特に動画広告については圧倒的にウォーターフォール型のほうが良い。
理由を図解する。
前提として、動画広告は (誰でも簡単に出稿できるバナー広告と違い) 案件の種類が比較的少ない。
なので、同じユーザーに同じアドネットワークの広告を連続で見せていると、同じ広告を複数回見せてしまう (当然クリック率が下がる) 可能性が高くなる。
ここで、3 つのアドネットワーク (A, B, C) を使い、3 人のユーザー (1, 2, 3) に合計 10 インプレッションを表示するケースを考えてみる。
【比率】で配分した場合、どのユーザーにどのアドネットワークを何回見せたかは関係なく、単純に各アドネットワークが何回配信されたかのみが考慮される。
なので例えば、60%:30%:10% の割合で配信すると決めた場合 (ケース①)、
ユーザー1: AAAAという風に、同じユーザーにに同じアドネットワークを何度も見せてしまっている可能性がある (コントロールできない) のだ。
ユーザー2: AAC
ユーザー3: BBB
さて、上記のケースだとおそらく収益性は
A > B > Cとなっている (だからその順番で配信比率が高いのだろう)。
その場合、ウォーターフォール型 (順番を固定) にした上で、frequency cap を
A: 2/dayにするとどうなるか。
B: 1/day
C: 1/day
それぞれのユーザーが広告を見る回数が変わらなかった場合 (ケース②)、
ユーザー1: AABCとなる。
ユーザー2: AAB
ユーザー3: AAB
(各ユーザーその日 1 回目〜 2 回目の imp はアドネットワーク A、3 回目は B、4 回目は C という風に順番が固定される)
こうしておけば、各ユーザーが同じアドネットワークを連続で見る回数を自分で制御できる (何度も同じのばかり見せることで eCPM が下がることを防げる) し、各アドネットワークの frequency cap を変えることで表示比率もコントロールできる。
上記のケースの場合、たまたまだが、表示比率は最初と同じ 6:3:1 になったが、ケース①ではユーザー 1 と 2 には単一のアドネットワークしか見せていないのに対し、ケース②ではそれぞれのユーザーにバランスよく複数のアドネットワークを見せているので、全体としての収益性は②のほうが高くなるはずである。
バナーの場合、ほぼ fill rate が 100% に近かったので、複数のアドネットワークを配信してそれぞれの収益性をモニターするには、比率で配信する以外に方法が無かった。
動画やインタースティシャル広告の場合、同じ広告を何度も見せるのは収益性にネガティブなので、逆に自分から frequency cap をかけて fill rate を意図的に下げるのが合理的だ。
その場合において、比率で配信する必然性はもはや無く、上記のロジックの通りむしろウォーターフォールでやったほうが収益性にはプラスに働く。
新しい時代になったので、【バナー脳】からそろそろ脱却したほうが良いよ、というお話でした。
Q
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