KansaiMashApp 審査員メンバー |
わりと一般的な内容だと思うので、個人・チームが特定されない範囲でぼくの回答を公開する。
(質問者からも、メンバーだけで独り占めしては世の中に申し訳ないので公開して欲しい、と許可をいただいた)
【質問】
受賞時に頂いた 30,000 円の旅行券を、金券ショップで換金し、手にした29,200円を開発資金として、引き続きアプリを開発していこうということで、話がまとまりました。当面は、タイ、中国、ブラジルそして日本の混成部隊で無料アプリを開発し、まずは、五万人のユーザー獲得を目指します。
そこで、一点教えていただきたいことがあるのですが。
当面の間、広告掲載等を活動費の足しにすることで、無料アプリの開発活動を維持でいればと思っているのですが、どの程度の収入が見込めるものか皆目見当がつきません。
せめて、相場観を持ちたいとメールさせていただいた次第です。
抽象的な質問ですが
- ユーザー数が5万人に達した時点で、平均的にどの程度の収入が見込めるのでしょうか
- そもそも、バナー等、広告収入だけで、維持されている無料アプリがありますか。
- ある場合、どのような要件を満たしている必要がありますか
【回答】
プロダクト開発を継続されるとの決断、素晴らしいと思います!29,000円ではお金としては出来ること少ないと思いますが、色んな国の出身者とエンジニアがいるっていうアセットはめちゃくちゃ強みになると思います。
ご質問の件ですが、広告を掲載したときの収益は
広告表示回数 x クリック率 x クリック当たりの単価
で決まります。
クリック率は (ユーザーに間違いクリック等させない限り) ほぼ一定 (バナーの場合 0.5% 程度)、単価も平均すると 10~20 円程度でそこまで大きく変わらないので、広告の表示回数を伸ばせるかどうかが鍵になります。
クリック率は (ユーザーに間違いクリック等させない限り) ほぼ一定 (バナーの場合 0.5% 程度)、単価も平均すると 10~20 円程度でそこまで大きく変わらないので、広告の表示回数を伸ばせるかどうかが鍵になります。
(どの広告ネットワークが、というのは無視して一般論)
もちろん同じユーザーに何度も何度も何度も広告を見せると、嫌になって離脱してしまうので、「広告をいっぱい見せる」という発想よりも「どれだけ多くのユーザーに長くアプリを使ってもらうか」(その結果として、たくさん広告が見られる) が鍵です。
テレビで考えると分かりやすいかと思います。
CM ばんばん出すのではなく、面白い番組を作って多くの視聴者の目を惹き付ける必要があるわけです。
単にダウンロード数だけでなく、どれぐらい頻繁に起動してもらうか、1回起動するたびにどれぐらい長く (1 分ではなく 2 分、2 分ではなく 3 分) アプリを使ってもらうか。
なので、ダウンロード数からどれぐらいの収益になるかを予想することは、事実上不可能です。
CM ばんばん出すのではなく、面白い番組を作って多くの視聴者の目を惹き付ける必要があるわけです。
単にダウンロード数だけでなく、どれぐらい頻繁に起動してもらうか、1回起動するたびにどれぐらい長く (1 分ではなく 2 分、2 分ではなく 3 分) アプリを使ってもらうか。
なので、ダウンロード数からどれぐらいの収益になるかを予想することは、事実上不可能です。
2.バナー等、広告収入だけで、維持されている無料アプリがあるか
については、回答は「あります」になります。
については、回答は「あります」になります。
が、広告だけで食べていくレベルにしようとすると、いくつか条件が出てきます。
(全てではなく、いずれかを満たしていればまぁ OK)
例えば...
- 開発チームの人数が少ない
- = 固定費(人件費) や開発費が少なくすむ
- 個人開発者さんとか
- ダウンロード数がめちゃめちゃ多い
- 数百万DLとかいけば数百万~千万円単位の収益になる
- ユーザーがめちゃめちゃ長く頻繁に使ってくれる
- 2chまとめみたいな固定ファンがいるコンテンツ系
- アプリを次から次に出す
- 前に出したアプリの売上が、次のアプリの開発費
- ニッチで高付加価値なユーザーを捕まえ、純広告として自分たちで直接広告主に販売する
- iQon が代表例
あとは何も広告だけに頼る必要はなく、たとえば追加機能を課金で販売する (ランキング表示するためにはプレミアム会員にならないといけないとか、広告非表示にするために 100 円払わないといけないとか) というやり方と組み合わせてもオーケーです。
ただしユーザーに直接課金する場合は、ユーザーがお金を払ってでも欲しい価値って何なのか、値段はその価値に見合っているのか、課金への導線はスムーズなのか、等、単に「画面上下のスペースにバナー広告を載せる」よりはちょっと高度なサービス設計が必要になってきます。
長々と書きましたが、個人的には今後こういったステップで進めるのが良いかなと思います。
- まずはアプリのリリースを最優先にする
- 最小限の機能 (MVP = Minimum Viable Product と言います) に絞って開発しリリース
- 最初はとりあえず広告を載せて少しでも稼ぎ、キャッシュが尽きるのを先送りにする
- ユーザーから直接フィードバックをもらい、必要な機能を足したり引いたりしながら改善
- その過程で「これはお金を出しても欲しいよね」って機能については課金で販売
- ダウンロードしたユーザーが継続的に使ってくれるレベルの品質になったら、ユーザー獲得を強化
- それなりのユーザー規模になってきたら、広告枠を直接企業に販売
あと、2. の段階で筋がよければもしかすると VC やエンジェル投資家からシードマネー (開発費にあてる)、6. ぐらいで VC からシリーズ A (採用・プロモーションにあてる) で資金調達できるとカッコいい成功ストーリーになりそうな気がします。
Q
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