazon や Apple TV プラットフォームにも対応。
インタースティシャル (全画面)、動画 (リワード / 全画面)、ネイティブ フォーマットがあります。
今日はその中でも「動画リワード広告」についてです。
技術面ではなく、どの SDK を入れようといった広告選びの話でもありません。
アプリの企画についての話をします。
動画リワード広告、中には eCPM 3000 円を超えるところも出てきており、バナーやインタースティシャルと比べても高い収益性が注目されています。
が、その真の価値は実は、収益だけではなく、継続率・起動頻度・滞在時間といった重要な KPI を (実装次第で) 改善できるという点にあります。
さっそく具体例で見てみましょう。
みんなご存知 Crossy Road (iOS | Android) です。
カジュアルなアクションゲームで、コインを集めていって、100 枚たまったらガチャ回して新しいキャラを GET できるというシステム。
ゲームオーバーになったときに「動画を見てコイン」が出てきます。
海外のなんかブロガーが調べてた記事を読んだのですが、動画リワードは毎回出てくるんではなく、だいたい 14%、7 回に 1 回ぐらいの頻度で出てくるんですね。
これがミソで、ずっとプレイし続けちゃう「無限ループ」を作る大きな要素になっています。
どういうことか時系列で解説します。
スキルにもよりますが、だいたい 1 回プレイすると 10 コイン前後ゲットできます。
わりかしシンプルなゲームなので、何回かプレイしているとどうしても...
飽きてきちゃうんですよね。
で、その段階で溜まってるコインは 4-50 枚ぐらい。
でもそこで、すでに何度かプレイしてるユーザーは、「やーめた」ってなるかわりにこう思うんです。
あと何回かプレイしたら「動画見てコイン」が出てくるやん。
そこまでやろう、と。
で、あと 2-3 回プレイした頃に出てきます。
「キタ━━(☆∀☆)━━!!」
この「広告が見れることが嬉しくて仕方ない」って感覚、人類の 1 万年の歴史上初めてだと思うんですよね。
で、たまったコイン約 7-80 枚と、動画リワード広告で獲得したコインを合わせて、なんとちょうど 100 枚ぐらい溜まりましたと。
でガチャをひく → 新しいキャラをゲットします。
新しいキャラは、キャラの見た目だけでなく、エフェクトや効果音、さらにはステージ背景とかもガラッと変えて、ゲーム性以外は別の新しいゲームってぐらいの変化をもたらします。
それを見たくて、また 1 回目のプレイを始める...という、無限ループがここに完成するわけです。
つまり、動画リワード広告がもたらしたのは「収益」だけでなく、「飽きてやめそう」から「もうちょっとやろう」への変化、広告を表示して報酬を得られるという「ポジティブな感情」、そしてまた初めからプレイさせる「モチベーション」なんですね。
高い収益が得られるのも、動画リワード広告が「eCPM 高いから」ではなく、上記によって滞在時間や継続率が向上した「結果」なんです。
次に別の例をあげます。
AdVenture Capitalist! (iOS | Android) という放置系のゲームです。
ご存知ない方は、例えばイグニスの「ネズミだくだく」(iOS | Android) あたりをイメージしていただければ、それに近いゲームシステムです。
持ってるお金を使って「施設」や「マネージャ」を購入したり強化していくわけですが、だんだんと 1 つのミッションをクリアするのに必要な時間が長くなるので、あるとき「あんまやることない」状態になるんですよね。
で、そろそろやめよっかな〜って思っていると、
なんかおっさんが出てきました。(最近のアップデートで追加された機能です、多分)
「広告を見て収益を倍にしよう」 って言ってます。
で、右下にあるテレビのアイコンを矢印が指してます。
押してみましょう。
動画広告を観たら収益が倍になる (1 秒あたりに稼げるお金が倍になる) という動画リワード広告のオファーです。
ポイントとしては
2 については、中には無料じゃなくていいからお金を使ってサクサク進めたいって人のニーズにも、ちゃんと応えてるわけです。
動画視聴完了後の画面がこちら。
さっそく効果があと何時間続くかのカウントダウンが始まってます。
追加で動画広告を観ることで、さらに 4 時間効果を上乗せすることも出来ます。
1 日に最大 6 回までしか観られません。
カウントダウンはこのメイン画面でも、テレビのアイコンの横でチクタクいってます。
これがあることで、飽きたな〜ってユーザーはゲームを閉じる前に「あと何時間効果が維持するのか」を頭に刷り込まれるわけです。
それによって、次に起動するのが「明日」ではなく、または「忘れちゃって二度と起動しない」にもならなくなります。
4 時間後や 8 時間後に「溜まったお金を確認しよう」とか「また収益 2 倍にしなきゃ」って、もう一度起動しちゃうんです。
Crossy Road の「ずっと遊ばせよう」アプローチではなく、動画リワード広告があるおかげで「もっと頻繁に起動しよう」が実現できています。
それによって、長い期間、高い収益を上げ続けることが出来ています。
今あげた 2 つの例のように、上手く動画リワード広告を入れているアプリは、"時系列" でユーザーの "モチベーション" がどう変化するかをきちんと把握しています。
その上で、
ユーザーに適度なストレスを与えて、解決手段を用意しておいて、解決したときにドーパミンぶしゃ〜って出させて、どっぷりハマらせるっていうメカニズム、実はシャブ...ではなく、課金とまったく同じなんですよ。
なので「動画リワード広告」を効果的に実装できているアプリは、「アプリ内課金」とも非常に相性が良いです。
広告を観ることでちょっとだけ報酬を得るのと、お金を払うことでたっぷり (相応の) 報酬を得られるのとを、オプションとして両方用意しておくわけですね。
ユーザーごとに「お金は払いたくないけど、じっくりやって、美味しい思いも時々したい」のか、「広告なんかに自分の時間を使いたくない、お金なら払うからサクサク進めたい」のかってモチベーションは違うので、両方の人にちゃんと解決方法を用意しておくのが良いのです。
逆に、課金でマネタイズしているゲームにも、動画広告を導入して高い効果を上げている事例が、主に海外でどんどん出てきています。
というか、よっぽどハードコアなゲーム以外は、売上ランキングに入ってるタイトルでも動画リワード広告を実装しているのが割と普通です。
例えばこの Royal Revolt 2 (iOS | Android) というアクション RPG ゲーム。
リリース当初は (動画リワード広告ってのが世になかった頃なので) 課金しかありませんでしたが、プレイするのに必要なエネルギー (food) が足りないときに「課金でフル回復、広告を観れば 1 回分回復」という形で、非常に綺麗な見た目で実装されました。
結果、課金率は下がらず、ユーザーのプレイ回数・時間は増え、広告による収益も何割か上乗せできたので、デベロッパーさんはハッピー。
もっと広告表示できる箇所あるよねってことで、次のアップデートで増やす予定とのことです。
Royal Revolt 2 ほどアプリの世界観に馴染んだ実装をするのが、工数的に難しいのであれば、課金のストア画面で「広告を観れば、無料でちょっとだけ貰えるよ」ってボタンを追加するという手もあります。
流れの中で目にする場所ではないし、これがあるから「もっとやろう」ってなるわけでは無いので、ベストな美しい実装ではないですが、デザイン・開発に工数をかけずに試してみる分にはちょうどいいんじゃないでしょうか。
日本のアプリだと、ぼくがマネタイズをお手伝いしたタイトルですが、「中年騎士ヤスヒロ」(iOS | Android) というカジュアル目な RPG で、課金と動画リワード広告の両方で上手くマネタイズできています。
課金するユーザーはサクサク進めて、課金しないユーザーは時々広告を見て報酬を得ながらじっくりやってくれていて、継続率も割と高く、ユーザーあたりの LTV もそれなりのレベルになっています。
なので、アップトーキョーではない広告でユーザーを継続的に獲得し続けて、ROI をプラスに保つことが出来ています。
でも、広告を入れたら課金売上が減ってしまわないの...?という懸念もあるかと思います。
ですが感覚的には、また過去の事例を見ても、そこまで心配することは無いように思います。
前述の通り、課金ユーザーは「広告なんかで時間とられたくない、サクサク進めたい」というモチベーションが強い人なので、広告を見て無料で得られる僅かな報酬はそこまで有難くないんですよね。
なので、する人は結局課金する。
むしろ、未課金ユーザーの継続率が上がり、さらに、広告キッカケで課金アイテムの効果を実感し後に課金ユーザーに転換するっていう効果も期待できるため、課金の売上もあわよくば向上する可能性だってあります。
以前アドフリくんのセミナーで、GREE の「釣りスタ」が 動画リワード広告を実装した際のお話がありました。
未課金ユーザーに広告を見せたところ、広告を見たユーザーのほうが、その後課金に転換する割合が高くなった、というものです。
そのように、X 日以内に (または過去に 1 度でも) 課金したユーザーには動画リワード広告を表示しないという実装は可能で、そうすれば「課金ユーザーが課金しなくなるリスク」は最小限にすることができます。
が、中には課金ユーザーの中にも、「課金はするんだけど、動画広告でもらえる報酬も貰っておくよ」っていう人がおり、その人たちからは「広告が全然見れなくなった!」という不満の声が上がるかもしれないので、注意が必要です。
「広告が見れないことが不満」 ってのも、有史上初めてのことじゃないでしょうかw
オプションとして、全員に対して両方用意しておくのが良いんじゃないかなと、個人的には思います。
が、社内的にプロデューサーを説得するために、そういう実装にする必要がある会社はきっとあるんでしょうね。
また、広告で得られる報酬が大きすぎると、課金までするのがアホらしくなってしまうので、バランスには細心の注意が必要です。
まとめると、まずアプリの作りとしては
そしてマネタイズの戦略として、
というのが今日のお話でした。
これを実現しようと思うと、これまでみたいに「マネタイズ担当」「広告担当」ではなく、アプリを企画・プロデュースする人がマネタイズにまでがっつり入ってくる必要が出てきます。
ぜひそういう役割の人も巻き込んでいってください。
DAU と売上 (課金 + 広告) を最大化するデザインって、考えるの自体チャレンジングで、楽しいですよ!
僕自身、広告単体ではなくアプリ・ゲームの企画のところも含めて、自分の知見を役立てて欲しいと思ってるので、「こういうゲームなんだけどマネタイズどうしよう」など気軽に相談してもらえればと思います。
あ (りがとうご) ざ (いま) した!
Q
がっつりイチから作り込んだ、我ながらなかなかイケてる内容なので、スライドも含めて紹介するよ!
スライドは SlideShare にもアップしてるよ!
slideshare: 収益以外のKPIも改善!「動画リワード広告の見えざる手」理論
うちの会社の資料は何故かいつもこの可愛いお姉ちゃんが表紙です。
有料素材かな。
AppLovin (アップラヴィン)、知らない人はぜひ覚えてってください。
社員 100 人で、年間 300 億円近く売り上げ、年 +100% 以上伸び続けてる、今いちばんホットなアプリ広告の会社です。
日本では去年ぼくが 1 人目として入って、順調に売り上げを伸ばし、1 年で月間複数億円の売上って規模になりました。
メンバーも最近また増えて、日本は 4 人でやってます。
今週から、渋谷にオフィスも構えています!
遊びにきてください。
iOS, Android だけでなく Amazon や Apple TV プラットフォームにも対応。
インタースティシャル (全画面)、動画 (リワード / 全画面)、ネイティブ フォーマットがあります。
今日はその中でも「動画リワード広告」についてです。
技術面ではなく、どの SDK を入れようといった広告選びの話でもありません。
アプリの企画についての話をします。
動画リワード広告、中には eCPM 3000 円を超えるところも出てきており、バナーやインタースティシャルと比べても高い収益性が注目されています。
が、その真の価値は実は、収益だけではなく、継続率・起動頻度・滞在時間といった重要な KPI を (実装次第で) 改善できるという点にあります。
さっそく具体例で見てみましょう。
みんなご存知 Crossy Road (iOS | Android) です。
カジュアルなアクションゲームで、コインを集めていって、100 枚たまったらガチャ回して新しいキャラを GET できるというシステム。
ゲームオーバーになったときに「動画を見てコイン」が出てきます。
海外のなんかブロガーが調べてた記事を読んだのですが、動画リワードは毎回出てくるんではなく、だいたい 14%、7 回に 1 回ぐらいの頻度で出てくるんですね。
これがミソで、ずっとプレイし続けちゃう「無限ループ」を作る大きな要素になっています。
どういうことか時系列で解説します。
スキルにもよりますが、だいたい 1 回プレイすると 10 コイン前後ゲットできます。
わりかしシンプルなゲームなので、何回かプレイしているとどうしても...
飽きてきちゃうんですよね。
で、その段階で溜まってるコインは 4-50 枚ぐらい。
でもそこで、すでに何度かプレイしてるユーザーは、「やーめた」ってなるかわりにこう思うんです。
あと何回かプレイしたら「動画見てコイン」が出てくるやん。
そこまでやろう、と。
で、あと 2-3 回プレイした頃に出てきます。
「キタ━━(☆∀☆)━━!!」
この「広告が見れることが嬉しくて仕方ない」って感覚、人類の 1 万年の歴史上初めてだと思うんですよね。
で、たまったコイン約 7-80 枚と、動画リワード広告で獲得したコインを合わせて、なんとちょうど 100 枚ぐらい溜まりましたと。
でガチャをひく → 新しいキャラをゲットします。
新しいキャラは、キャラの見た目だけでなく、エフェクトや効果音、さらにはステージ背景とかもガラッと変えて、ゲーム性以外は別の新しいゲームってぐらいの変化をもたらします。
それを見たくて、また 1 回目のプレイを始める...という、無限ループがここに完成するわけです。
つまり、動画リワード広告がもたらしたのは「収益」だけでなく、「飽きてやめそう」から「もうちょっとやろう」への変化、広告を表示して報酬を得られるという「ポジティブな感情」、そしてまた初めからプレイさせる「モチベーション」なんですね。
高い収益が得られるのも、動画リワード広告が「eCPM 高いから」ではなく、上記によって滞在時間や継続率が向上した「結果」なんです。
次に別の例をあげます。
AdVenture Capitalist! (iOS | Android) という放置系のゲームです。
ご存知ない方は、例えばイグニスの「ネズミだくだく」(iOS | Android) あたりをイメージしていただければ、それに近いゲームシステムです。
持ってるお金を使って「施設」や「マネージャ」を購入したり強化していくわけですが、だんだんと 1 つのミッションをクリアするのに必要な時間が長くなるので、あるとき「あんまやることない」状態になるんですよね。
で、そろそろやめよっかな〜って思っていると、
なんかおっさんが出てきました。(最近のアップデートで追加された機能です、多分)
「広告を見て収益を倍にしよう」 って言ってます。
で、右下にあるテレビのアイコンを矢印が指してます。
押してみましょう。
動画広告を観たら収益が倍になる (1 秒あたりに稼げるお金が倍になる) という動画リワード広告のオファーです。
ポイントとしては
- 時間無制限ではなく、1 回動画を見るごとに 4 時間だけ効果が維持
- 広告を観るのがしゃらくせぇ!って人は、ゴールド (課金アイテム) を使って収益を倍増させるオプションもある
2 については、中には無料じゃなくていいからお金を使ってサクサク進めたいって人のニーズにも、ちゃんと応えてるわけです。
動画視聴完了後の画面がこちら。
さっそく効果があと何時間続くかのカウントダウンが始まってます。
追加で動画広告を観ることで、さらに 4 時間効果を上乗せすることも出来ます。
1 日に最大 6 回までしか観られません。
カウントダウンはこのメイン画面でも、テレビのアイコンの横でチクタクいってます。
これがあることで、飽きたな〜ってユーザーはゲームを閉じる前に「あと何時間効果が維持するのか」を頭に刷り込まれるわけです。
それによって、次に起動するのが「明日」ではなく、または「忘れちゃって二度と起動しない」にもならなくなります。
4 時間後や 8 時間後に「溜まったお金を確認しよう」とか「また収益 2 倍にしなきゃ」って、もう一度起動しちゃうんです。
Crossy Road の「ずっと遊ばせよう」アプローチではなく、動画リワード広告があるおかげで「もっと頻繁に起動しよう」が実現できています。
それによって、長い期間、高い収益を上げ続けることが出来ています。
今あげた 2 つの例のように、上手く動画リワード広告を入れているアプリは、"時系列" でユーザーの "モチベーション" がどう変化するかをきちんと把握しています。
その上で、
- どの "タイミング"、どれぐらいの "頻度" で動画リワード広告を見せて
- どれぐらいの "報酬額" を与えれば
- ユーザーがアプリから離れる前に "もっとやろう" または "後で必ずやろう" と思わせられるのか
ユーザーに適度なストレスを与えて、解決手段を用意しておいて、解決したときにドーパミンぶしゃ〜って出させて、どっぷりハマらせるっていうメカニズム、実はシャブ...ではなく、課金とまったく同じなんですよ。
なので「動画リワード広告」を効果的に実装できているアプリは、「アプリ内課金」とも非常に相性が良いです。
広告を観ることでちょっとだけ報酬を得るのと、お金を払うことでたっぷり (相応の) 報酬を得られるのとを、オプションとして両方用意しておくわけですね。
ユーザーごとに「お金は払いたくないけど、じっくりやって、美味しい思いも時々したい」のか、「広告なんかに自分の時間を使いたくない、お金なら払うからサクサク進めたい」のかってモチベーションは違うので、両方の人にちゃんと解決方法を用意しておくのが良いのです。
逆に、課金でマネタイズしているゲームにも、動画広告を導入して高い効果を上げている事例が、主に海外でどんどん出てきています。
というか、よっぽどハードコアなゲーム以外は、売上ランキングに入ってるタイトルでも動画リワード広告を実装しているのが割と普通です。
例えばこの Royal Revolt 2 (iOS | Android) というアクション RPG ゲーム。
リリース当初は (動画リワード広告ってのが世になかった頃なので) 課金しかありませんでしたが、プレイするのに必要なエネルギー (food) が足りないときに「課金でフル回復、広告を観れば 1 回分回復」という形で、非常に綺麗な見た目で実装されました。
結果、課金率は下がらず、ユーザーのプレイ回数・時間は増え、広告による収益も何割か上乗せできたので、デベロッパーさんはハッピー。
もっと広告表示できる箇所あるよねってことで、次のアップデートで増やす予定とのことです。
Royal Revolt 2 ほどアプリの世界観に馴染んだ実装をするのが、工数的に難しいのであれば、課金のストア画面で「広告を観れば、無料でちょっとだけ貰えるよ」ってボタンを追加するという手もあります。
流れの中で目にする場所ではないし、これがあるから「もっとやろう」ってなるわけでは無いので、ベストな美しい実装ではないですが、デザイン・開発に工数をかけずに試してみる分にはちょうどいいんじゃないでしょうか。
日本のアプリだと、ぼくがマネタイズをお手伝いしたタイトルですが、「中年騎士ヤスヒロ」(iOS | Android) というカジュアル目な RPG で、課金と動画リワード広告の両方で上手くマネタイズできています。
課金するユーザーはサクサク進めて、課金しないユーザーは時々広告を見て報酬を得ながらじっくりやってくれていて、継続率も割と高く、ユーザーあたりの LTV もそれなりのレベルになっています。
なので、アップトーキョーではない広告でユーザーを継続的に獲得し続けて、ROI をプラスに保つことが出来ています。
でも、広告を入れたら課金売上が減ってしまわないの...?という懸念もあるかと思います。
ですが感覚的には、また過去の事例を見ても、そこまで心配することは無いように思います。
前述の通り、課金ユーザーは「広告なんかで時間とられたくない、サクサク進めたい」というモチベーションが強い人なので、広告を見て無料で得られる僅かな報酬はそこまで有難くないんですよね。
なので、する人は結局課金する。
むしろ、未課金ユーザーの継続率が上がり、さらに、広告キッカケで課金アイテムの効果を実感し後に課金ユーザーに転換するっていう効果も期待できるため、課金の売上もあわよくば向上する可能性だってあります。
以前アドフリくんのセミナーで、GREE の「釣りスタ」が 動画リワード広告を実装した際のお話がありました。
未課金ユーザーに広告を見せたところ、広告を見たユーザーのほうが、その後課金に転換する割合が高くなった、というものです。
そのように、X 日以内に (または過去に 1 度でも) 課金したユーザーには動画リワード広告を表示しないという実装は可能で、そうすれば「課金ユーザーが課金しなくなるリスク」は最小限にすることができます。
が、中には課金ユーザーの中にも、「課金はするんだけど、動画広告でもらえる報酬も貰っておくよ」っていう人がおり、その人たちからは「広告が全然見れなくなった!」という不満の声が上がるかもしれないので、注意が必要です。
「広告が見れないことが不満」 ってのも、有史上初めてのことじゃないでしょうかw
オプションとして、全員に対して両方用意しておくのが良いんじゃないかなと、個人的には思います。
が、社内的にプロデューサーを説得するために、そういう実装にする必要がある会社はきっとあるんでしょうね。
また、広告で得られる報酬が大きすぎると、課金までするのがアホらしくなってしまうので、バランスには細心の注意が必要です。
まとめると、まずアプリの作りとしては
- "時系列" と "モチベーションの推移" を正確に把握し、
- 直接的な広告収益以上に
- ユーザーが HAPPY になり、エンゲージメントが高くなる実装を考えましょう
そしてマネタイズの戦略として、
- "デザインされたストレス" を解消する手段として "課金" と "広告" 両方のオプションを用意し、
- 物量 (報酬額) とタイミングを適切にバランスさせて、
- 課金・非課金ユーザーを双方幸せにしながら、収益を最大化させよう
というのが今日のお話でした。
これを実現しようと思うと、これまでみたいに「マネタイズ担当」「広告担当」ではなく、アプリを企画・プロデュースする人がマネタイズにまでがっつり入ってくる必要が出てきます。
ぜひそういう役割の人も巻き込んでいってください。
DAU と売上 (課金 + 広告) を最大化するデザインって、考えるの自体チャレンジングで、楽しいですよ!
僕自身、広告単体ではなくアプリ・ゲームの企画のところも含めて、自分の知見を役立てて欲しいと思ってるので、「こういうゲームなんだけどマネタイズどうしよう」など気軽に相談してもらえればと思います。
あ (りがとうご) ざ (いま) した!
Q
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