2013/05/27

「伝わるプレゼン」を成功させた3つのTIPS

釣りタイトルっぽくて恐れ入ります。

昨晩 5/27(月) D2C RとApp Annieが主催する「"ネイティブアプリ" × "グローバル"セミナー」にスピーカーの1人として参加してきた。

イベントページに書かれていた講演概要はコチラ。
「世界市場においてアプリで成功を収めるためには、開発・プロモーション・マネタイズ・エンゲージメント強化・分析など多くの要素が関わってきます。
Google は開発者の皆さまを様々な角度からサポートしており、今回はその一連のプロダクトや活用法を少しずつご紹介します。」
なんというか...自分で言うのもなんだが、超つまらなさそう。

このままだと聞いてる方に苦痛しか与えられないなと思って、いくつかプレゼンに工夫を加えてみたところ、思っていた以上に上手くいった。

既に色んなところで共有されているノウハウではあるが、備忘の意味も込めて記録しておこうと思う。

【1】自社プロダクトについて喋らない

資料はPowerPoint 46ページ。
ほぼ全ページに自社プロダクトの説明が入っており、これをそのまま説明すると、ものっそい営業トーク色全開になってしまう。

それを避けるため、プレゼン中には自社プロダクトについて一切口にしないと決めた。

さらに、プレゼンの冒頭で「自社プロダクトについて1回口にするたびに、罰金100円払います!」と宣言した。
みんなばっちり苦笑してくれた。

最初から最後まで、資料にはGoogleのプロダクトについての説明が書かれているにもかかわらず、口頭では一般化された「アプリビジネスで成功するために必要なこと」を話すことになった。

言いたかったことは割と伝わったみたいだし、興味を持った人は勝手にプロダクト名をメモってくれていたようだった。

興味を持ってくれた人は終わったあとで名刺交換をしに来てくれたし (普段のセミナーに比べても希望者が多かった)、ビジネス的に見ても効果が悪かったわけでは無かったと思う。

【2】伝えたいことを1つ決める

Microsoft社 エヴァンジェリストの西脇さんに学んだこと。
プレゼンとは「相手に何かを伝えること」であり、伝わらなかったら失敗。
なので、伝えたいものを真っ先に決める、伝えたいことに優先順位をつける。

今回であれば、ぼくはGoogleのプロダクトを紹介することよりはむしろ、日本のデベロッパーさんたちに「海外展開、一緒に頑張ろうよ!」という意気込みを伝えたいと思っていた。

なのでプレゼンの冒頭で、「今日お伝えしたいことはこれだけです」と言って、そのメッセージを伝えた。
プレゼンの最後も、そのメッセージで締めた。

その文脈があってはじめて、プロダクトの説明も「皆さんのアプリビジネスを応援するためのもの」という意味を持ったんだと思う。
そうじゃないとただの営業トークとしか受け取ってもらえなかった。

【3】自分語りから始めて、リアリティを出す

 これは最近読んだ、ライフネット生命副社長 岩瀬さんのblog を参考にした。
まぁ自分が他の人の発表を聞くときにも、誰にでも話せる話をされるよりも、その人自身にしか語れない話を自分の言葉で話されたほうが、移入できる。

なので、プレゼンの本題に入る前に、2週間前にシンガポールとインドに出張したエピソードについて話した。
特にインドでGoogle I/Oを観覧し、現地のエンジニアさんたちと交流した体験を通じて、日本人も本気で海外目指さないと3年後ヤバいよ!という風に【2】の主張をサポートした。
(インド出張時のblog記事はこちら)

インドのエンジニアさんたちが流暢な英語を喋り、技術力もあり、海外の事例を学んで自分たちでも成功しようという意欲が高い...
そんなことを1次情報として語る日本人はそうそう沢山はいないと思うので、キャッチーなエピソードだったんじゃないだろうか。


以上、主に今回に限って工夫したのはこんなところだ。
上手くいったので、次回以降はこれをベースにして更に別の改善を加えようと思う。

次の課題は、狙って「笑い」をとることかな...
西脇さんも岩瀬さんも「笑いをとる」 ことの重要性を語っている。
昨日のぼくはせいぜいレッドカーペットでいう「小笑」程度だった。

Q


※参考1: Twitter ハッシュタグ #appannie_d2cr
※参考2: Rino Omuraさんによるセミナーのメモ (はてなブログ)
※参考3: ライフネット生命副社長 岩瀬さんのblog「気鋭のベンチャー経営者たちに学ぶプレゼン術

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2013/05/22

インド出張で考えた、日本の生き残り方

若干釣りっぽいタイトルで恐縮である。
先週1週間 (2013/5/11~18)、出張でインドに行ってきた。

ちょうどその最中にGoogle I/Oが始まり、中継をインドのGoogleオフィスで見る機会があった。
だいたい50人ぐらいの開発者さんが社外から観覧に来ていた。

インドは英語が準公用語なので (詳細)、特に大都市では英語によって授業が行われている学校もあるそうだ (詳細)。
上の写真に載っている開発者さんたちとも、普通に英語で会話して仲良くなった。
発音がちょっと聞き取りづらいときがあるけど、語彙はむしろぼくよりも彼らのほうが多いと感じた。

ぼくは開発スキルのことは門外漢なので全くわからないが、普通にサイトやアプリを問題なく作ったりする能力はある (もしくは勉強中) ようだ。
写真右下の彼は、ECサイト向けのシステムをOEMで提供する事業をやっているらしい (確か)。
ぼくの隣にいる彼はまだ学生だ。

一方、コードを書くスキルはあるけど、足りていない能力ももちろんある。
今回の旅で感じたのは、特にマーケットサイズが大きな国 (北米、東アジア圏) でヒットするサービスを作る企画力と、それを広めるマーケティング力だ。
このへんは文化も違うし、情報も入ってきにくいと思うので、ある程度は仕方ない。

だって日本の開発者さんだって、世界でヒットするサービスを狙って作れているところがどれだけあるのっていう話。
(増やしていきたいと思っている)

ただ、前述の通りインド人の彼らは英語が出来る。
たぶん海外 (特に英語圏) の情報は、彼らのほうが日本人よりもずっと楽に収集できるだろう。
正直ぼくも、英語のサイトだと読むの時間かかるし、だいたいSNSかGunosyで流れてきた日本語ニュースを読むだけの毎日だ。

今は日本1国で それなりに大きい市場規模がある (Androidでは売上世界一だ、AppAnnieによると)。
なので日本の開発者さんは、日本市場をターゲットにしていれば食べていくことができた。
ただ長い目で見ると、確実に人口は減り行く傾向にあるわけで、いつまでこの状況が続くか楽観はできない。

なので中長期的に見ると、日本が生き残っていくためには、外貨を稼ぐ、つまり海外にいるユーザーに使われるサービスを作っていかなきゃいけない...
そのためには、今よりも多くの人が英語を喋れるようになり、海外の情報を収集し、海外のユーザーに最適化したサービスを作れるような訓練が必要になるだろう。
これが1つ。

もう1つ思いついたのは、徹底的にガラパゴスに徹するという手。
これまで通りに、世界とは一線を画した日本独自の進化を、様々な領域で進める。
そして「実験場」としての日本がどういう状態にあるのかを、一部の人がより積極的に海外に発信するーという形だ。

これが経済的にポジティブに働くのかどうかは...正直よくわかんない。

ただ、例えばCool JapanTokyoOtakuModeなど、コンテンツとしての日本の独自の魅力というのは確かにあるみたいだ。
またぼく自身もインドや中国の開発者さんから、「いちばんモバイルが進んでいる国・日本」は今どういう状態なのか、 というのをかなり聞かれた。

(余談だが、アプリ「アルパカにいさん (Google Play | iOS)」が何故流行っているのかと聞かれ、答えに窮した...)
どうなるって言われても

ぼくが思っていたよりもずっと、日本っていう国に対するIT系の人たちの興味・感心は高かった。
広い世界市場を獲りに行く、という方向もアリだが (元々ぼくはコッチ派だった)、より国内に籠って尖った進化を続ける (+その進化をちゃんと世界に発信していく)、というのも面白いなぁと。

若干考えを改めさせられた出張だった。

Q

2013/05/11

世界は確かに狭かった


5月2日(木)からシンガポールにきている。
5日(日)までは家族も一緒に旅行で、そのあと昨日10日(金)までの1週間はこっちで仕事(出張)だった。

2日に1回以上の頻度で、こっちで働いている日本人と会っている。
大学のゼミの先輩、大学同期&前職後輩の夫婦、それから今日も大学同期とランチをした。

あと驚いたことに、東京の地下鉄の駅でばったり会うようなノリで、前職の先輩(こっちに新しくできた支社に勤めているらしい)と、もう何年も会ってなかった中高の同期と出くわした。

もちろん世界中どこでも同じことが起こるわけじゃなくて、シンガポールというアジアのヘッドクオーターが置かれやすい場所だから、というのは理由としてあると思う。
だけどやっぱり、自分の周りだけを見ても、世代を問わずどんどんグローバルな舞台に出てきている。
そしてそういう人たちってどこかしらで繋がっていくんだろうなと思った。

さて、今夜からは1週間インドだ。

Q