お子さんがサッカーで活躍している様子を Facebook で post しているのを何度か拝見して、同じサッカー好きなパパとしては話を伺ってみないと!
と思って、Growth Hack Studio (グロースハックスタジオ) Co-founder で取締役の広岡 一実氏に、サッカーを通じた子どものグロースハックについて聞いてきたよ (適当)。
この記事は 3 記事中 2 記事目だよ。
ぼく : お子さんがサッカーに興味を持ったきっかけは何だったんですか?
広岡氏 (以下「広岡」) : 最初はね、僕がいまだに都リーグの試合に出てて。試合を見にきてると、当然子どもも「ぼくもやってみる」って言い出して、始めたのが最初かな。
ぼく : 最初はお子さんが何歳ぐらいのときですか?
広岡 : 2 歳くらいから。
ぼく : はやっ。最初は広岡さんとボール蹴り始めて、みたいな?
広岡 : そう。今も毎朝 15〜20 分くらいずっと一緒にボール蹴ってる。
広岡 : 継続は力なりっていうのを教えてるんですよ。大人になってから継続させようとするとしんどいじゃないですか。
ぼく : ライザップとか Presence (スパルタ英語塾) とか全部、自分だけじゃ継続できないからお金払ってるようなもんですよね。
広岡 : ってことは大人になる前に「面倒くさいことを継続する習慣」をつけとくのが良いだろうって思って。毎朝 20 分くらい勉強して、そのあとサッカーをするっていうのをルーチンに入れてる。サッカーもどっちかっていうと基礎練をやってて。
ぼく : あえて面倒くさいことをやらせてるんですね。
広岡 : そう。で、その上でちょっとパス交換したりドリブル練習したり。朝起きて勉強してサッカーをするっていうのが、合わせて 1 日 40〜45 分間くらい。毎朝ルーチンになってる。
ぼく : 広岡さんも付き合うのって結構大変じゃないですか?
広岡 : いや、楽しくやってるよ。自分の練習にもなるし、面白いっすよ。
ぼく : うちの子どもも、週末たまに公園でボール蹴るぐらいですけど、全然上手くないんですよね。
広岡 : それはそうだと思うよ。最初からうまい子は、ほっとんどいない。
ぼく : やっぱりそうなんですね。小学生ぐらいになると、幼稚園からやってましたって子と、小学校で初めてサッカーやりますって子の差は結構あったりしますか?
広岡 : 相当差があるね。でも、見たり聞いたりしてる限りだと、小学校低学年の差って基本的に「体格差」に近いみたいだね。足の速さとか。
広岡 : 昔はたぶん中学校くらいだったんだと思うけど、今は小学校の高学年ぐらいになってくると、体格もさることながら「サッカー脳」がないともうボール触れなくなる。
ぼく : 小学校高学年で、ですか?早くねーすか?
広岡 : だってもう 4, 5, 6 年生とかにもなってくると完全に組織立ってるし。
ぼく : 昔じゃ考えられないですね。
広岡 : そもそも今 11 人制のサッカーの数が減ってて、ほとんど 8 人制なんだよ。サッカーっていかにトライアングルを作るかじゃない。11 人対 11 人だと、トライアングルの数が多すぎて小学生が把握できない問題ってのがある。
広岡 : 8 人制のトライアングルの数が小学校の間ではいいよねっていうのが、グローバル的には標準的な考え方になっていて。
ぼく : 以前 Facebook でぼくらの間で話題になった「サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法」って本にも書いてありましたね。
広岡 : 大会もいくつかあるんだけど、けっこう 8 人制になってる。そうなると「サッカー脳」が重要になってくるんだよね。
ぼく : 蹴って前に進めて、みたいなサッカーじゃなくて。
広岡 : 学年でいうと、1 年生はたぶん 90 パーセント以上は「だんごサッカー」だよ。単純に逆サイドまでボールが届かないから。選択肢に入らないし、「サッカー脳」もないから。なんで、バタンと当たって強い子が前に行く。
広岡 : 2 年生くらいになってくると、勝つチームは逆サイドで誰か張ってるんだよ。ようは我慢が出来るようになって、ボールサイドに寄ってかなくなるの。20 パーセントくらいのチームが出来て、80 パーセントくらいは相変わらず出来ない。
ぼく : 出来るチームっていうのは何が違うんですか?指導が良いんですか?それとも逆サイドまで蹴れる選手がいる、とかですか?
広岡 : 経験上「待ってたほうがお得だ」ってわかる子が増えるんだよね。ここで待ってたほうが点取りやすいじゃん、みたいな。その結果、その子たちは最初オフサイド にかかりまくるんだよ(笑)。前のほうに張ってりゃ良いじゃんって、自分がオフサイドポジションにいることがよく分かってなくて。そのうち戻ってこれるようになるはず。
ぼく : ふーん、面白いなー。。
広岡 : だから小学 2 年生は決定的に上手い・下手っていうよりも、まず体力でやり慣れてる・やり慣れてないかが大きいよ。ただ、その中でも強豪チームにほんとに上手い子も中には、いる。本当上手いよ。
ぼく : 天才児、みたいな?
広岡 : っていうよりもやり慣れてるんだよね。試合中とか、大人でもなかなかシザースってプレーの中に入れ込めないけど、彼らは出してくるから。ステップオーバーとかシザーズとかどんどん入れてくるし、そこからのダブルタッチでスッて抜けたり、もうあれはやり慣れてる。
ぼく : そうなんですね。もう敵がいる状況でやるのに慣れてると。
広岡 : よくわかってるよね。このパターンだとこういう風にやれば抜けられる、みたいな。すごいバランス感覚のいい子が多い。
ぼく : それはもう、1 人で基礎を練習してとかだけじゃ無理ですよね。小学生サッカーってどういう指導をしてるんすか?
広岡 : チームによるんじゃないかな。「サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法」にも書いてあったけど、「勝ち負けあまり関係ない」みたいな基本スタンスにはみんななりたいものの...まあ勝ったほうが楽しいよね。バディの方は、結構子どもにキツめに言うかもね。親もいるし、コーチもよく強くいうから。
ぼく : それで嫌になっちゃったりする子いないんですか?
広岡 : 幼稚園の時からずっと言われてるからね。慣れてんじゃないかな。あと、結果出たときの喜びは知ってるよね。
ぼく : キツく言われても、勝ったほうが楽しいから頑張ろっか、みたいになってる。
広岡 : まぁ当然それで腐る子もいるだろうし、うまくそれを力に変えれる子もいるし。
ぼく : 広岡さんのとこはどんな感じなんですか?
広岡 : うち天然ちゃんだからね。
ぼく : 天然ちゃんってどういうことですか?
広岡 : あんまり気にしてないんだよね。純粋にただサッカーが楽しいからやってる感じが強いと思う。今この瞬間にこいつを抜いたら楽しいじゃないか、以上、みたいな。でも、スタメンになれるかなれないとかは結構気にしてる。
ぼく : チームは何人ぐらいいるんですか?
広岡 : 30 人ぐらい。15 人ずつ A, B のチームに分かれてて。
ぼく : AB は上手さで分けられてるんですか?ランダムですか?
広岡 : チーム力がだいたい均等になるように分けられてる。5 年生くらいになると、東京都につながる大会がでてくるんで、やっぱり 1 軍 2 軍みたいに分かれるみたいなんだけど、まだちょっと上のことはわからない。
広岡 : 大変だよ、強いチームだと上手い選手が外から入ってきたりするし。競争社会だよ。
ぼく : 早いっすねぇ。広岡さんはお子さんにけっこうキツく言うんですか?
広岡 : けっこう言う。
ぼく : どういうことを言うんですか?
広岡 : 頑張ってない時に。明らかに手抜いてるってわかるからさ。ちゃんとやれっていうか、サッカーがつまらないよ、見てて全然つまらないよっていう話をする。
ぼく : テクニック論っていうよりかはどっちかっていうと、サッカーに向かい合う姿勢。
広岡 : そっちのほうが多いかな。あんまり細かい技とか俺もよくわかんないし。俺らの時代と違って、いま全部の技に名前付いてるでしょ。
ぼく : ぼくの頃は...クライフターン、シザース、とか...
広岡 : シザースとか俺らの時無かったからね。ステップオーバーもシザースもどっちも、俺らの時代は「またぎ」って呼ばれてた。ステップオーバーっていうのは右足で外からまたいでアウトで抜けていくやつ。シザーズは内から外にまたぐやつ。
ぼく : 僕らは、そのステップオーバーのことを「またぎ」、シザースはシザースって呼んでましたよ。全部「またぎ」って雑っすねw
広岡 : そういうのがもっといっぱいある。あとはテレビでたくさん流れてるからね、スーパープレイとか。眼から入れるのは強いよ。
ぼく : 何で見てるんですか?スカパーとかですか?
広岡 : YouTube。スカパー入れてるところも多いんじゃないかな。サッカー見ようと思ったらスカパー入れるしかないから。詳しいもん、選手のこととか。俺も全然知らないのに、何で知ってんだよ、みたいな。
ぼく : まぁ詳しい子はいましたねぇ、ぼくが小学校の頃も。
広岡 : 俺もね、見るよりやるほうが好きだったけど、詳しい人は詳しいよね。眼から入ってくるってのは、すごく早く上手くなる 1 つの要素だとは思う。見て真似するし、やっぱフレームワーク化されてるんだよね。
ぼく : フレームワーク化ってどういうことですか?
広岡 : サッカー自体がフレームワークで出来てるじゃん。たくさんあるフレームで、例えばワンツーっていうフレーム、裏回りっていうフレーム、だったり。このパターンだったらこれが有効だよね、みたいなフレームワーク化をしてるわけですよ。ビジネスも結構それに近いんだよね。
ぼく : あー。逆に、こう仕掛けられたらこう止める、みたいな守備のフレームワークがあって。
広岡 : そうそう。試合を見てると、ずーっとトップレベルの人たちが映像でフレームワークをやり続けるんだよね。それはねやっぱ口で説明するよりも 100 倍楽しい。
ぼく : 見て覚えちゃうんだ。
広岡 : 戦略ボードまで渡しちゃったらもうパーフェクト。あのマグネットでつけるやつ。これが動いたからみんなこう動いた、ここにスペースが空くよ、こう回るのとこう行くのではどっちがゴールに正面の向きになるの、っていうのを話を映像みながらしてるっていうのが、よくやってるカンジじゃないの。
ぼく : 小学校低学年でもやってるんですねー。子どもは分かるんですかね。
広岡 : 結構分かる。そりゃ週 3, 4 回も練習してれば分かるようになるよ。
ぼく : すごいなー。
広岡 : 「閃き」ってよく言うじゃん。例えばネイマールが「サッカーで一番重要なのは閃きである」って言った、みたいな。
広岡 : 閃きには 1 つ条件があって、それは閃く「材料」。ドリブルでいうと、なんでドリブルができるかっていうと、ドリブルのフレームが身についてるから技が出せるんだよ ね。そのドリブルフレームワークを持ってない人間には絶対使えない、以上、っていう世界。
ぼく : まぁ何だって基本そうですもんね。たとえば英語だってなんで喋れるのかって、そもそも単語知らないのに喋れるわけがない。
広岡 : 近い近い。よく「勉強しないでもできます」とか「そんな英語勉強してこなかった」やつとか、100% 嘘。んなわけねーじゃん。本人が苦労したって思ってないだけで、触れてる時間は長いはず。
ぼく : それは確かにある気がするなー。あと好き嫌いとか、才能とかもあるのかわかんないですけど、吸収の効率が良い悪いぐらいはあるかもしれないですけどね。
広岡 : でもやっぱり継続は力なりだし、努力って重いのかなって思うよ。高校サッカーとかでも、確かに上手い子はいるけど、だいたいそこそこのレベルで固まってて、その中でプロに行く子と行かない子がいる。なんでって言われたら「なりたい」って思ってるか「なりたくない」って思ってるかの違いぐ らいだけしかないんじゃない。
ぼく : なるほどね。
広岡 : 会社でもさ、「こういう事業やってみたいんです」っていう若い人っているけど、そんなに若手の実力に差があるって訳でもないじゃん。
ぼく : 若い頃だと確かにそんなでもないですね。
広岡 : で、結局声がデカいやつが選ばれる。おれにやらせろ!って言ったやつが選ばれる。それがまず絶対条件でしょ。その上で、必要な経験とか、どんなフレームワークがあるのかで差は出るけど。
ぼく : 好き嫌いっていうところでいうと、お子さんはサッカーは自分で始めたんですか?それとも広岡さんの影響で?
広岡 : 影響は絶対にあるよね。最初、年少々の時、ちょっと入れてみたらって。そこからずっと好きでやってる。
広岡 : 今、下の子が面白くてね。練習やり始めると、家の中でカラーコーン持って小さいコーチ始めるんですよ。ぼくと奥さんと長男に、はい並んでー、ここドリブルあそこシュート、って。
ぼく : なにそれかわいい。
広岡 : 去年まで下の子はサッカーサッカーって言ってなかったんですけど、今年から急に、ずーっと長男と次男でボール蹴ってやってる。家の中で。
ぼく : 家の中で。怒らないんですか?
広岡 : クラッシュしても大丈夫なボールとかでやってるし、小っちゃいゴールが家の中にあって、それめがけてずっと蹴ってる。
この記事は 3 記事中 2 記事目だよ。
Q
と思って、Growth Hack Studio (グロースハックスタジオ) Co-founder で取締役の広岡 一実氏に、サッカーを通じた子どものグロースハックについて聞いてきたよ (適当)。
この記事は 3 記事中 2 記事目だよ。
毎朝 20 分パス交換をする意味とは?
ぼく : お子さんがサッカーに興味を持ったきっかけは何だったんですか?
広岡氏 (以下「広岡」) : 最初はね、僕がいまだに都リーグの試合に出てて。試合を見にきてると、当然子どもも「ぼくもやってみる」って言い出して、始めたのが最初かな。
ぼく : 最初はお子さんが何歳ぐらいのときですか?
広岡 : 2 歳くらいから。
ぼく : はやっ。最初は広岡さんとボール蹴り始めて、みたいな?
広岡 : そう。今も毎朝 15〜20 分くらいずっと一緒にボール蹴ってる。
広岡 : 継続は力なりっていうのを教えてるんですよ。大人になってから継続させようとするとしんどいじゃないですか。
ぼく : ライザップとか Presence (スパルタ英語塾) とか全部、自分だけじゃ継続できないからお金払ってるようなもんですよね。
広岡 : ってことは大人になる前に「面倒くさいことを継続する習慣」をつけとくのが良いだろうって思って。毎朝 20 分くらい勉強して、そのあとサッカーをするっていうのをルーチンに入れてる。サッカーもどっちかっていうと基礎練をやってて。
ぼく : あえて面倒くさいことをやらせてるんですね。
広岡 : そう。で、その上でちょっとパス交換したりドリブル練習したり。朝起きて勉強してサッカーをするっていうのが、合わせて 1 日 40〜45 分間くらい。毎朝ルーチンになってる。
ぼく : 広岡さんも付き合うのって結構大変じゃないですか?
広岡 : いや、楽しくやってるよ。自分の練習にもなるし、面白いっすよ。
小学生の「サッカー力」の差が生まれる要因は?
ぼく : うちの子どもも、週末たまに公園でボール蹴るぐらいですけど、全然上手くないんですよね。
広岡 : それはそうだと思うよ。最初からうまい子は、ほっとんどいない。
ぼく : やっぱりそうなんですね。小学生ぐらいになると、幼稚園からやってましたって子と、小学校で初めてサッカーやりますって子の差は結構あったりしますか?
広岡 : 相当差があるね。でも、見たり聞いたりしてる限りだと、小学校低学年の差って基本的に「体格差」に近いみたいだね。足の速さとか。
広岡 : 昔はたぶん中学校くらいだったんだと思うけど、今は小学校の高学年ぐらいになってくると、体格もさることながら「サッカー脳」がないともうボール触れなくなる。
ぼく : 小学校高学年で、ですか?早くねーすか?
広岡 : だってもう 4, 5, 6 年生とかにもなってくると完全に組織立ってるし。
ぼく : 昔じゃ考えられないですね。
広岡 : そもそも今 11 人制のサッカーの数が減ってて、ほとんど 8 人制なんだよ。サッカーっていかにトライアングルを作るかじゃない。11 人対 11 人だと、トライアングルの数が多すぎて小学生が把握できない問題ってのがある。
広岡 : 8 人制のトライアングルの数が小学校の間ではいいよねっていうのが、グローバル的には標準的な考え方になっていて。
ぼく : 以前 Facebook でぼくらの間で話題になった「サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法」って本にも書いてありましたね。
広岡 : 大会もいくつかあるんだけど、けっこう 8 人制になってる。そうなると「サッカー脳」が重要になってくるんだよね。
ぼく : 蹴って前に進めて、みたいなサッカーじゃなくて。
広岡 : 学年でいうと、1 年生はたぶん 90 パーセント以上は「だんごサッカー」だよ。単純に逆サイドまでボールが届かないから。選択肢に入らないし、「サッカー脳」もないから。なんで、バタンと当たって強い子が前に行く。
広岡 : 2 年生くらいになってくると、勝つチームは逆サイドで誰か張ってるんだよ。ようは我慢が出来るようになって、ボールサイドに寄ってかなくなるの。20 パーセントくらいのチームが出来て、80 パーセントくらいは相変わらず出来ない。
ぼく : 出来るチームっていうのは何が違うんですか?指導が良いんですか?それとも逆サイドまで蹴れる選手がいる、とかですか?
広岡 : 経験上「待ってたほうがお得だ」ってわかる子が増えるんだよね。ここで待ってたほうが点取りやすいじゃん、みたいな。その結果、その子たちは最初オフサイド にかかりまくるんだよ(笑)。前のほうに張ってりゃ良いじゃんって、自分がオフサイドポジションにいることがよく分かってなくて。そのうち戻ってこれるようになるはず。
ぼく : ふーん、面白いなー。。
広岡 : だから小学 2 年生は決定的に上手い・下手っていうよりも、まず体力でやり慣れてる・やり慣れてないかが大きいよ。ただ、その中でも強豪チームにほんとに上手い子も中には、いる。本当上手いよ。
ぼく : 天才児、みたいな?
広岡 : っていうよりもやり慣れてるんだよね。試合中とか、大人でもなかなかシザースってプレーの中に入れ込めないけど、彼らは出してくるから。ステップオーバーとかシザーズとかどんどん入れてくるし、そこからのダブルタッチでスッて抜けたり、もうあれはやり慣れてる。
ぼく : そうなんですね。もう敵がいる状況でやるのに慣れてると。
広岡 : よくわかってるよね。このパターンだとこういう風にやれば抜けられる、みたいな。すごいバランス感覚のいい子が多い。
ぼく : それはもう、1 人で基礎を練習してとかだけじゃ無理ですよね。小学生サッカーってどういう指導をしてるんすか?
広岡 : チームによるんじゃないかな。「サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法」にも書いてあったけど、「勝ち負けあまり関係ない」みたいな基本スタンスにはみんななりたいものの...まあ勝ったほうが楽しいよね。バディの方は、結構子どもにキツめに言うかもね。親もいるし、コーチもよく強くいうから。
ぼく : それで嫌になっちゃったりする子いないんですか?
広岡 : 幼稚園の時からずっと言われてるからね。慣れてんじゃないかな。あと、結果出たときの喜びは知ってるよね。
ぼく : キツく言われても、勝ったほうが楽しいから頑張ろっか、みたいになってる。
広岡 : まぁ当然それで腐る子もいるだろうし、うまくそれを力に変えれる子もいるし。
サッカー少年の息子とどうコミュニケーションするか?
ぼく : 広岡さんのとこはどんな感じなんですか?
広岡 : うち天然ちゃんだからね。
ぼく : 天然ちゃんってどういうことですか?
広岡 : あんまり気にしてないんだよね。純粋にただサッカーが楽しいからやってる感じが強いと思う。今この瞬間にこいつを抜いたら楽しいじゃないか、以上、みたいな。でも、スタメンになれるかなれないとかは結構気にしてる。
ぼく : チームは何人ぐらいいるんですか?
広岡 : 30 人ぐらい。15 人ずつ A, B のチームに分かれてて。
ぼく : AB は上手さで分けられてるんですか?ランダムですか?
広岡 : チーム力がだいたい均等になるように分けられてる。5 年生くらいになると、東京都につながる大会がでてくるんで、やっぱり 1 軍 2 軍みたいに分かれるみたいなんだけど、まだちょっと上のことはわからない。
広岡 : 大変だよ、強いチームだと上手い選手が外から入ってきたりするし。競争社会だよ。
ぼく : 早いっすねぇ。広岡さんはお子さんにけっこうキツく言うんですか?
広岡 : けっこう言う。
ぼく : どういうことを言うんですか?
広岡 : 頑張ってない時に。明らかに手抜いてるってわかるからさ。ちゃんとやれっていうか、サッカーがつまらないよ、見てて全然つまらないよっていう話をする。
ぼく : テクニック論っていうよりかはどっちかっていうと、サッカーに向かい合う姿勢。
広岡 : そっちのほうが多いかな。あんまり細かい技とか俺もよくわかんないし。俺らの時代と違って、いま全部の技に名前付いてるでしょ。
ぼく : ぼくの頃は...クライフターン、シザース、とか...
広岡 : シザースとか俺らの時無かったからね。ステップオーバーもシザースもどっちも、俺らの時代は「またぎ」って呼ばれてた。ステップオーバーっていうのは右足で外からまたいでアウトで抜けていくやつ。シザーズは内から外にまたぐやつ。
ぼく : 僕らは、そのステップオーバーのことを「またぎ」、シザースはシザースって呼んでましたよ。全部「またぎ」って雑っすねw
広岡 : そういうのがもっといっぱいある。あとはテレビでたくさん流れてるからね、スーパープレイとか。眼から入れるのは強いよ。
ぼく : 何で見てるんですか?スカパーとかですか?
広岡 : YouTube。スカパー入れてるところも多いんじゃないかな。サッカー見ようと思ったらスカパー入れるしかないから。詳しいもん、選手のこととか。俺も全然知らないのに、何で知ってんだよ、みたいな。
ぼく : まぁ詳しい子はいましたねぇ、ぼくが小学校の頃も。
どういう人がサッカーも仕事も上手くなるのか?
広岡 : 俺もね、見るよりやるほうが好きだったけど、詳しい人は詳しいよね。眼から入ってくるってのは、すごく早く上手くなる 1 つの要素だとは思う。見て真似するし、やっぱフレームワーク化されてるんだよね。
ぼく : フレームワーク化ってどういうことですか?
広岡 : サッカー自体がフレームワークで出来てるじゃん。たくさんあるフレームで、例えばワンツーっていうフレーム、裏回りっていうフレーム、だったり。このパターンだったらこれが有効だよね、みたいなフレームワーク化をしてるわけですよ。ビジネスも結構それに近いんだよね。
ぼく : あー。逆に、こう仕掛けられたらこう止める、みたいな守備のフレームワークがあって。
広岡 : そうそう。試合を見てると、ずーっとトップレベルの人たちが映像でフレームワークをやり続けるんだよね。それはねやっぱ口で説明するよりも 100 倍楽しい。
ぼく : 見て覚えちゃうんだ。
広岡 : 戦略ボードまで渡しちゃったらもうパーフェクト。あのマグネットでつけるやつ。これが動いたからみんなこう動いた、ここにスペースが空くよ、こう回るのとこう行くのではどっちがゴールに正面の向きになるの、っていうのを話を映像みながらしてるっていうのが、よくやってるカンジじゃないの。
ぼく : 小学校低学年でもやってるんですねー。子どもは分かるんですかね。
広岡 : 結構分かる。そりゃ週 3, 4 回も練習してれば分かるようになるよ。
ぼく : すごいなー。
広岡 : 「閃き」ってよく言うじゃん。例えばネイマールが「サッカーで一番重要なのは閃きである」って言った、みたいな。
広岡 : 閃きには 1 つ条件があって、それは閃く「材料」。ドリブルでいうと、なんでドリブルができるかっていうと、ドリブルのフレームが身についてるから技が出せるんだよ ね。そのドリブルフレームワークを持ってない人間には絶対使えない、以上、っていう世界。
ぼく : まぁ何だって基本そうですもんね。たとえば英語だってなんで喋れるのかって、そもそも単語知らないのに喋れるわけがない。
広岡 : 近い近い。よく「勉強しないでもできます」とか「そんな英語勉強してこなかった」やつとか、100% 嘘。んなわけねーじゃん。本人が苦労したって思ってないだけで、触れてる時間は長いはず。
ぼく : それは確かにある気がするなー。あと好き嫌いとか、才能とかもあるのかわかんないですけど、吸収の効率が良い悪いぐらいはあるかもしれないですけどね。
広岡 : でもやっぱり継続は力なりだし、努力って重いのかなって思うよ。高校サッカーとかでも、確かに上手い子はいるけど、だいたいそこそこのレベルで固まってて、その中でプロに行く子と行かない子がいる。なんでって言われたら「なりたい」って思ってるか「なりたくない」って思ってるかの違いぐ らいだけしかないんじゃない。
ぼく : なるほどね。
広岡 : 会社でもさ、「こういう事業やってみたいんです」っていう若い人っているけど、そんなに若手の実力に差があるって訳でもないじゃん。
ぼく : 若い頃だと確かにそんなでもないですね。
広岡 : で、結局声がデカいやつが選ばれる。おれにやらせろ!って言ったやつが選ばれる。それがまず絶対条件でしょ。その上で、必要な経験とか、どんなフレームワークがあるのかで差は出るけど。
ぼく : 好き嫌いっていうところでいうと、お子さんはサッカーは自分で始めたんですか?それとも広岡さんの影響で?
広岡 : 影響は絶対にあるよね。最初、年少々の時、ちょっと入れてみたらって。そこからずっと好きでやってる。
広岡 : 今、下の子が面白くてね。練習やり始めると、家の中でカラーコーン持って小さいコーチ始めるんですよ。ぼくと奥さんと長男に、はい並んでー、ここドリブルあそこシュート、って。
ぼく : なにそれかわいい。
広岡 : 去年まで下の子はサッカーサッカーって言ってなかったんですけど、今年から急に、ずーっと長男と次男でボール蹴ってやってる。家の中で。
ぼく : 家の中で。怒らないんですか?
広岡 : クラッシュしても大丈夫なボールとかでやってるし、小っちゃいゴールが家の中にあって、それめがけてずっと蹴ってる。
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