"アプリやってて思うのはやっぱり web って重要だし、web しかやってないところはアプリの大きな機会をロスしてると思う。これからサービス作るときは【iOS エンジニア】【Android エンジニア】【web エンジニア】【サーバーエンジニア】が必要 (兼任可) になってくるだろうなぁ、というのが最近感じていること。"って Facebook で呟いたところ、アプリ界隈の人を中心に 50 以上のイイネがついた。
(息子の写真以外でこんなにイイネがつくことは滅多にない)
もうちょっと詳しくこの post の背景について書いてみる。
なんでモバイル対応が必要か
日本でスマホの普及率は、ざっくり 40~60% の間 (諸説あるが)。
ってことはスマホの台数はこれから数年で (ガラケーが死ぬまで) 倍ぐらいに増える。
現時点で既に、トラフィックの半数近くがスマホから、っていうサービスは少なくない。
コンテンツ系だけでなく、EC なんかでもスマホのほうが圧倒的なトラフィックを出しているよっていうところは多い。
スマホ特化したサービスだけでなく、古くから PC であるサービスであってもそうだ。
逆に、まだ 8-9 割が PC からですよってところは、よっぽどユーザ属性が偏っているか、そうでない限りはスマホの UX が異常にイケていない可能性を疑ったほうが良い。
なんでアプリが必要か
で、スマホ利用時間のうち 86% がアプリに使われている、という Flurry の調査が 2014 年 4 月に出た。
スマホが流行り始めた頃から、これまで PC web を主戦場にしてきた会社の多くが「モバイル化だ!」と言って、サイトのスマホ最適化を始めた。
一部の会社はアプリを作ったりもした。
しかしそのうち、web とアプリの特性を理解した上で、自社サービスをそれぞれのプラットフォームにどのように展開するか、戦略的に考え抜かれているケースはどれくらいあるだろうか。
- web とアプリで担当が完全に分かれていて、横断的に戦略を考える人がいない
- もしくは、特に何も考えずに全く同じ内容のサービスを、web とアプリの両方で提供している
アプリがあってなお web が必要な理由の 1 つ
86% の時間がアプリに使われているからといって、web を全くやらないというのはナンセンスだ。
その理由は一言でいうと「discoverability」つまりサービスを発見してもらうフェーズにおける問題だ。
何か欲しい情報があるとき、人は今でもやっぱり検索する。
立会川のお好み焼き屋を探すとき、わざわざ「ぐるなび」や「Yelp」アプリをダウンロードしてから検索する?
やっぱホーム画面かブラウザを開いて検索するでしょ。
その時にヒットするのは基本的に web だ。
いくら「TERIYAKI」アプリ (Android | iOS) の中に素敵なお店の情報があったとしても、残念ながらオーガニックサーチではヒットしない。
(App Indexing が今よりもっとメジャになって、かつ iOS でもサポートされるようになったら変わるかもしれない)
もしくは、Facebook や twitter や Google+ など SNS でシェアされた情報を見るとき。
あるユーザがアプリ内から情報を SNS にシェアしたとき、そこに載るリンクはどこに誘導するのか?
例えば Gunosy や NewsPicks の情報を Facebook にシェアしたとき、そのリンク先がどこになっているか?
正解は、Gunosy や NewsPicks の web ドメインだ。
(これらの web サイトは実はかなり良く設計されているので、なにげに要注目)
当該 post を見ている全員が Gunosy や NewsPicks のアプリを持っているわけではない。
- アプリを持っている人を自動で判別して、deep linking でシェア元のアプリ内コンテンツに直接飛ばす
- アプリを持ってない人に対してはアプリのダウンロードを促進すべく、App Store や Google Play に飛ばす (OS も自動で判別)
web があってなおアプリが必要な理由の 1 つ
ただし、例えば 1 度「ニュースを毎日読むなら Excite ニュース (Android | iOS) が良いな」「面白い動画は Everydeo (iOSのみ) で見つけるのが楽やな」と体験したユーザはどうか?
次からは検索ではなく、スマホのホーム画面に置かれたアイコンを押して、そのユーザに最適化されたアプリの UX を通じて、直接目的のコンテンツに向かう。
(もしくは、検索結果から App Indexing で表示されたアプリ内コンテンツに直接飛ぶ? 将来は)
そのアプリに飽きるか、別のより良いアプリを見つけるまで。
どういうことかというと、web とアプリの棲み分けである。
- web : 検索や SNS 経由など、一見さんがやって来て、サービスを知る場所
- アプリ : そのサービスを繰り返し利用したいという明確な目的を持ったユーザが何度も訪れる場所
だから「どっちが良いか」ではなく「どっちも必要」であって、それぞれどんなユーザにどういう体験をさせるのか戦略的に設計しないといけないわけだ。
以上を踏まえて次のアクションの提案
上記の内容をセールスピッチにして、web しかやってない大企業、もしくは微妙なアプリしか持ってない大企業 (いずれも非 IT) 向けにモバイル戦略のコンサルやるとそこそこ儲かると思うよ。
Q
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