前回の投稿 で、AppLovin の日本展開にあたってまずは「聞いたことない AppLovin」から「名前は聞いたことがある AppLovin」に昇格させようと決めたことを書いた。
具体的にどうアプローチしたか。
ポジティブな印象とともに名前を知ってもらうため、下記がポイントではないかと考えた。
- 何度も名前を見聞きする (回数)
- 頻繁に名前を見聞きする (頻度)
- 信頼のおける人やメディアで名前を見聞きする
かつ、サービスが BtoB なので、例えばマスメディアを通じて 1 億人の日本人に知ってもらう必要はなく、スマホアプリのマーケティングに関わる数千人に知ってもらえば十分。
という観点でメディアを選んだ結果、やったことは大きく下記の 2 点。
1. 自分の SNS のアカウントを最大限活用
Twitter アカウント名を *AppLovin* Tatsuo に変更
- 特に広告でマネタイズする個人・中小デベロッパさんによく見られている
- Twitter で日本語でプレゼンスがある競合が少ないという利点あり
- (Twitter での独特のコミュニケーション、リアルタイムなレスポンスなど、実は簡単に活用できるわけではない)
- 公式日本語アカウントを作るより、AppLovin の中の人の顔が見えたほうが良いと考えた
- 意外と、広告を検討する大手企業の中の人も検索していることが後から分かった
Facebook アカウントのミドルネームを "Tatsuo Q Sakamoto" から "Tatsuo AppLovin Sakamoto" に変更
- デベロッパ、競合他社、代理店といった「業界の人」と千人単位で繋がっている
- AppLovin がイケてる・頑張ってるというだけでなく、"動画広告" や "データを活用したマーケティング" といったトレンドを発信することで、「たつおは詳しそう」というパーソナルブランドを構築
- おかげで知らない人からのインバウンド案件が増えた
- 初めて会った人からも「FB で見たことあります」と言われることが多い
2. 日本語でメディアに露出される
起こったこと、やったことを時系列に書くとだいたいこんなかんじ。
TechWave 掲載
- 日本進出 1 ヶ月で、TechWave に掲載してもらえた
- 「AppLovin」 元Google 坂本達夫 氏が日本代表となった注目の広告ネットワーク/DSPについてまとめてみた 【@maskin】#AppLovin
- 掲載してもらえたのはラッキーだが、@maskin さんに積極的に情報提供をした
プレスリリース
- 他社と提携・協業が始まる際、プレスリリースを出してもらうよう依頼した
- 正しい情報が載るようレビューを行う。先方の広報の方のため、全力で即レスする
- 例: セプテーニ、スマートフォンアプリ向けモバイルマーケティングプラットフォーム「AppLovin」の販売を開始
- 例: 全世界対応のスマホアプリ向け効果測定システム「PartyTrack」、AppLovin Corporationが提供する「AppLovin」と連携開始 ~リアルタイムデータを活用した広告配信の自動最適化を実現~
- 例: アドフリくん(SSP)、AdColony、AppLovin、Unity Adsと動画リワード広告で連携。「動画リワード広告のメディエーション」機能を提供開始!
- 誤解をまねくリスクはゼロではない (例えば、セプテーニが AppLovin を扱う唯一の広告代理店なのか、と聞かれたりする。実際はそうではない)
イベント・勉強会
- 最初は知名度がないので講演などに呼ばれることは無いので、自分で主催する
- イベントや勉強会を主催するときの tips だけで 1 つ記事が書けそう
- IVS のスタッフをやった ことで、イベントの主催・運営についてかなり鍛えられた
- リーチしたい顧客の連絡先が漏れなく手に入るので、実はイベントは主催するのが最もコスパ良い気がする。オペレーション大変だけどね
イベント主催 x メディア
- イベントにメディアを呼んで記事にしてもらうことで波及効果を狙う
- 記事にしやすいキャッチーなテーマ選びをする
- 写真になったときのため必ず会社ロゴの入った T シャツを着るようにしている (聴衆への視認効果も)
- この記事 (成功事例も出始めている!「動画リワード広告マネタイズ交流会」潜入レポート) ではロゴ入りの画像を OGP にもしてもらえた。イベントでは一切講演していないにもかかわらず、だ
- その他、代理店向けの勉強会、中小広告主向けの勉強会、など主催した
呼ばれて登壇
- 次第にイベントに呼んでもらえるようになった
- 地方であるイベントなども、講演内容の動画と資料をメディアに提供することで、記事にしてもらえたりもしている
- 例えばこの記事 (坂本達夫氏が語るアプリ収益化の新潮流 ~動画広告を活用したマネタイズ~) などは、札幌で開催された小規模な勉強会だったが、記事になったことで数百人にリーチできている
結果は KPI としては計測しづらいが、自分の肌感覚では効果を感じている。
っていうか感じなくなったらやらない。
(やる・やめる決断が早くできるのは、サラリーマン時代より良い)
効果を感じる瞬間
- Twitter での "AppLovin" 関連の日本語の呟きが増える
- 営業に行ったとき、名前を聞いたことがある、と言ってもらえる
- Facebook, Twitter で知らない人からインバウンドで問い合わせが増える
こんだけ広報・PR 業務を手を動かしながらやっている営業フロントマンは、きちんとした組織には余りいないんじゃなかろうか...
かけてるリソースとしては、朝と夜の空いた時間にちょっとやる、ぐらい (全体時間の 5-10% ぐらい) なんだけどね。
Q
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